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育ちやすい職場の条件~「見せる」「仕事の意味や文脈を伝える」どんな距離感で仕事をするのか? 【Humanize Voice ~ よしつぐの独り言…】

 人が育ちやすい環境の一つの特徴として、「見せる」機会が多いということが挙げられます。
 見せるとは、先輩や上司が仕事ぶり、働く姿(背中)を見せると言う意味です。
 「やってみせる」「一緒にやる」ということは、いつの時代においても大切です。
 逆に言えば、年々ダイレクトに見せる機会が減っているのではないでしょうか。

 マニュアル化が進み、様々なトレーニングツールが開発され、また業務の効率化・分業化が進む中で、以前よりも誰かの仕事ぶりを見ながら仕事を覚える機会が減っています。
 情報化が進む中で、仕事を覚えるための情報は、簡単に大量に入手できるようになっていますが、実際にその作業をする雰囲気や空気感を体感する場面が少なくなっています。
 極端なところでは、職場の中でも隣の人が何をしているのかわからない…そんな話題も増えています。

 よく「自分らしく・自分のやり方」と言われますが、最初から自分のやり方があるわけではありません。
 最初は誰かがやっていることを見て、真似するところから始まります。
 真似しながら自分の創意工夫を重ねることで、徐々に仕事のスタイルは確立されると言えます。
 自分のやり方を確立するためにも、数多くの他のやり方を見ることは重要です。

 人が育ちやすい環境のもう一つの特徴として、「仕事の意味や文脈を伝える」と言うことが挙げられます。
 ただ単に仕事内容や作業方法を説明するのではなく、なぜこの仕事をこのやり方でやるのか、前後の工程や周囲との関係も含め伝えることが必要です。

 仕事内容や作業方法だけ説明されても、それ以上のものは生まれ難いと言えます。
 情報共有は大切なことですが、共有することが目的になっているとそれ以上の価値が見出せません。
 仕事の意味や文脈を理解した上で、刻々と変化する世の中の状況を察知しながら、アレンジを加えることで、仕事の改善・進化・高度化が進み、新たな価値が生まれやすくなります。

 「見せる」「仕事の意味や文脈を伝える」ことを実現するためには、日頃からどんな距離感で仕事をしているかが大切です。

 見せやすい(見やすい)距離感なのか?
 伝わりやすい距離感なのか?
 物理的・心理的な距離感はどうか?

 ヒトとヒトの距離感、ヒトと仕事の距離感の設計は、今後益々大切ですね。


<ヒューマナイズ通信 2024.09.18掲載 一部修正>
 https://humanize.co.jp/

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