静かなる恐怖【映画レビュー】
天国と地獄の狭間で悪戦苦闘している皆さんこんにちは。
どーも、ひゃっほい太郎です。
というわけで、巷で話題沸騰のひゃっほい映画レビューをまたまた書いていきます。今回が第三弾ということで、何やらシリーズ化しそうな勢いなので調子こいてマガジンを作ってみました。これからはここに記事を放り込んでいきます。フォローヨロチク
さて、今回の映画は、
静かなる恐怖 (原題 De reünie)
です。はい、きた。みんな大好きオランダ映画です。ちなみに原題はgoogle翻訳にかけてみると"再会"って意味らしいです。珍しく邦題の方に軍配!
というか誰も観たことないんちゃう?笑
〜以下速攻で盛大なネタバレあります!〜
とりあえず見終わった直後の感想から。
いや、
犯人、お前かーい
要は主人公が犯人ってオチ。これ、ミステリーものとしてはタブーのやつですね。ま、この映画はミステリー要素(犯人探し)はそれほど重要じゃなさそうなんで、特に驚きはしませんでしたが。
全体を通して、主人公であるサビーンの現在と20年前の出来事が交差しながら物語が進んでいきます。よくある手法ですね。
結論言うと、主人公であるサビーンは同性愛の恋人イザベルを手にかけてしまったことで精神的な病を患い(作中では"双極性障害"って言ってた?)、一部の記憶を失ってしまう。だが、職場復帰を機に旧友のオラフと出会い、関係を深めていく中で過去を回顧し、最終的には親友を自ら手にかけていたことに気づく、という流れだったと思います。
まぁ物語としては平坦です。何か大きな波があるわけでもないので見る人によっては退屈に感じる人も多いかと。映画というより90分TVドラマって感じですかね。
でも!
個人的には、一ヶ所だけツボにはまったシーンがあったので最後まで見れました。
いや、一ヶ所だけかいっ!
ってツッコミが入りそうですけど、本当に一ヶ所だけです(笑)
そのワンシーンとは、
若き日のサビーンが同性愛の恋人イザベルと一緒に部屋で過ごしている時です。イザベルがふざけてショットガンを持ってきます。最初は「え?何やってんのよ〜」とふざけるサビーン。でも急に目つきがサッと変わります。ショットガンをサビーンが奪うと、銃口を自分に向けて確かこんなセリフを言ったと思います。
「こんな素敵な夏の日、もう二度と来ないかも」
「今日ほど誰かを愛せるかしら」
そして、サビーンは銃口を口に咥えると、本当に引き金を引きそうになる。あの瞬間に全てを悟ったサビーン。イザベルがすんでのところで止めて助かります。
ここがこの映画の核心部だと勝手に思っています。このワンシーンを見るだけでもこの映画を見る価値があったかと。
あの瞬間、それまでふざけていたサビーンの目がサッと変わり、何かを悟ったかのように本当に引き金を引くぎりぎりのところまでいきました。何を悟ったのだろうか。
人生のことなのか、
幸せのことなのか、
それとも、あきらめなのか、
それは自分には分かりません。もしかしたら、サビーンのように自死を決意する時って、死など考えもしない本当に何気ない瞬間、あるいは幸せの絶頂の瞬間なのかもしれないということです。
その出来事を境に彼女の人生は転落していきます。色々とあって、サビーンはイザベルを自らの手にかけて殺してしまい、その後、罪の意識に苛まれて記憶を失って精神病を患う。そして、現在も決して幸せな人生を送っているとは言えません。
まあ、深読みし過ぎているだけかもしれませんが。
最後に。
作中でカート・コバーンが自殺したと若者の間でニュースになるシーンがあります。その時にサビーンが言ったセリフで締めくくりましょう。
「彼はこんなに静かで穏やかな日は二度と来ないって思ったのかも」
「彼は絶対に、」
「この銃口は鉄臭いなって思ったはずよ」