やらない方がいい美容法•健康法

何をやるか以前に、何をやらないかがものすごく大事だと最近になって思う。努力は大事だが、正しい方向に努力しなければ意味がないし、むしろ害をもたらす。美容や健康についても同じことが言えると思う。以下にまとめてみたので、参考にして欲しい

① 小顔ローラー 危険度:⭐️⭐️⭐️⭐️

自爆行為。百害あって一利なし(一利あったとしてもプラセボ)。皮膚に摩擦や刺激を与えるのは基本NG。皮膚やリガメントを伸ばしているので、シワや弛みができやすくなる。また、皮膚に摩擦を加えているので、メラニン色素が産生されて色素沈着が起こりやすくなる。よく小顔ローラーを日々頑張っていらっしゃる方に肝斑が見受けられるのはこの為。確かに小顔ローラーを行って一時的に小顔になった気はするが、それはただ単に小顔ローラーで水分を移動させてるだけ。起きたばかりの朝は、ずっと横たわっていたせいで水分が顔の方に行っててむくみがひどい。ヤバい後1時間後に彼氏と待ち合わなんだけど、みたいなシチュエーションなら一時的な措置として使ってもいいかもしれないが、それ以外は使わない方がいい。

② 激しいダイエット 危険度:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

激しいダイエットによる急激な体重の減少は、リバウンド起こしやすいだけでなく、皮膚のたるみを引き起こす。また、ダイエットは脂肪だけでなく筋肉も減る。筋肉はカロリー消費が多いので、筋肉が減ると基礎代謝も下がり、どんどん痩せにくい体になる。体重が減ると喜びがちだが、その体重減少は脂肪によるものなのか、それとも筋肉かという話である。したがって、あまり過度なダイエットによる厳しすぎる食事制限はせず、日々の摂取カロリーが消費カロリーを下回るようにカロリー抑えつつも、ちゃんと食べることで無理なくダイエットを続ける。なおかつちゃんと運動もする。そうすれば、基礎代謝も上がって痩せやすい体になるし、筋肉ではなく脂肪を減らす健康的な見た目になるだろう。
また、過度なダイエットで脂肪が減りすぎると、老けて見える。女子でよくバッカルファットの除去をしすぎてほおが痩せこけてしまい、また脂肪注入し直す人がいることからもわかるように、やはりある程度脂肪はあった方が若く見える。過度なダイエットは肌のハリや弾力にも悪影響である。タンパク質が分解されると、真皮のコラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力をもたらすタンパク質も分解されるので、肌にも良くない。やはり過度なダイエットは人を老けさせるだろう。何事も適度にやるのが大事である。

③ 毛穴パック 危険度:⭐️⭐️

刺激よって鼻の毛穴が更に広がる。快感ではあるがやらない方がいい。

④  表情筋トレーニング  危険度:⭐️⭐️

シワの原因になる。変なことはしない方がいい。

⑤ コラーゲンのサプリメント 危険度: なし

コラーゲンはタンパク質である。コラーゲンを飲んでも、残念ながらコラーゲンのまま体に吸収されることはない。胃腸でまずペプチドに分解、そして更にアミノ酸に分解される。アミノ酸というのはタンパク質を構成する最小単位である。最終的には全部アミノ酸として小腸で吸収されるのだから、結局はお肉や魚を食べるのと変わらないことになる。コラーゲンのサプリメントは、アミノ酸を摂取しているので、コラーゲンを産生する材料を摂取している為目的に見合ったことをしてはいる。ただ、それなら肉や魚でいいじゃん、ないしは、プロテインでいいじゃんという話になるので、やはりお勧めできない。だいたい深夜のテレビ通販で、情報弱者の高齢者向けに盛んに宣伝されていることが、もう全てを物語っている。

⑥ 美容皮膚科で処方されるトラネキサム酸やグルタチオン、ビタミンCなどの内服薬 危険度:なし

エビデンスなし。PubMedで探してもそんな論文ない。メラニンの生成抑制や抗酸化作用によりシミの予防や肌のトーンがアップして美白になると謳われているが、vitro(試験管内)ではそのような効果が確認できるからと言って、vivo(人体)にそのような効果があるとは限らない。ただし飲んだからと言って健康被害は特にないので問題にはならない(ある意味一番タチが悪い)。それに、信じる力とはすごいもので、効果効能がなかったしとても本当に症状が良くなったりすることがある(これを医学用語でプラセボ効果という)。したがって、まぁ飲みたければ飲んでもいいとは思うが、少なくとも筆者は飲まない。

⑦ 数日間だけのダイエット 危険度: ⭐️

意味がない。ダイエットというのは筋トレと同じで、数日でどうにかなるものではない。数日間のダイエットで3キロ痩せたとか言ってる人がいるが、減ったのは脂肪ではなく水分である。糖質が足りないと、体内では肝臓に蓄えてあるグリコーゲンがグルコースに分解され、それがエネルギー源として使われる。グリコーゲンは水を多く含んだ物質なので、数日間のダイエットで何キロも痩せたというのは、脂肪ではなく、実は体内の水分である。数日間のダイエットで満足して、また好き勝手に食べるようでは、あまり意味があるとは言えない。

⑧ フルマラソンなどの過度なランニング
 危険度: ⭐️⭐️⭐️

やはり正直言って老けて見える。何事もやりすぎは良くないというが、そういうことなのだろう。長時間あれだけカタボリックな状態だと、筋肉も脂肪も分解されて、やはり老けた見た目になる。
というか医学的な説明をする以前に、直感的に考えて、あれだけ体に負担を強いるようなことをしていて、体に悪影響がないわけがない。

他にもやらない方がいい美容•健康法は色々あるのだが、今回は上記の8つを紹介した。また新たにいくつか思いついたら、別の記事で書きたい。今回の記事を一言でまとめると、” I am as proud of what we don’t do as I am of what we do”となる。これはスティーブ•ジョブスが書いた伝記の一文であり、”何をしたかと同じくらい何をしていないかを誇りに思う”という意味である。マイナスなことをしないというのは、プラスのことをするのと同じくらい大事だと思う今日この頃である。

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