自然哲学に関する本を図書館で借りました
1.科学的な営みや成果を鳥瞰する必要性
社会的に発言力のある人や政治家などが、科学の成果、科学への信頼性を利用して人々に影響を与えようとしているのを見かけます。人によっては、科学の理解度などによって国民の間に分断が起こりそうだという人もいます。”分断”という言葉を調べると、軽々しく使う言葉ではなさそうですが、最近、よく耳にします。
たとえば、地球温暖化説を信じる人と信じない人、その解決策としてカーボンニュートラルを推奨する人と脱炭素を推奨する人、温暖化防止のために太陽光発電を推奨する人と原子力発電を推奨する人がいますが、状況は混沌としていてちゃんと関係者は納得するまで議論しているのかどうか、心配になることがあります。地球温暖化説については今日、明日の問題ではありませんが、感染症ともなると心配が爆発します。
実際問題として、説明を聞いても理解できないという人も少なくないと思います。というか、じゃあ、専門家であればよく理解出来ているのかと言えば、専門家も分からない場合があるのではないでしょうか。専門領域というのは自己の競争力保持のため狭く掘り下げている場合が多く、間口が狭いという話もあります。
このような状況を放置しておくと、科学そのものに対する信頼性が失われることもあり得ると心配しています。
そのようなことを防止するためには、自然科学のみならず社会科学、人文科学広い範囲で何らかの対応が必要だと思います。
その対応として、科学的な営みや成果を鳥瞰できる可能性のある統一科学が必要であるということが言われています。個人的にも、そのような統一科学は数学や哲学が活用されると思っています。
2.数学では圏論に期待する
圏論については、これまでにブログで2つの記事を書いていて3つ目を書いている途中です。わかりにくいブログで恐縮ですが、圏論をどうやって活用していくかについては、以下の記事をどうぞ。
3.自然哲学への着手
自然哲学という名前の本を探していたら興味ふかい本を見つけました。
イアン・ハミルトン・グラント著 浅沼光樹役
『シェリング以後の自然哲学』
値段も興味深いです。
昨日、図書館を覗いたら置いてあったので借りてきました。400ページ強あって字も小さいです。
シェリング(1775-1854)は、ドイツの哲学者です。
著者のグラントは現代のイギリスの哲学者です。
グラントの著作の目的は、シェリングが提示した”時間的であるとともに場の理論でもあるような力脳の存在論”について論じるとしています。「場の理論」「力脳」はどうやら専門用語のようなので後ほど調べるとして、彼は、自然哲学は1830年代に消滅したわけではなくその後も多くの研究者が取り上げていますが、シェリングの自然哲学は相当のページを費やしても再構築する必要があると考えたようです。シェリングはプラトン主義の影響を受けているがカントは影響を受けていないようなので、プラトン主義との関係も重要である、と述べています。
以上は序文に書いてあったのですが、序文でお腹がいっぱいになりました。
「相当のページを費やしても」とは相当の時間をかけても、という意味だと考えられます。
全5章からなっているのですが、どこまで読めるか。