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散財キャッシュバック

「何?このカード達。」

部屋の掃除をしていると、交通系のICカードが3枚も出てきました。

最近はスマホが相当便利になったおかげで、決済関連は殆どアプリ。最後にICカードを利用したのは、もう1年以上も前。

「払い戻し、してきたら?あと、たまにはランチにでも行っておいでよ!」

優しい妻にそう促されたので、早速駅の窓口に向かいました。

汗を拭いながら、自動扉を開けると、誠実そうな駅員さんが1人。早速ICカードを手渡すと、駅員さんは何やら機械でチェック。少し困った様な顔で言いました。

「これ、結構まだ残高ありますねぇ。手数料として引かれてしまうので、使い切った方がお得ですよ!」

「え、そうなんですか?ちなみに、何円あります?」

「合わせて2000円くらいあります。」


ウホッ!

まさかまさかの臨時ボーナス!ウホウホウホホホホーイ!

早速、妻へLINE。

「散財してくる!」

「え?どしたの?いくら入ってた?」

「2000円!」

既読スルーされた。

なぜ?散財という割には少額すぎたのか?まぁそんなこと気にしません!

とっとこ電車に乗り、隣駅へ!

まずは、前々から気になっていた本を購入。差額分を現金で払う形で、対応してもらえました。

よし。今度はランチだ!

カフェに入り、サンドイッチとカフェインレスのコーヒーを頼みます。普段カフェで食べ物は頼まないので新鮮。ワクワク。

美味しいランチとコーヒーに舌鼓を打ちながら、エッセイを書く優雅な時間。

はぁぁ。最高。ありがとうICカード。

執筆もひと段落し、お会計へ。

先程の本屋さんと同様に、差額分を現金で支払いたいと伝えると、何やら手こずっている様子。

「少々お待ち下さい!」

店員さんはそう言って立ち去り、先輩らしき方を連れて戻ってきました。

その先輩は、到着するや否や、カードやレジを入念に確認。

顔を上げて言いました。

「すみません。当店では、対応できない様です。」


ウホッ?

まさかのICカード使えない事態。いや、使えないんじゃなくて、差額の現金払いが出来ないとのこと。ウホホ……。

後ろで並んでいるマダムの冷たい視線を感じながらも、慌てて普段使ってる決済アプリを開きます。

しかし、ここでもまさかの残高不足!

背中にものすごい圧力を感じながら、そそくさとチャージして、なんとか支払いを終えました。

店を出て、ほっと一息ついたその時。

ある事実に気づきます。

この1600円。自腹やん。


もう残高使う気満々で、ちょっと良いサンドイッチ選んだもんだから、ランチとしては中々のお値段を自腹で払うことに。

文字通り、散財してしまいました。

その後、気を取り直して妻と娘へお土産を購入。現金との併用もなんなく出来て、残高を使い切ることに成功しました。

地元の駅に到着し、改めて窓口で払い戻しを依頼。

デポジット料500円が3枚分で、合計1500円返ってきました。ほくほく。

そうこうしていたら、妻と合流。

娘は習い事で30分ほど居ないので、お茶でもしようかという話に。

「今日は奢るよ!なんてったって、払い戻ししてきたからね!」

「そうなの?やった!じゃぁねぇ。」

表情が明るくなる妻。

なんだなんだ?ラテでもカプチーノでも何でも良いよ?どんとこいよ!

「んー、パスタで!」

パスタ!?

「あと、ラテも!」

ラテも!?

まさかまさかの、パスタセット。

「なおキちは?どうするー?」

「あ、ヨーグルトアサイーで……。」

アサイーをすする僕の隣で、モリモリペロリとパスタを平らげる妻。

「いやぁ、まだお昼食べてなくてさ!お腹減ってたんだよねぇ!」

ふ、大丈夫さ。今日の僕には払い戻された1500円のデポジットがある。

そう思って、手元にあったレシートに目をやり、合計金額を確認しました。



約2000円。



赤字やないか。


【あとがき】
結局赤字ではありましたけど、とても満足度の高い1日でした!たまの散財は良いですね!

ちなみに、本屋さんで購入したのは古賀史健さんの「さみしい夜にはペンを持て」という作品。

2023年7月に出た本なので、note界隈の方は読んだ方も多いかと思いますが、めちゃくちゃ良かったです。

これから読むという方は、立ち読みだけでは終わらせず、是非123ページまでは読んでみて下さい!

その辺りから主人公の雰囲気が変わり、どんどん引き込まれていきますよ!

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