「月の夜の秋」 詩:本多裕樹
「月の夜の秋」
秋の日々の翳りに消える夢
終わりに月の泉に泳ぐ
静寂の
沈黙の
時の終わりに眠り
草の広がる夢の中
どこまでもどこまでも
月の果てを思いだし
日の終わりを待ちわびて
どこまでも
どこまでも
時の先に何があるのだろう
宝玉をかざし月を眺め
詩音の奏でを耳にして
妖しげな花も
ケシの広がる安楽を
絶望の時
何も無いのでなく
火の飛び散る風がやってきて
君の心を発展させる
そこまで
そこまで
ありし夢を追いかけて
その月の空の果てを見てみようと
どこまでも
どこまで
君は永遠にとどかない
辿り着かない旅に出た
幻視
まぼろしの中に私はいる
そこに
閉じ込まれて出れない永遠の闇かそれとも牢獄
夢に逃げても
夢にとらえられ
ここはうつつは夢か
現実はイリュージョンであるのか
黙示はこうして始まりて
終わりの時は今もあって
すべての時代に
時の檻がかけられている
逃げよ
逃げよ
君は天へ
君はいってしまったのか
愚かにも私はここにいて
星を眺めては夢見るだけ
君はもう天にあるのに
夢想だけで君を思う
こうして
終わりはやってきて
今もここにあって
星をながめて天空の印を観察する
星よ
星よ
どこまであるのか夢
夢は現で、現は夢であった
星を
星を
ただ、天を仰ぐ
目を挙げながら君を見ている
令和6年11月4日
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