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「跳び箱」

「あなたは跳び箱を何段とべますか」
4段?5段?それともそれ以上/以下か。

私は開脚跳びが一切できない。
跳び箱の幅以上に足を開けないのだ。


体育のオリエンテーション。
 アイスブレイクとして、二人組で体つくり運動を行う。
虫の知らせか、今日は気乗りがしない。

滞りなく終わるかと思いきや

ある号令がかかる。

「今から馬跳びを10回成功するまで行ってください」

悪い予感ほどよく当たるもので、先生の手本で予感から確信に変わった。


まだ物にぶつかってしまう跳び箱ならミスをしても問題ないだろう。

しかし、人を"とぶ"のだ。
減速なんてものをしてしまえば、簡単に人は潰れる。

躊躇することはできない。


「最初ぐらいは思いっきりとんでみよう」

そう覚悟を決めたのに、失敗してしまった。
足が開かない。手に力が入らない。


私はバレエ教室で骨折をした。
その時までは6段、7段をとべるレベルだったのに。

全くとべなくない。
4段で先生の補助があっても。
手で体を支えることが無意識のうちに怖くなっていたのだ。

骨折が発端となり、バレエを辞めた。
すると足も段々と開かなくなっていく。


飛べなくても、5回ほどチャレンジしてみた。
足を相手の頭に当ててしまう。
私の重さで相手が膝から崩れ落ちていく。

1回も成功していないが、
相手を本当に潰してしまいそうで、諦めた。


今日は時間的にも割り切っていられるが、
来年や再来年は
マット運動及び"跳び箱"がカリキュラムの中に入ってくる。

2、3単位与えられているこの授業で
努力を怠るようなことは決してあってはならない。


「柔軟運動」開始しようと思う。
マット運動も。



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