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第四話 持つもの持たないもの
この話はフィクションです。
実在の人物や団体などは一切関係ありません。
一、
ここ数日どうすればいいのか分からず悩んでいる。
「東京駅で破壊されたモノ」の詳細をしってる青服や実家周りに聞いても誰も知らない。新宿の巨鶏事案から数カ月、私自身には進展が何もない無い。
十八歳の時に山中にある実家から進学のために都内に引っ越した。都内の夜中の喧騒、珍走団の悪あがきも最初は慣れなかった。それを知
第三話 舎弟と青服非常勤:境壊
一、
布団の中。
男は、ようやく目が覚めた。
黒い柱が支える古い家屋は、黒い格子に区切られた障子紙の向こうからの光で薄ぼんやりと照らされてる。明るさのわりに家の中の印象は重たい。
頭を上げようとすると湿気を含んだ自分の髪が重く頭が思うように上がらない。目の霞が治まらないまま自分が寝こむ直前の事を思い出す。身体以上に重たく感じる布団を持ち上げることができず起き上がれる気がしない。だが今
裕福へ導くもの:示口
23.01.17 「示口のことば」からタイトルを変更
女は涙した。
その日、都内では珍しい量の降雪となった。道行く男女は凄いと、下校中の子供は積もったら休みにならないかとはしゃぐ中、彼女は眼に涙を浮かべていた。
学習塾に横にある掲示板の前でひっそりと立ち止まり、自身の学力不足を呪っていた。それを見かねて怪異は声をかけた。屋上を翻り、電線に体重がかかってないかの如く僅かな体重移動と見事なと
PDF/サツキ、バイト先にて
新倉サツキの小話をPDFに纏めたのでupしました。
やまなしいみなしおちなし、です。
A6サイズで作ってあるのでA4サイズに4ページずつ印刷すると本ぽくなったりします。面倒くさいのでおすすめしませんが。
二次配布、転売など禁止ですが見てもらえたら嬉しいです。
ニルとイヌミのハロウィン2018
乾御山神社で神様を続けて千数百年。神様として畏れられたのは十数年だけだった。その後は神業を持ってしても、素が狸だと知られると軽蔑の目で見られている方が多かった。寧ろ今もそうだ。
正直大きな事はなかった気がする。俺がいる理由はわかるが、俺が必要だった試しはない。ある意味街角のAEDのような存在でAEDほど活躍もできてない。地域に根付いてる心霊は結構いると聞いて、何年間か試したことはあったがいずれも不
第一話 巨鶏強襲事案
1新宿鶏事件
自宅のある埼玉県に行くなら地下鉄の方が簡単なのは解っているが、あの地下独特の圧迫感と今日のむしゃくしゃ具合につけて地上線をおざなりに選んで座っている。新宿駅は時々始発になっているので便利だ。と、新倉はぼんやり開いたままのドアをみている。さっきみた映画がレビュー以上に酷くて今日一日を台無しにしたという気持ちが大きすぎて、動く気力がわかないでいた。
人の群れにそって歩く妖怪は少なくない