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裁縫初心者の粘土から推しぬい錬成、作り方と反省
50時間くらいでいけると思ったら150時間かかってしまった。初めての1からぬい錬成の記録です。
大まかな作り方と、初心者なりに学びがあった覚え書きもまとめてみました。
一生発売されないであろう推しぬいを求めている方の後押しになれば幸いです。
服作りはこっち
1.作り方のベースを決める
ぬいぐるみの原型と型紙の作り方① pic.twitter.com/UcNs8jvXMs
— まろまゆ (@maromayu328saix) April 11, 2021
まろまゆ様のこちらのやり方をベースに作っていこうと思います。
サクッと説明されていますが実際やるとめちゃめちゃ難しい。ガチで絵が上手い方なので特別な訓練を受けています。推しへの愛が伝わりますね。
型紙ができたら、にーび様の動画をベースに作っていきます。本当にかわいいぬい様たちを作っておられる…サクッと説明されてますが何回も試行されておりめちゃ苦労されているのでは?感覚から型紙を作れるのはもしかして3Dもできるお方なのでしょうか?見ているだけでニコニコしちゃいます。
2.計画書を作る
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・容姿が双子なので、既存ぬいと並べて違和感ないシルエットであること
・着せ替えできること
・骨をとおすこと
・座りも立ち動作も両方できること
できるかできないかじゃない、やるかやらないかだ。
3.材料をそろえる
▶針…不器用さんは細い針を避けましょう。家庭科の裁縫針があれば、それの中針でいい気がします。
私はDAISOの針を使ってましたが、細くて何度も落として使いづらかったです…。
▶縫い糸…何使っても絡まったので100円のやつで十分だと思いました。
▶刺繍糸…DAISOはマットな出来栄え。手芸屋で購入したものは少し光沢があり完成度が高く見える気がします。
▶刺繍枠…DAISOのは布が滑ってやや使いづらい。手芸屋で買い直しましたが、完成度が大きく変わるわけでもなかったので妥協もありですね。
▶綿…ぜったい粒わた!!手芸綿と違い過ぎてびっくりする。綿でこんな差が出るんだ…
▶布…髪クリスタルボア、肌と体ぬいトリコット
▶そのた…フリクション(0.5mm)と小さめ布ハサミ、目打ち超大事でした。
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モニターじゃ分からないので似た色を全部購入します。
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用語も縫い方もまったくわからないので本も購入です。
推しぬい&ぬい服本をメインで、髪の毛パターンやアレンジの参考にてづくり推しぬい本を使いました。
おさいほう本はほぼ使いませんでした。
こちらで紹介されているものはほとんど購入させていただきました。本当に使いやすくて助かりました!
チャコペンは太すぎても細すぎても使いづらいので、0.5㎜が良かったです。
あとピンセットがない方は毛抜き超オススメです。
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ぬい用、服用、刺繍用、さらに手縫い用、ミシン用…など種類別に袋に小分けしていきましょう。床が散らかる。
4.型紙作り
ねんどで原型を作っていきます。
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綺麗な丸を作るのって難しい。
紙粘土を使いましたが、重みで形が変わってくっつけるのもちょっと大変。油粘土の方がよかったのでしょうか?
次にラップとセロハンテープで型をとります。
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フリーハンドで線を引きましたが案の定めちゃ歪みました。
厚紙をメジャーみたいに細くカットして引くと、まっすぐ線が引けるみたいです。
ハサミで切込みを入れる箇所は、手元にある他のぬいや、ぬい本を参考にしています。
できたら、A4用紙に並べてスマホで撮影します。
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お絵描きソフトで清書していきます。つっこみどころが多いですが、本当に何も分からないので気にせずに作ってみます。
とりあえずやってみる。
5.型紙修正と練習
型紙を印刷して普通紙で組み立ててみます。
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ここで確認すべきことは
「構造がおかしくないか」
「パーツごとの辺の長さが揃っているか」
「髪や耳の大きさ調整」などです。
布だとまた形が変わるので、顔の細かい造形に時間をかける必要はないです。
結構時間を無駄にしたかもしれません…。
ここで縫い代という概念を覚えました。
ぬいは本返し縫いというやり方で縫うことになります。
本返し縫いには、縫い代が必要になります。
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Illustrator パスのオフセットで縫い代を追加していきます。
そのあとは布プリという布用紙に印刷。
手縫い練習を兼ねて組み立てていきます。
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ここで普通紙で髪の毛を追加していきます。
ラップとテープを巻いて、おなじようにillustratorで清書します。
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ついでに本番の布移し、カットまで練習してみました。柔らかくて書きづらいし、小さすぎてどっか行くし、布に写すだけでこんなに大変なんてますね……
型紙の写しにシール用紙を使っていらっしゃる理由を理解しました。
でも剥がす時に気を付けないとボア毛が抜けてしまうので注意ですね。
6.型紙修正と試作のくりかえし
ぬい本や動画を見ながら少しずつ要領を掴んでいきます。私は10回以上型紙修正と試作を行っています。
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illustrator上でオブジェクトの長さが表示できることに気付きました。
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これを見ながら辺の長さをそろえていきます。0.2mm以下のブレはあまり気にせず、形が崩れないように。
そのあとは縫い代に印をつけます。
どうしても布同士がズレてしまうので、少しでも綺麗になるようできる限りのことをします。
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こんなかんじで△をいっぱい生やしました。やり方が正しいかどうかは分からないです。目印なしで縫える方凄くないですか?私には無理でした…
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少しづつ手縫いにも慣れていきます。
マチ針を制する者は裁縫を制す。だんだんと分かってきたぞ。
そのあとも細かい微調整を続けていきます。
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1度作った試作を直接カットして解体、モニターに貼り付けて微調整したり。
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キャンパス上に型紙を並べて、角の微調整をしたり。
手縫い続きで頭がおかしくなってきました。
一生終わらない気がしたのでミシンを借りました。
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手縫いオンリーだと試作8時間→ミシン併用で6時間まで短縮できました。
ミシン最高!ありがとう!
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全身をミシンで縫ってみました。体は難しそうです。手縫いとミシンを使い分けて進めていくことになりますね。
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生まれ続ける試作たちを見てると辛くなってくる。科学者ってこんな気持ちなのかな。
7.顔の刺繍
こちらの動画を参考に刺繍していきます。
ぴよぴっこ様の刺繍、本当にきれいでわかりやすいです!どうしてこんなに美しい刺繍ができるの…?
2本取り以上だと糸を抜いてやりなおすことができないので、1本取りベースで進めていきます。
サテンまで1本にするとバラツキが気になるので、サテンステッチは2本取りにしました。
ダイソーの刺繍シートに印刷して刺繍していきます。
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印刷モードは「普通紙」でOK。
2回刺繍練習をしてみます。
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(上)DAISOの糸 (下)手芸屋糸
下絵よりも縮んでしまいました。丸が綺麗にならないし、左右対称にもなりません。
布を引っ張っぱる強さにもコツがあるのかな?難しいですね…
❓縮み問題。刺繍枠に布をピンと張りすぎない。サテンステッチの際に引っ張りすぎない。最初から下絵を102〜5%拡大してみる?
❓左右非対称問題。左右を全く同じ順番で縫うことでマシになる?
❓丸問題…布は上下に伸びるので、伸びを考慮して下絵をほんの少し横中にしてみる?
目はキャラクターの命なので、この辺は推しの目の形にあわせて何本も動画を調べた方がいいですね。難しいですが、楽しいです。
8.本番ぬい作成
慎重にゆっくり進めていきましょう。
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2枚重ねパーツをアイロン接着シートでくっつけます。
初心者さんは違いが分からないと思うので念の為書きます、接着芯は使ってはだめです。
接着って書いてあるし、これでいいやろ!と思って接着芯を使ったら全部剥がれました、私。
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シール用紙に印刷、ざっくりカット。
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布に張り付け、シールごと縫い代をカット。
綺麗に切るのにはコツがいるみたいです。
ハサミは傾けず、先端だけで少しづつチョキチョキします。音を立てると綺麗に切れる。
前髪はかなり目立つので、カットからシール剥がしまでゆっくり丁寧にやります。
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シール用紙に印刷、フリクションで型紙うつし。
布が滑らないよう下にカッティングマットをひいてます。ペンが書きづらいときは、点々で線をひきます。
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顔の刺繍をしました。
眉と目の輪郭…アウトラインステッチ1本取り
眉と目の中身…サテンステッチ2本取り
口…アウトラインステッチ2本取り
気になるところはあるけれど目をつぶる…。
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布の準備ができました!
頭部をミシンで縫っていきます。やり方はメジャーなほかのぬいさんと同じなので省略。
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縫い終わりました。
アホ毛が裏表ひっくり返っている。なぜ?
右側どうしてこうなった。なぜ?
でも大丈夫、落ち着いて糸を抜いていきましょう。縫い目が多少汚くても毛で隠れるので問題ない はず。
あと想像の1.2倍くらいもっちり膨らんだのでシャープにしていきます。小さくするのは簡単。でもやり直しのたびぬいをひっくり返すのは精神的に辛い。
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できたら接着剤で前髪を固定します。
次は体を手縫いしていきます。
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1mm間隔で本返し縫いをしていきます。
縫う順番は「狭いところから」
先に手足を作ると小さすぎて縫えなくなっちゃいます。
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手の付け根はたくさん動くので、念入りに重ねて縫いました。
体を作り終わったらワイヤーをねじります。
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骨を作りました。手だけ動かせるようにします。中央にコア(ビーズ)を入れることで自我が芽生えます。
骨の作り方はLink様を参考にさせていただきました。ぬい様のクオリティが高くてびっくりします。愛に溢れていらっしゃる……
私がいつもぬいぐるみの中に入れている骨の作り方です🦴100均のφ1.6㎜のカラーワイヤーを使用しています🙌
— LINK (@Link_nui) June 23, 2022
① pic.twitter.com/c4dAHzseeE
ペレット、ワイヤー、綿をつめていきます。
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最後に顔と体をくっつけます。これが本当に難しい。
というわけで、コの字閉じはこちらを参考にさせていただきました。本当に助かりました、ありがとうございます!!
9.完成
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10.反省
型紙と試作 10回以上…100時間
刺繍練習 2回…20時間
本番 1回…30時間
針で指を差した回数…15回
食べたチョコの数…無限
裁縫が本当に嫌いなので、動画流し気を紛らわしながらやってました。撮影しながらもあって作業効率が地に落ちている。集中してやればもっと早くできる……多分
正直、どうせ時間をかけるなら3D覚えて型紙生成した方ががいいのでは…と思ってます。
調べたらblenderで可能みたいですし、次作るなら3D弄って試してみたい。
しかしボタン付けすらまともにできないレベルの私はぬい作りを終えて新たな扉を開いてしまったようです。
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服作りを想像するとワクワクするし、なんならもっと難しい髪型にも挑戦したくなってしまった…。
手縫いは相変わらず苦手なのですが、ミシンと刺繍は好きになりました!
そして改めて実感したのが、市販ぬいさまのクオリティの高さ。
布の膨らみや髪のカーブ、ワタの量などどれをとっても美しい。どの角度から見ても可愛くなるよう計算され尽くされていることが分かります。
できることならプロのお方の手でデザインされた推しぬいが見たかった。
初めての1からのぬい作り。
要領も悪くて失敗だらけでしたが、それでも完成したのはたくさんの本や動画で解説してくださった方々のおかげです。
あとミシン、そしてぬい様、Ghanaチョコ。
ありがとうございました。
夢がひとつ叶いました。