熊本を音楽のチカラで元気にしよう!むしゃんよかバンド決定戦【ポスター撮影】
みなさんはライブは好きですか?あれはもう15も年前のこと、大学生だった私がはじめてライブハウスに行った時のことを覚えています。ドアの向こう側はなんだか異世界で、ドキドキと同時にワクワクしたものです。
そんな今回は、コロナで残念ながら閑散としてしまったライブハウスをもう一度盛り上げよう!熊本を音楽のチカラで元気にしよう!という、文化庁主催のとある企画のポスター撮影に参加してきましたのでその様子をお伝えしたいと思います!
熊本在住・18歳以下・3人以上で編成したバンドで
オリジナルSDGsソングを歌おう!
「むしゃんよかバンド決定戦」
今回お邪魔させていただいたのは、2019年10月13日にオープンした熊本城ホールの1周年記念イベント「SDGsを歌にして熊本に響かせよう!第1回むしゃんよかバンド決定戦」の参加者募集ポスターの撮影現場。新型コロナの影響で落ち込んでしまった熊本のライブハウスや音楽業界を盛り上げるため、子どものみで構成されるバンドでのSDGsオリジナルソングを募集するというワクワク企画です!
参加資格は18歳以下のみで構成されるバンドであること&作曲テーマがSDGsに関わるものであること!(すごい!) なので高校生はもちろんのこと、中学生や小学生、もしかしたらタンバリンで幼稚園生でも参加可能!?なぜひぜひ熊本中の未来ある若者に参加してほしいオーディション。
このオーディションで1位をとったバンドの曲は、これから1年間、熊本城ホールをはじめさまざまな熊本市主催のイベントにて使用されるそう。自分たちの曲を多くの熊本市民に聞いてもらえるまたとないチャンスです。
さて、現場入り。撮影会場はライブハウス熊本B.9!
今回こちらのポスターに使われる、"学生&こどもバンド"のこども役に抜擢(?!)していただいたのは私の小学2年生になる息子。バンドのドラマー役を仰せつかりました。
到着した会場は、上通りから一本路地裏に入り込んだ先にあるライブハウス熊本B.9。最後にライブハウスに行ったのは何年振りでしょうか。その本格的なステージにどきどきしながら入っていきます。
もちろんまだ小学2年生の息子はライブハウス初体験。ドラムやギターはおろか楽器もろくにさわったことはありません。(あるとすれば学校で使うピアニカ)かっこよくドラムを叩くことはさてできるのでしょうか?
いざ撮影開始!ってよく見ると・・?
<ドラムセット…!?を整えるHub.craft山下さんと息子>
さて撮影トップバッターは息子です。ドラムセットに座ってよいしょ…ってよく見ると、ポリバケツのフタのシンバルにスチールバケツのタムタム?!学校の教室で、男子が掃除や休み時間にやっているバケツドラムがあるではありませんか!
こちらは初めてのスティックをもち、ややぎこちなくドラムを叩く息子に指示をくださるクリエイティブディレクターの佐藤かつあきさん。
ただ単純に本物のドラムを子供が叩くのではなく、本物のステージ&ライトアップの中で小さい子がドラム叩いてると思ったら…バケツ?!というこの二度見してしまいそうな "ギャップ" がさすがの演出…
こうやって企画や演出で人に興味をもっていただく仕掛けを作っていくんですね。プロの技を後ろで見学しながら、ポスターの仕上がりがどんどん楽しみになってきました。
今度はスティックをホウキに持ち替えて
なんちゃってドラムでの撮影が終わると、今度はホウキを渡された息子。ホウキ?もしやギター?!これもギターを習い始めたばかりの男子が掃除の時間にはしゃいでるあれですね…!そしてアンプを背にしてスポットライトを浴びた息子はまるでギタリスト!
「おっけーじゃあこんな風に弾いてみて!」
「こう、ホウキを地面にたたきつけるみたいにしてもいいよ!」
「ジャンプで飛んでみようか!」
このバンドはきっとロックバンドなのでしょう、はげしくホウキギターを引き続ける息子。ちょっとノリノリに体もゆらゆら揺らしています。バンドが演奏しているところなんてみたことがないはずなのに思ったよりも上手 !ジャンプも思いの外飛べていました。
そして息子の出番は終了。すると次のモデルさんから会場に音楽が!さらに本物のライブ感!会場もノリノリに。
<ポスター撮影中、カメラを回してくださっていたHub.craft 龍野さん >
Photo by Kaisei Setoguchi
昭和のテレビ番組のような懐かしさとギャップの演出
<ボーカル役の女の子の撮影時にカメラを構える関係者のみなさま
マイクはからしレンコン!>
今回のプロジェクトのポスターのビジュアルディレクションを担当された佐藤かつあきさんに、企画演出の意図や込めた願いなどお伺いしました!
佐藤「この企画はコロナによって打撃を受けたライブハウスの方々が熊本の大谷楽器さんや熊本市などと一緒に立ち上げられたもの。僕は以前熊本城のところで開催したシンガーソングライター選手権でHub.craftのやまぴー(山下)とご一緒したご縁で今回ポスタービジュアルをお手伝いさせてもらうことになりました。
"むしゃんよかバンド決定戦"という企画の名前はもうすでに決まっていて、僕はその名前を聞いて昭和のバラエティ番組の企画のような印象を受けたんです。そこでロゴも昔のテレビのタイトル風に仕上げてみました。
さらに応募対象が学生ということで、小学生〜高校生の男女で構成される四人でバンドを編成。そこで普通の楽器を持ってもらってもいいのですが、そこはそのままだとポスターを見ていただいた方にインパクトやひっかかりがないだろうと、熊本らしさを出すからしレンコンマイクや、ほうきやバケツを使ってもらったんですが、これがすごくよかったですね。
ライブハウスも本格的。キャストの皆さんも本格的に歌っている感じや演奏している感じが出ていて全体的に至極真面目なんですが、手元にはからしレンコンやホウキやバケツ。このギャップがとてもよくて、僕がTwitterで流した投稿もかなりたくさんの方にシェアしてもらえるなど一定の効果が出せたかなと思っています。」
ヒーローが創出されていくような土壌を作りたい
<最後は揃って本物の楽器を手にバンド結成!>
ーかつあきさんは、このイベント通じて熊本をどのように盛り上げていきたいと思われていますか?
佐藤「どんなイベントであっても、一回や二回では大きく何かが変わることはありません。できれば続けていって欲しいですし、続けていくことでそこからヒーローが生まれていって欲しい。それを僕らがもちあげてサポートして、盛り上げていけたらと思っています。
例えば将棋の藤井聡太くんのようなヒーローが一人生まれることで、そのたった一人が世の中を変えていける。藤井くんの影響で小さい子供達が将棋をはじめてみたり、そんな影響力のあるヒーローが創出されていくような土壌を作りたいというのは、僕の個人的なミッションでもあるんです。」
そして完成したイベントのポスターはこちら!!
バケツドラム、ホウキギター&ベースにからしレンコンマイクだけどかっこいい!
からしレンコンで歌い、ほうきギターで飛び、バケツドラムを叩き、ほうきベースをかき鳴らす。家で学校でそうやって練習しイメージを膨らませた彼らが、ついに本物の楽器を武器にステージでスポットライトを浴びてコンテストに出場!最高の晴れ舞台ですね。
今回このコンテストでどんなヒーローが生まれるか。ぜひ注目していきたいと思います!
▽詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
佐藤かつあきさん、そして関係者のみなさま、貴重な機会をありがとうございました!
今後もHub.craftは、熊本のクリエイターのみなさまと一緒に熊本の未来を盛り上げてまいります^ ^
写真:瀬戸口 海晟 / 谷本 明夢
ポスターデザイン・インタビュー:佐藤 かつあき
文:谷本 明夢