母の入院
軽費老人ホームA型に入所している母が、認知症が悪化したので、精神病院に入院したお話をしたいと思います。
その前に、我が家の生活環境について説明します。
私は、脳性小児麻痺で手足言葉に障害があります。細かい手作業はできません。足は極端な内股歩きで歩くたびに頭を揺らしながら歩きます。言葉は、酔った人のように呂律が回わないような話し方です。
そんな私ですが、2016年の冬頃から腰から左足に掛け、激痛が走り、歩けなくなってしまいました。病院で診てもらうと、化膿性脊髄炎で3ヶ月入院しました。入院中のリハビリの結果、30分程歩ける状態まで回復しました。ただ30分を超えると、足に激痛が走るので、車イスを利用するようになりました。
父は2013年に大腿骨骨折になり、通常ですと、80歳を超える年齢でもリハビリで回復するのですが、父の場合、先天的に心臓疾患を患っており、高齢になるに従って、少し身体を動かすだけでも徐脈になってしまい、当然リハビリ中もその症状が出、リハビリも十分にできず、車イスで退院。車イス生活となった父を家で介護することができず、父には施設に入所してもらうことになりました。
お恥ずかしいお話ですが、我が家では父の施設入所費と月々の維持費を支払うことができず、家を売却し、母と私は賃貸住宅で生活することになりました。その父も2018年に他界しました。
実は、私は、脊柱管狭窄症の他にうつ病で25年近くは、リハビリ病院の精神科に通院していました。
母は母が40代の頃から父には愛人がいて隠し子もいるとか、物がなくなると父が愛人宅に持っていった、父が施設に入所してからは、誰かが家に入り込み盗んで行ったと言い始めました。
転機が訪れたのは、2019年の晩秋のことです。母も84歳になり、歳のせいか、認知症の症状が出始め、被害妄想的なこと言う他に、同じことを何度も聞き返し、会話が噛み合わなくなりました。毎日がそう言う状態だったので、母に対しイラッとなった私は、精神科で処方されている精神安定剤等を過剰摂取してしまい、通院しているリハビリ病院ではない病院に緊急搬送されました。
私がいなくなった母は、地域包括支援センターの方やケアマネージャーの勧めもあり、日常生活が自立していて、共同生活に適する健康状態にある方が対象の軽費老人ホームA型に入所しました。
私は、退院後一人暮らしで、毎日月曜日から日曜日までヘルパーさんに来て頂き、食事の支度や家事、週3日入浴介助をして頂き、2021年の2月からは、民間のアパートから県営住宅に引っ越すことができ、民間のアパートの7分の1の家賃となり、経済的負担が軽減され、今まで不安だった経済的不安から解放されました。
母とは、このコロナ禍で面会ができず、電話で話していますが、2年半ほどは会っていません。
丁度ゴールデンウイークが始まる前日の金曜日、私の精神科の主治医から、「今日、お母様がこの病院に入院しました。お母様の入院にあたり、藤永さんの同意書が必要となります。これから来ることは、可能ですか」との連絡がありました。
私は外では車イスで移動し、外出の際は、移動支援のヘルパーさんに同行してもらうか、介助タクシーで移動しています。どちらも短時間で車を手配することは、困難です。
ですから、主治医からこれから来れるかという問いに対し、「それは少し難しいです」と回答しました。すると、主治医から「1時半から2時の間にまた電話をします」と言われ、電話が切れました。
2時半に病院のケースワーカーさんから、母の主治医名と退院後今まで入所していた軽費老人ホームA型ではなく、見守りのある施設に移った方が良い。また、同意書については3時半に電話しますと言われました。
3時半になり、今度は女性のケースワーカーさんから、「5月1日の月曜日の10時に同意書のサインを頂きにお宅に伺います」との電話がありました。
私も、母の入院費と退院の軽費老人ホームA型ではなく、見守りのある施設に移った方が良いと言われたものの、その費用をどのように工面したら良いか分からず、パニックになりつつ、私の支援者さんにメールをしました。
支援者さんは、翌日にいらして「手術や入院などで医療費が高額になった際でも、自己負担には上限額があり、上限額を超えて医療機関の窓口で支払った分は、払い戻される限度額適用認定証があることを教えて頂き、その上私の代わりに申請して来ても良いと仰って下さり、入院費の請求は、藤永さんではなく、お母様に請求が行くことも教えて下さり、また、退院後の施設についてもご存じの施設に当たってみましょうか」と仰って下さりました。
さて、母の金融機関の口座ですが、母と一緒に暮らしていた時に便利ではないかと思い、ネットバイキングにしました。今つくづく思うことは、ネットバイキングにして良かったと言うことです。それは、決して私が母の口座からお金を下ろせると言うことではなく、母の口座の動きをネットから見られるということです。
5月1日、ネットバイキングから母の口座を見ると、4月分の年金が母の口座に入ってません。年金機構に問い合わすと、入金したと言う回答。
多分、母が施設に入所するにあたり、身元保証人がおらず、ケアマネジャーさん達が考えた末、家族や親族の代わりに身元保証人になって下さるNPO法人に身元保証人になってもらった模様です。
念のために、その母の身元保証人に母の年金は、どうなったのかを訊いてみました。すると、母の意向で金融機関を変えたと。多分、誰かが自分の口座からお金を引き出していると言う被害妄想からそうしたのでしょう。これで母の4月分の年金の件は解決しました。
どこまで行なってくれるか分からなかったのですが、限度額適用認定証の件も訊いてみました。すると、その手続きも行なって下さるそうです。
その電話からすぐに、病院のケースワーカーさんが来られました。ケースワーカーさんは、同意書にサインするだけで済まそうとしていましたが、私がしつこく母の状態を訊こうとするので、渋々答えてくれる感じでした。
母ですが、40歳代からあった被害妄想が施設でも言い始めたそうです。深夜トイレに行く際に部屋の鍵を掛けて行くそうです。4月に入りその日もそうしたそうですが、部屋からトイレに行く途中、部屋の鍵を紛失してしまったことにより、職員か、利用者さんが部屋の鍵を盗んだと言い出し、あらゆる面で職員さんや利用者さんを疑い始め、パニックになり、入院することになったそうです。
コロナに感染しているか、入院当日と入院4日目にPCR検査を受け、その間は保護室にいるそうです。1回目の検査結果は陰性。2回目は今日(5月1日)か、明日(5月2日)にも結果がわかるそうです。2回目とも陰性の場合保護室から大部屋に移れるそうです。
精神面では入院当初は、少々錯乱状態だったみたいですが、現在は落ち着いているそうです。
また、施設入所中は、面会はできませんでした。病院での面会は、オンラインでの面会になっていますが、一度は直接会えるようになるそうです。母に会えるのは、2年ぶりです。
5月1日にケースワーカーさんがいらした時に、いつ母の主治医と面談できるか訊き忘れてしまい、ケースワーカーさんに電話しましたら、不在ということでしたが、その日の夕方ケースワーカーさんと話すことができ、「今日は母の主治医は休みで、明日には出て来るので、明日もしくは、ゴールデンウィーク明けにまた連絡します」と言うことでした。
今は、母の状態が良くなって欲しいことが第一です。それは、メンタル面はもちろん身体面についてもです。一緒に生活をして頃から杖を使ってました。病院では、簡単に車イスに乗せ、居室から食堂に移動させます。私もそうでした。車イスでの移動が多かったため、30分歩けていたものが室内しか歩けなくなってしまいました。だから、母もそう言う状態になってほしくありません。
第二には、入院費や今後入所する施設の入所費と月々の維持費です。私の支援者に話では、それら費用は本人の収入より掛からないとのことですが、心配です。
そして、第三に病棟や新しく入所する施設の人間関係です。職員や患者さん利用者さんからの虐待やいじめはないだろうかと言う問題です。それが一番母にとっては辛いことかもしれません。
まだ母の主治医とお話もできておらず、母とも会えていませんが、母の主治医と面談し、母とも会い話しができるようになれば、もう少し現在の母の状態がわかって来ると思われます。そうした時点で、また、その時の思いを書き記そうと思います。
長文を読んで頂き、本当にありがとうございました。