当たり前が違うのが当たり前。なので前提は揃えておく。
IT界隈の人からサービス説明を受けると、大抵途中でよくわからなくなる。自分の理解度や知識が不足しているのか、彼らの説明に問題があるのか?
実際ありがちな会話のやりとりから考えてみる。
【典型的なやりとり】
※snsのトレンドについて私が説明される場面
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「Instagramではフォロワーより、エンゲージメントが重要です」
私「なぜ重要なのですか?」
「アルゴリズムが重視するからです」
私「何故アルゴリズムの判断が大事なのですか?」
「アカウントの評価が上がるからです」
私「なぜ評価を上げる必要があるのですか?」
「評価が上がるとスコアが上がるからです」
私「なぜスコアが大事なのですか?」
「投稿が優先的に表示されるからです」
私「そういう事ですか」
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納得に至るまでが無駄に遠い。
大抵の場合は途中で質問を諦めてしまうだろう。
【理想的なやりとり】
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「Instagramではフォロワーより、エンゲージメントが重要です」
私「なぜ重要なのですか?」
「投稿が優先的に表示されるからです」
私「そういう事ですか」
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これだけ短くて済むやりとりが、なぜああまで長くなるのか。
彼にとっての「当たり前」が私にとっては違うからだ。
投稿が優先的に表示される」は、snsを専門にしている彼にとっては当たり前すぎる目的だ
私の「なぜ重要なのですか?」は、彼にとって
「投稿を優先的に表示する目的の為に、なぜ重要なのですか?」に聞こえてしまう。
私は「目的」を知りたいのに、彼は「目的に至るプロセス」を返答し続ける事になる。
じゃあどうすればいいのか。
説明する相手の知識レベルを逐一確認する訳にもいかない。知識レベルをストレートに尋ねるのも気が引ける。
とはいえ方法はある。
今回の場合なら冒頭でこう言えばいい。
「ご存知かもしれませんが、いかに投稿を優先的に表示させるかが、Instagram 運用の大事な目的です」
これならば、相手の知識レベルを問わず、同じ目線でスタートできる。
当たり前が人によって異なるのは当たり前だ。
我々はその「当たり前」を忘れてまうし、差異を埋めるのは容易ではない。
でも前提を揃えるくらいはできる。
少しは不毛なやりとりを防げるだろう。