[Vol.2] コロナ禍における熊本のアーティストたちの新しい表現の可能性を発掘せよ! - アーティストスポットプロジェクトPV撮影② -
▼Vol.1
Vol.1 では熊本市のアーティスト支援事業・アーティストスポット熊本の今回のPV制作全体のディレクターを務めてくださったShikiの杉本匠さんにお話をお伺いしまして、Vol.2では熊本城ホールでの撮影にご協力いただきました動画クリエイターの中川典彌(ふみや)さんのインタビューとともにお届けいたします!
<PVイメージを打ち合わせ中の中川さん@熊本城ホール>
ー今回担当してくださったPV作品はどちらになりますか?
中川さん(以下中川)「今回はMercy Woodpeckerさんとフラワーアーティストの須子(すこ)さんが熊本城ホールで共演された作品のPVを作らせていただきました。」
ー今回の撮影で印象に残っていることはありますか?
中川「僕、実は動画クリエイターとして仕事を始めてまだ2年ほどなので、ミュージックビデオ(MV)の撮影は今回が初めてだったんです。なので撮影自体が手探りでした。さらに実は、あの撮影の日が自分が欲しいと思っていたカメラの発売日で、午前中に撮影の機材や照明の打ち合わせが終わった後の昼休憩を利用してあのできたばかりのビックカメラに買いに行って、そしてそのままそのカメラで撮ったっていう裏話もあります(笑) 」
ーその日に買ったばかりの新しいカメラでいきなり本番の撮影もされたんですか?!(笑)
中川「そうなんです。 映像始めたのが2年前で、そのときに買った富士フィルムのカメラをずっと使っていたんですけど、新しく発売されたソニーのFX3がすごく良さそうだなと思いまして(笑) でも逆に現場は盛り上がりました。なんですかそれ!みたいな感じで、緊張感なくリラックスした状態で撮影に臨むことができたかな、と思います。」
ー他に、今回の撮影で印象に残っていることなどはありますか?
中川「そうですね。今回撮影させていただいたMercy Woodpeckerというバンドの子たちが4人いるんですけど、めちゃくちゃいい子たちなんです。普通の大学生みたいな。熊本城ホールに入って会場を見たときも『うわぁー!』ってめちゃくちゃ感動してるような感じの子たちだったんですけど、いざ楽器持って演奏し始めると、別人のように本当にアーティストになったんです。自分としても初めてのMV撮影で、普通の子たちがアーティストになるまでの瞬間を見られたことはすごく大きな経験となりましたし、同時に鳥肌が立ちまして、この【アーティストスポット】っていうプロジェクトの可能性をとても感じましたね。
やっぱりどんなスポットであっても、アーティストってそこにうまくマッチングしていくというか、相性が良いとか悪いとかではなく、多分素敵なアーティストと素敵なスポットであれば、必ずコラボしたときに化学反応が生まれると思えたので、そこはすごく印象に残ったところですね。」
ー今回のPVで注目して欲しいポイントなどはありますか?
中川「注目してほしいポイントは、今回は、ミュージックビデオ風の事業PVなので、一番大切にしたことは【アーティストスポットって何だろう?】っていうことを伝えること。そのため、アーティストとスポットがマッチングする様を熊本城ホールの上から青いビームのようなものを使って『スポットがここ』と示し、そのビームによって『アーティストが彩られる』という演出から映像がスタートし、フラワーアーティストによってコーディネートされた花びらが青く彩られ、バンド(アーティスト)が奏でる歌で会場(スポット)が、街中が彩られる。アーティストとスポットのコラボによって生まれた化学反応によって、人が、空間が、世界が鮮やかになっていく様を表現した映像になっていますので、ぜひそちらに注目して見ていただきたいです。」
ー中川さんから見て、現在のコロナ禍におけるアーティストまたはクリエイターとしての活動に際して今の現状をどのように感じていらっしゃいますか?お客さまとの接点の持ち方や、新しい接点の可能性など
中川「そうですね。僕はまだ、クリエイターとして動画を作り始めて、まだ2年たたないくらいなので、コロナが流行り始める以前との差は大きく感じてはいないです。
世の中として大きな違いが起こっているのは勿論わかっているんですが、大きく感じてない理由としては、ただ時代の変化が早まって、届け方が変わっただけかなと。オフラインでやってたことがオンラインになったのってちょっと見方が変わっただけで、触れ合うキッカケとか触れ合う時間が少なくなったかというと、そうでもないんじゃないでしょうか。考え方次第では形は変わったけど、画面を通して届けるようになったから、逆に見れるようになった人は増えたりとか、見る時間だったりとか拘束時間だったりとかもなくなったりとかしている。
そんな届け方が変わったその時に、アーティストさんたちの中でもやっぱり実際に会って届けないと熱量が伝わらない、その芸術が伝わらないとか、 やりたいことが伝わらないとか、それぞれにいろいろあると思うので、そこを今後どうしていったらいいか、どう解決していったらいいかと考える時かなと。
今後はようやくルールが追いついてきて、何かを実行しようと思った時のガイドライン、これだったらこうこうすれば3密避ければやっていいねとか、ある程度のルールに沿って行うことに関しては少しずつ実現できるようになってきていると思うので、アーティストは、そのガイドラインをきちんとクリアした状態で、その中でも新しく届けることができるか、深く突き刺させるのかっていうのを考えて逆に抜きん出る、っていうチャンスがあるんじゃないかと僕は思っています。」
ーなるほど。「届け方」のスタンダードがなくなってその「届け方」次第では差をつけるチャンスになる可能性があるっていうことですね。
中川「ですね。なので、その『届け方』の部分も考えなくちゃいけなくなったっていう変化はありますね。今までは表現活動していればよかったんだけど、表現するためには何を準備しなければならないのかとか、トータルプロデュースを自分でしなければならなくなったっていうところが、大き変化なのかなと思います。」
▼そんな中川さんが今回制作してくださったPVがこちら!
<【アーティストスポット熊本】事業PR映像作品 Mercy Woodpecker × Eisuke Suko × Fumiya Nakagawa × 熊本城ホール>
▼そしてこちらは今回取材させていただいたアーティストスポット熊本プロジェクトの事業紹介動画です!中川さんもPV内に登場されています!
<【アーティストスポット熊本】事業紹介動画>
"コロナ禍でアーティストの活躍する場が失われてしまっている"
そんな熊本のまちを盛り上げるべくはじまったアーティストとスポットを繋ぐプロジェクト【アーティストスポット熊本】も、Hub.craftはまちのクリエイターのみなさんにご協力いただきながら地域が抱えている課題解決へ向けて全力でサポートしていきたいと思います。
熊本のアーティスト&スポットのみなさま。ぜひこちらのサイトから登録して、新しい自分たちの表現の可能性へのチャレンジをしてみてくださいね!
インタビュー:中川典彌(動画クリエイター / 映gentRoman代表取締役)
プロジェクト:アーティストスポット熊本(熊本市)
文・谷本 明夢