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医療保険でのリハビリが終わった今、思うこと

母の医療保険でのリハビリが終了した。
母の場合、手術が3回あったり体調不良が続いたりして、介護保険でのリハビリの方向性を私がなかなか決められなかったこともあり、厚生労働大臣が定める期間よりも少しオーバーしてしまった。

当初は作業療法が週1回40分のみで、その時間だけが母と物理的に離れられる時間だった。
しかし、「家での様子を聞きながらリハビリしたい」とのことで、最初は私も付き添わなければいけなかった。
「掃除機ならできると思うので、娘さんが見守りしながらやってみてください」と言われたときは、「それさえも今の私にとっては負担なのでカンベンしてください・・・」と思った。
掃除機どころか母の全ての動作に見守りや介助が必要で、私はひどく寝不足状態に陥り、とても辛い時期だった。
掃除機くらい、さっさと一人で終わらせたい。

母が体調不良でお休みをするときは、2週間以上リハビリ期間が空いてしまうことになり、母と離れる時間がなくてかなりしんどかった。
散歩など、できるだけ外出の用事をつくって母を運動させていたけど、もう少しリハビリ自体を増やしてほしいとお願いして、理学療法や言語療法を追加して週3回にしてもらった。
リハビリで母が劇的に改善するとは思えなかったけれど、とにかく母と離れたいと思った。
本当ならば後学のためにもリハビリを見学したい気持ちもあったが、無理しないで自分の時間に充てることにした。
それでも計80分のリハビリでは、近くのスーパーで買い物するだけで時間がギリギリだった。
交通量が多い場所に病院があるため、気晴らしにどこか行くにも渋滞にはまってしまい、時間が全然足りなかった。

デイサービスとは違って送迎サービスがないため、毎回私が車で送る必要があった。
我が家の駐車場までの徒歩10分が本当に大変だった。
時には真夏の猛暑を歩けなくなった母を半分抱きかかえながら、時には高校生の自転車集団を避けつつ車椅子を押しながら、時には穏やかに手をつないで他人の家のお花を愛でながら。
病院は近いのに、駐車場までは遠かった。


リハビリスタッフの方々には本当によくしていただいた。
作業療法士(OT)さんは、最初から穏やかに接してくれて母の不安を取り除いてくれた。母も気負いせずおしゃべりできて、「リハビリに行きたくない」とゴネるときなどは「〇〇さんが待ってるよ」と言うと笑顔になったため、ことあるごとに私はこのOTさんの名前を使わせてもらった。(しかし母は最後までこのOTさんの名前を正しく言えなかった)
理学療法士(PT)さんは、毎回丁寧に母の体をみてくれて、マッサージは母のお気に入りだった。PTさんのリハビリがある日は、母は帰る頃には身も心も軽く元気になっていた。私にもマッサージしてもらいたかった。
言語聴覚士(ST)さんは、母を否定せずに、とても優しく丁寧に接してくれた。最初は母にとってリハビリの内容が難しかったせいか、母はイライラして態度がとても悪くて申し訳なかった。それでもSTさんのお人柄のおかげで母もだんだん楽しめるようになっていった。
病院自体もとても綺麗で、受付の方や他のスタッフさんもみんな丁寧で、「私、ここで働こうかな?」なんて思ったりした。

リハビリが始まった当初は、一体これからどんな生活が待っているのかとても不安だった。
それでもこうして医療保険でのリハビリが一区切りして、母も穏やかに自宅で生活できていることを考えると、一歩ずつだけど前に進んでいると思える。
とてもきつかったけれど、母も私もよく頑張った。

これからは介護保険で訪問リハビリが始まる。
母には引き続き、楽しく頑張ってもらおう。
とりあえず私の送迎・付き添いの負担が減ることは大きい。

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