自家製酵母パンを効率よく、継続的に続けていく方法
はじめに
私は毎週末になると、翌週1週間分の朝食となる自家製酵母パンを焼く生活を5年間続けています。うちでは、家族が4人。1週間分の朝食に必要なパンの量は、おおよそ4斤分が必要となります。
毎週末に継続してパンを焼こうと思うと、できるだけ手間と時間を少なくしていく必要があるかと思います。パンを焼き始めた当初は、手順に慣れていないこともあり、多くの時間をパン焼き作業に費やしていました。あまりにも作業に時間がかかり初めの頃は、毎週のパン作りが苦痛になることもありました。
パン作りを始めてから次第に家族で食べる朝食に、私が作る自家製酵母のパンが採用されるようになり、なかば半強制的に作らないといけないという状況になりました。今ではこのことが幸いとしてか、パン作りを継続してこれた要因の一つとなっているのではないかと思います。
毎週継続してパンを焼いていると、効率の良いパンの焼き方というのを、
自分なりにいろいろ工夫するようになりました。
以下が工夫した内容となります
パン生地の発酵が上手に行える方法
酵母液を効率よく作っていく方法
毎週継続して焼きやすいパンの種類
4斤分の食パンを1度に焼く方法
1.パン生地の発酵が上手に行える方法
パン作りにとって、最も大事なことの1つに、
「いかに上手にパン生地を発酵させるか」ということが挙げられると思います。
パンの生地を上手く作成しても、その生地の発酵がすすまないと、おいしいパンは焼けません。また発酵に時間がかかったり、発酵しすぎて、酸っぱいパンが出来上がったり、思うように作業が進まないことがあります。
私自身も、何度もそのようなことがありました。あまりにも上手くいかないときは、パン作りが嫌になることもありました⤵
パン生地を上手く発酵させるためのコツとしては以下のようなものが挙げられると思います。
元気な酵母液が作れているか?
生地のこね上げ温度、発酵環境温度の管理が行えているか?
生地のこね具合は適切か?
生地の乾燥を防げているか?
2.酵母液を効率よく作っていく方法
私は毎回レーズンを使用して酵母液を作成しています。
「中種法」か「ストレート法」かで必要な酵母液の量が変わってきます。
中種法の場合、初めに酵母液を使い、その後は水と小麦を付け足しながら、酵母を育てていくため、多くは必要としません。
私が焼くパンは「ストレート法」を用いているため、多くの酵母液が必要となります。
2斤分のパン生地を作成するのに520㎖を使用しています。
900㎖のビン(蓋つき)を使って2斤分の酵母液を作ります。
毎週4斤分のパンを焼くので、900㎖ビンを2つ使って作成しています。
酵母液作成方法(4斤分、ストレート法の場合)
必要なもの
900㎖のビン(ステンレス蓋つき):2つ
レーズン(ノンオイル):100g
砂糖(きび砂糖):大さじ2
ビンの煮沸消毒
手順
ビンを煮沸消毒する(沸騰したお湯をビンにかける、または鍋のお湯でビンを煮沸する)
煮沸消毒したビンを冷ます。
ビンの中に40~50gのレーズン、大さじ1の砂糖を入れる。
ビンの蓋下2~3cm程度の水(浄水、天然水)を注ぐ。
蓋をして放置。
酵母液の完成まで
一般的に、酵母液の完成までに、室温25℃程度で、5日前後かかると言われています。ただし温度環境の違いによって、大きく日数は変化します。
春・夏:約5日
夏 :約3日
冬 :7日~10日
ビンの中の酵母菌の活動が活発になってくると、水中に沈んだレーズンが膨れ、上に浮き上がってくるようになります。透明だった水が茶色掛かり、モヤモヤしたものが水中に出てきます。
何日か経つと、中で炭酸ガスが発生してくるので、ビンの蓋が少し盛り上がってきます。
ビンの蓋が盛り上がってきたときに、蓋を緩め、空気の入れ替えをします。
蓋を開けたときに、酵母液がシュワシュワと盛り上がってくるようになれば、冷蔵庫に入れて、保存します。
酵母液の保存中も、炭酸ガスが発生するので、1日か2日に一回程度、蓋を緩めて、空気の入れ替えをします。
継続して酵母液を簡単に作る裏ワザ
おそらく、酵母液を継続的に作られている人は、ほとんどされているかもしれません。簡単に継続して酵母液を作る方法があります。
使用した酵母液の余りを、次の酵母液に使用する。要は継ぎ足しながら酵母液作成していく方法です。酵母菌を一から育てていくのには時間がかかります。しかし、あらかじめ酵母菌を酵母液に混ぜることにより、簡単に酵母液を作ることができます。
継ぎ足し酵母液のメリット(時短と経費削減)
冬の寒い時期でも2~3日で酵母液が完成する。
年中安定して酵母が起こせる。
酵母起こしに使うレーズン使用量が半分になる。
ストレート法でのパン作りには、毎回多くの酵母液が必要となるため、安定して、酵母液を作ることができるのは、大きなメリットとなります。酵母液が完成しなくてパンが焼けないということが極力なくなります。
また、一から酵母液を作るのに必要なレーズンの半分量で、しっかり酵母が起きますので、経済的にもメリットがあります。
継ぎ足し酵母液の手順
私が毎回使用している900㎖のビン作る酵母液の量は、おおよそ800㎖程度です。2斤分のパン生地作成に使う量は520㎖となります。そのため、生地作りに使用した酵母液を除いて、ビンの中に約300㎖の酵母液が残っています。その中に、レーズン(ノンオイル)20g、きび砂糖大さじ1入れ、蓋下2~3cmまで水(浄水、天然水)を注ぎます。その後、蓋をして放置。
この方法であれば、冬でも安定して酵母起こしが可能となります。
注意点としては、基本的にこの方法では、毎回、ビンの煮沸消毒は行わずに問題はありません。ただし、ビンの蓋、や蓋のねじ込み口の付近は汚れやすいので、汚れていれば、清潔なキッチンペーパーなどできれいにしておくことをおすすめします。蓋は直接洗ったりもします。
※基本、水洗いでスポンジなどは使いません。スポンジの雑菌が入ると、酵母液が腐る可能性があります。
3.毎週継続して焼きやすいパンの種類
毎週、継続して作るパンについては、シンプルなものが良いと思っています。私が最も頻繁に焼くシンプルなパンとして、2斤食パンが圧倒的に多いです。
2斤食パンを焼くメリットについて
「2斤食パン型」を使用することで、作業工程が少なくなる。
「4斤分のパン」を家庭用電気オーブンにて1度に焼ける。
シンプルなパンなので、アレンジして食べやすい。
2週間ほどの保存がきく。
などがあげられます。以下に詳しく述べます。
1.「食パン型」を使用することで、作業工程が少なくなる。
食パンを焼く際には、「食パン型」という金属性の型に1次発酵後のパン生地を入れ、2次発酵をさせます。その後、「食パン型」ごとオーブンで焼くことができるため、作業工程が少なくらくになります。
2.「4斤分のパン」を家庭用電気オーブンにて1度に焼ける。
家庭用オーブンの大きさにもよると思いますが、2斤分の「食パン型」2つ同時に入ることで、1度に4斤分のパンを焼くことができます。
時々、バケットやカンパーニュなどのパンを焼くことがあるのですが、4斤分を同時に1回で焼けるのは、食パンだけです。
3.シンプルなパンなので、アレンジして食べやすい。
食パンは毎朝食べるパンとして、アレンジがしやすいものの一つだと思います。我が家ではパンを朝食べるときにフライパンで再度火を通してから食べます。自家製酵母パンは焼いたその日以降は硬くなるため、再度火を通すと、外はカリッと、中はモチモチにして食べることができます。
焼いた後は、バターやジャムを塗って食べる。チーズをのせたり、オリーブオイルをつけて食べる。ハーブを上に散らす。など朝の時間がないときでも、自分好みにアレンジができるのが良いところだと思います。
その他、週末の食パンアレンジとして
フレンチトースト
ホットサンド
クロックムッシュ
チーズフォンデュ
などを作ることもあります。
4.2週間程度の保存がきく
酵母液、小麦、塩、はちみつ、などシンプルな材料で作っているため、保存がききやすいです。焼いた後、2週間程度は野菜室に保存していても、特に問題なく食べれています。1週間が経過すると、パンのモチモチ感や風味は若干少なくなりますが。
材料が多く少し凝ったパンとなると、材料の加減で早く消費しないといけなかったり、早い段階で味が落ちたりすることがあります。そのため、なるべく、保存がしやすいパンが作り続けることに適していると考えています。
4斤分の食パンを1度に焼く方法
現在、私が毎週末に4斤分の食パンを焼く方法として、4斤分のパン生地を作り、2斤パン型を2つ使って同時に焼き上げる方法を用いています。
「2斤食パン型」であれば、通常の家庭用オーブンに2つ同時に入れることができるため、一度に4斤分のパンを焼くことが可能となります。
ただし、生地をこねる時に4斤分のパン生地をこねると大変な作業となるため、2斤分のパンを作る工程を、2回行い、焼き上げの際には同時に焼くようにしています。
まとめ
毎週継続してパンを焼くためには、効率の良いパンの焼き方を工夫する。
パン生地のこねあげ温度、発酵環境温度管理が重要。
酵母液の継ぎ足しで、冬でも効率よく酵母起こしが行える。
シンプルなパンを焼くことで、食べる時のアレンジができる。
「2斤食パン型」を使うことで、一度に「4斤分のパン」を焼くことができる。
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