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手を動かして見つける「ありたい姿」〜目標設定の新しいアプローチ〜
私は経営コンサルタントの新米秘書です。
社長の側にいて学んだことを備忘録として発信していきます!
今回は、私たちの会社で実施したワークショップについてお話しします。
その時の写真がこちらです。
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この写真、一見工作して遊んでいるように見えますが、真剣に個人のObjective(目標)を作っている様子なのです。私たちは、OKRを定めるための重要なステップとして、小学校の図工の時間のようなことをしていました。OKRについてはこちらの記事を読んでみてください。
「自分の5年後のありたい姿」をビジュアル化する
ワークショップのテーマは「自分の5年後のありたい姿」を立体的に工作してビジュアル化することでした。「将来どうなっていたい?」と聞かれて、すぐに答えられる人は少ないと思います。しかし、言葉にできなくても、なんとなくこういう状態(ワクワク楽しい毎日、何かに没頭している自分、誰かに頼られている自分)というイメージは持っているはずです。その「なんとなく」という曖昧な感覚を頼りに、とにかく手を動かして頭の中にあるイメージをビジュアル化しました。そして、そのビジュアルをもとに改めて言語化することで、自分でも気づかなかったことに気づくことができるのです。
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Object(ありたい姿)をビジュアル化するステップ
1. ありたい姿をイメージしながら工作をする
まず、ありたい姿をイメージしながら、粘土や折り紙、風船などの材料を使って工作をします。深く考えずに、手を動かしてみるのがポイントです。1〜2時間、各自が没頭して工作をしていました。
2. 出来上がった作品から連想するワードを多く出す
次に、自分なりの解釈で作品から連想するワードをできる限り多く出します。これにより、自分の考えに「意味」を与えることができます。
3. 他のメンバーの作品を見ながら気になる箇所を言語化する
他のメンバーの作品を見ながら、気になる箇所や連想するワードをポスト・イットに書いて言語化します。視覚的な情報は思考を「発散」させるのに有効ですが、情報を「収束」させるには言語情報に圧縮する作業が必要です。
4. 自分の作ったイメージを他のメンバーと共有する
自分が作ったイメージや作品の解釈を他のメンバーと共有します。個人のイメージを他人と共有するには、「言語化」が欠かせません。
5. Objectiveを再考する
最後に、ビジュアル化されたものと言語化されたものをベースに、改めて「自分の5年後のありたい姿」について考えます。
「直感」と「論理」をつなぐ大局観でありたい姿を具体化する
右脳で工作をし、左脳で言語化するという、右脳と左脳を行き来するプロセスの中で自分の理想像やありたい姿を具体化していくのがこのワークショップです。
右脳: 右脳は情報を全体的に捉える能力に優れ、物事の全体的な構造やパターンを認識する力があります。これにより、複雑な問題やシステムの全体像を把握し、直感的に解決策を見つけることができます。
左脳の特性: 左脳は詳細な部分に焦点を当て、具体的な情報やデータを重視します。これは、物事を細かく分析し、論理的に整理する能力です。
大局観とは: 大局観は、右脳の全体像を捉える力と左脳の詳細な分析力を統合することで生まれます。大局観を持つことで、複雑な問題に対してバランスの取れたアプローチが可能となり、効果的な意思決定や問題解決ができるようになります。
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まとめ
私自身、Objective(目標)を考えることは難しく、すぐには言葉を紡げませんでしたが、工作をしているときは2時間くらい没頭して手が止まることはほとんどありませんでした。ワークショップが終わる頃には、始まる前には思いつかなかったワードが出てきたり、他のメンバーに気づかせてもらうこともたくさんありました。
図工を通じてありたい姿を描くことは、妄想で終わらせず、はっきりと自信を持って公言し、自分の軸となるObjectiveを確立するための有効な手段です。「作品のビジュアル」と「言葉」を往復する思考法を実践することで、直感と論理をつなぎ、「妄想」を戦略に落とし込むことができます。
今回のワークショップを通じて、右脳と左脳を行き来することで得られる大局観を養い、自分のありたい姿を具体的に描くことができました。