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ヨルさんの仕事は

「誇るべきことです」
長女と一緒に見ていたアニメのSPY×FAMILY。
主人公のロイドがヨルさんに投げかけたセリフに胸を打たれました。

ヒロインのヨルさんは職場のパーティで同僚から侮辱されます。
以前、いかがわしい仕事をしていたと。
そのいかがわしい仕事というのは、「男の人に呼ばれてホテルでマッサージをする」というもの。
実は鍼灸マッサージを謳った殺し屋の仕事だけど、それはそうと、出張のマッサージをいかがわしい仕事と一括りにした少年誌の配慮のない編集が腹立たしいです。
でも、ロイドがヨルさんを庇って言ったセリフが名言でした。

「自分を犠牲にしてまでも、誰かのために何かのために過酷な仕事に耐え続けることは、普通(なみ)の覚悟では務まりません。誇るべきことです」

普通の覚悟ではない。確かにそうかもしれません。
リラクゼーションの出張をしていることを話すと、同業の方々からでさえ、気をつけてとか、お客様は選んだ方がいいなどと言われることが多いです。
女性が密室に呼ばれて仕事をするということは、世間的にはそういう理解なのでしょう。
ましてやお客様の身体に触れないとできない仕事です。
でも、様々な理由でサロンを持てない、サロンで施術できないセラピストにとって、出張は仕事を得るための唯一の手段でもあります。
それをいかがわしいとか、先入観を植え付けるようなことをアニメで放送してほしくなかったけれど、ロイドの言葉が救ってくれたような気がしました。

初めてのお客様に出張する時、もちろん怖くないことなどは有り得ません。
でも、リスクばかりに目を向けて、女性には簡単には挑戦もさせないというような、女性には諦めるように巧妙に仕向けてくるような、そんな社会の圧力を感じると、どんなに怖くても、その圧力に屈したくないという思いの方が強くなります。
その圧力は、真剣に仕事に向き合う全ての女性のセラピストに対する冒涜だからです。

長女はアニメを見て、母が時々行く出張の仕事をどう思ったのかな。
少し不安もありますが、ヨルさんのことは蹴りがすごく強くて大好きみたいだし、私も足技を磨いて娘が疲れた時に癒してあげなければと思い直しました。
護身術として習っている極真空手の稽古にも、ちゃんと行かないと。

ヨルさんの仕事を誇るべきと言ってくれるロイドがカッコよくて、ファンになってしまいそうです。


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