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料理コンプレックスがおくる介護生活
私にとって、母との介護生活で人生初めて「人の3食を面倒見る」ことになりました。
料理に特に苦手意識がある私にとって、この毎日の食事作りは相当なプレッシャーがありました。
私は高校卒業してから一人暮らしなのですが・・・一人なんてそりゃテキトーです。
食べたいときに食べたいものを食べていました。
しかし、母は長期入院によって体重が減少していたので、なおさら「しっかり食べさせなきゃ!」と感じていました。
介護生活が始まったばかりの頃の母は今よりも状態が悪くて、意味不明で落ち着きのない行動や歩行のふらつきがありました。
そのため買い物も行きにくかったし、料理中も目が離せませんでした。
もちろん外食なんて行く準備をするだけで大変だから行かないし、食事中もたくさん食べこぼししたり、時には味噌汁に入れ歯が落ちるというコントみたいなこともあってわたわた忙しかったり、なんだか私の食欲がなくなったり。
食事が美味しくも楽しくもなく、ただただ苦痛でした。
SNSでは介護ネタよりも育児ネタの方が多い気がします。
「ズボラなママでごめん!簡単離乳食作り!」などというSNS動画を見て、「そうだよね、ママだって毎日大変だもん。そりゃ楽したいよね!?したっていいよね!?」と、共感して励まされていました。
それに今ならわかる!夏休みのママの気持ち!!
食べながら次は何食べようかと考えて一日中キッチンに立つ日が永遠に続くなんて、それは本当に大変です。お疲れ様です。
そもそも寝不足が続くともう何も考えられなくなる。
お願いだからテキトーに勝手に食べててくれ。
そんな私が救われたのは、偶然見かけた育児番組。
「子どもの栄養バランスは1食で考えると大変なので、1週間トータルで見て栄養とれたなと思えるくらいで大丈夫ですよ」と、おそらく栄養関係の先生が話していて、高齢者とアラフォーしかいない我が家でも採用することにしました。
菓子パン食べたいなら食べればいいじゃない!
買い物行けないから Uber呼んじゃお!(田舎にいたから実家で初体験した)
たまにはマックにしちゃお!ナゲットもつける!
インスタントラーメンだけど、卵入れてタンパク質とったことにしとこ!
もう今夜は冷凍のお好み焼きでヨシとして私はビール飲む!
こんな感じで時には手抜きしつつ、ぼちぼちやっていきました。
母の体重の増量は少しずつですが、今のところなんでも美味しく食べてくれます。
(ついでに子どもの残したもの食べて太っちゃうママの気持ちもわかってきた)
そもそも困ったらお鍋か納豆卵かけご飯ですべて解決なのです。
高校生男子の家庭ではないので、ごはんと漬物だけで満足できたりするのです。
むしろそういうのが1番おいしかったりするのです。
そんな日々を過ごしていくうちに私もだんだん慣れてきて、料理のレパートリーが増えていきました。
買い物や冷蔵庫にあるものもうまく使えるようになってきて、まさに介護と花嫁修行を同時進行中です。
「得意料理は肉じゃがです」と、ずっと言ってみたかった言葉もそろそろ言っていい気がしてきました。
さらに最近では「簡単ヘルシー」のさらなる実現に向けて蒸籠を購入して活用し始めました。
蒸し野菜おいしすぎる。
母の症状も落ち着いてきて、お腹がすいたら勝手にバナナやパンを食べてくれたり外食も楽しめるようになってきたりしています。
入れ歯も落ちなくなりました。
食事は健康的に生きていくための大切な手段なので、これからも無理せず料理して、美味しく食べて、たまには外食して楽しんでいきたいものです。