#ショートストーリー
「話せない店主」:ショートショート
「ううっ、もうダメかもなぁ」
俺は、突然降り出した雪で、うっすらと雪が積もる通りを黄色いスクーターでそろそろ走っていた。
もう寒さと雪で走れそうにもない。
信号待ちでふと反対側に目をやると、黄色い街頭に照らされた、スノーマンが視界に入った。
その後ろには、少し古ぼけた木造のカフェが見える。
格子枠の窓越しから、店内のゆらゆら炎が揺れる暖炉が見えた。
スノーマンは3段にシルクハット。
「今川焼きストーリー」:ショートストーリー
「あたし、魚の頭が苦手なのですけれど」
女房は俺が新たに製作した新しいあんこ菓子に不満を言う。
何種類か試したが、やはり縁起も良いのでタイにした。
「そうか、魚の頭が苦手な奴もいるのだからな」
確かに魚河岸でも、頭を落としてくれたりもする。
焼き魚を食しても、頭は残すしな。
カン、カン、カン
俺は焼き菓子の型を、玄能で叩き作る。
頭を外した型を作り、生地を流し込み、焦げ目を付け、あ