四聖諦 ⑧
アチャン・チャー
仏教では、あらゆる現象は無常であるとされます。もし、あなたが、その無常という自然の法則に抗い、何かを永続させようとすれば、苦しむことになります。人生の中で、無常に直面するたびに、あなたは失望することになるのです。無常を受け入れる人は、心に葛藤を抱くことはなく、いつも安らいでいます。反対に、物事が変化しないことを望む人は、常に葛藤を抱き、眠れない夜を過ごすことになるでしょう。無常を理解しないことは、大変危険なことなのです。
では、ダンマを理解するには、私たちはどうすればいいのでしょうか? ダンマは、本の中にはありません。私たちの心と身体を観察する以外に、ダンマを理解する方法はありません。観察すべき対象は、心と身体の2つのみです。ただし、心は肉眼では観察できませんから、「心の眼」でもって見る必要があります。同様に、身体を観察する場合も、私たちの心によって、身体を観察します。私たちの心と身体以外の場所で、ダンマを見つけることはきません。なぜなら、楽の感覚も苦の感覚も、私たちの心と身体の中で生じるものなのですから。森の木々の中から、楽の感覚が生じるのを見たことがありますか? 川や天気から、楽の感覚が生じるのを見たことがありますか? そう、楽と苦という感覚は、常に私たち自身の心と身体に生じるものなのです。
(続く)
アチャン・チャー『Living Dhamma』より
"Living Dhamma", by Venerable Ajahn Chah, translated from the Thai by The Sangha, Wat Pah Nanachat. Access to Insight (BCBS Edition), 30 November 2013, http://www.accesstoinsight.org/lib/thai/chah/living.html .