「芸術の書 断片」 芸術と精神 本多裕樹
5、神の世界の観念
神の世界の観念ということで、芸術の新展開について語ってみようと思います。まず、神の世界の観念というのは、われわれが肉体をもっているように、あの世、天上の世界では、ほとんど観念で抽象的な意識として存在していることです。存在というか実在ですね。われわれが芸術を作り、生活をして、仕事に励んでいる日常を生きているときにおいても、神を感じているのです。運命の糸で操られていることがあります。われわれが普段、意識している自分の中に表面意識、潜在意識とうい意識の層があります。潜在意識のもっともっと奥にまた、深層意識があり、それは何10にも意識の層があります。それは宇宙の根源の意識につながっています。神の世界の観念というのは、われわれが感じている意識している意識にあるものです。それを高次元の観念と言ったりします。そして、その意識は宇宙の意識につながって生きていることです。それを運命の車と言い、運命の実在といってもいいかもしれません。神の世界の観念は、あの世であります。天国であると言えましょう。あなたの心がそのまま天国に通じているものです。しかし、自分の心が曇っていればそれは見ることは難しいかもしれません。自分の心の問題は、生きていくうちに、反省して汚れを落として、闇を消していけば天上界から光が射してくるでしょう。その時に用いる光は知の光です。知は光であり、闇を消し去っていくでしょう。闇は光に勝たないのです。光は正義の力であり、愛の本質であり、知であり、物を作り、創造していくでしょう。さて、芸術の新展開ですが、この心の中、精神の奥深いところから芸術作品のイメージを作ることは、天上の神々、諸天の天使たちの降ろす芸術を受信、感応していくことです。芸術作品はすでの天上界にあるのです。そのイメージが降りたら、それを地上のわれわれが再現するのです。もちろん完全には再現できないかもしれません、7割を実現できればいいでしょう。あと、いつもそのインスピレーションが降りてきてもいいように、芸術家として訓練と修練をしておくことです。あと、インスピレーションを受けやすい体質にするために、心を明るくして、天真爛漫で自由な精神を自ら清めておくことです。心の澄んだ者、愛深き者に芸術は降りるのです。愛の思いと愛を実行していく、愛は神と同質の属性でありますから、宇宙の法則でありますから、電気のようにあなたに通うでしょう。愛が誘い水となって豊かになっていくことです。
6、心を澄ませる
心を澄ましていくということで語っていきましょう。芸術家にとって自由が大事であることは言いました。あと、一つ、心を澄ましていくに天真爛漫であることはとても大事です。天真爛漫であれば、あまり心を汚さないばかりか、光の内に生きることができます。それでも、前の節で書きましたように自由な精神をこの現実の生活でやっていくには、いろんな試練や艱難がやってきてそれに応対して、自分を作っていく中に自由を悟ることができると書きました。あと、心を澄ますなら、やはり今まで人生で作ってきた曇りを晴らしていく必要があります。それは反省と悔い改めによって、天上の光を受けて変えていくのです。そこに知を発見して闇を消していく、もっと具体的な方法として、自分の中に愛を作る。愛深き自分を作り、自分を愛し、周囲の環境や人に愛を与えていく、愛の存在となって多くの人に良くしていく。これは、とてもむずかしいのです。人生はむずかしい。人生は1冊の問題集なのです。これからくるであろう問題に真剣に向き合って1問ずつ答えを出して解決を一つ一つやっていかねばなりません。あらゆる人生の問題に関して真剣に向き合ってほしいと思います。あるとき、答えが見つかって光が照るでしょう。そして、そういう困難な時でも、天真爛漫な精神をもってほしい。あと、どうしてもつらい方は、その経験が芸術作品の肥やしになり感動を作っていくでしょう。人生の苦しみの多い方は恵まれた人です。それだけ、使命も大きく。神に愛されている証拠です。あなたの人生の受難を超えたとき、目の前に広がる可能性は進歩して行くでしょう。受難は自らを鍛え、人生の足腰を強くして、芸術の材料になっていくでしょう。あなたの演奏する音楽により深い感動をもって人々に影響を与えていくでしょう。そのとき、人生の実感し、美しきものを表現するにいたるでしょう。是非とも、人生をあきらめず不屈の精神をもって歩んでください。芸術家として人生をまっとうしたとき、澄んだ気持ちで天上に帰っていけることでしょう。真剣に人生に望んでほしいと書きましたが、時には抜くことも忘れずに、ゆるやかな道をもあり、山もあるでしょう。ゆとりも大事です。