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061021 日記 暴力

 重たい話。
 今日、生徒が暴れました。以前から家出や喫煙等で指導を続けてきた生徒です。
 彼は、過去(私が現任校に来る前)に同級生を殴り、警察にも指導を受けたことがありました。その際の約束で、「中学校在籍中は、スマホを持たない」というものがありました。
 しかし、今日の昼休みにスマホを手にしているところを担任に見つかり、指導とともにスマホを預かろうとしました。しかし彼はそれに抵抗し、保健室に逃げました。
 女性担任は一人では無理なので、何人かの同僚教師とともに保健室に向かうと、暴れ出し、帰ろうとします。とにかく落ち着いて座るように促しますが、聞く耳を持たず、制止に入った男性教師の手と腹部を蹴りました。
 その後、学校を出て行きましたが、すぐに戻ってきました。怒りが収まらなかったようで、先ほど蹴った男性教師を探して校内をうろうろし始めました。教頭や学年主任がなだめながら一緒に歩いていましたが、興奮は収まらず、保健室前でその男性教師を見つけると、走って近づき、後ろから3発程蹴りました。
 
 自宅で仕事をしていた父親に迎えに来てもらいましたが、起こった父が息子を2、3発殴ってしまい、彼は自宅に帰るともっと殴られるから帰りたくないとなく始末。「先生を蹴っておいて、何を言っているんだ!」という父の言葉にはうなずくばかりですが、父の暴力も現代ではアウトです。 
 とりあえず、今日は祖父母の家に帰るということで、学年主任が送っていきました。

 蹴られた先生には、すぐに病院で診察を受けてもらいました。左手、腹部、右足の挫傷、全治2週間との診断書をもらいました。
 これは明らかな傷害事件であり、2回目なので、被害届を出す方針で打ち合わせを行いましたが、蹴られた先生は一晩考えさせてくれとの返事でした。
 
 学校に置いて、被害届を出すことはなかなかのハードルです。
 被害届を出す=教育の負け
という認識が根強く残っているからです。生徒の未来を奪うのかという声もあります。罪を犯したなら償うべきであるというのが本筋で、私の考えでもあります。その結果、進学がかなわなくなっても、それは仕方がないことです。今までの教育界において、「生徒の未来のため」という免罪符で罪を許されてきた、罪とすら受け止められなかった結果、規範意識が正しく育ってこなかった大人が、トクリュウにつながったと言ったらおおげさですかね?

 重い話ですみません。

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