映画『共謀家族』の感想
NHKの中国語講座を見ていたら紹介されていたのが、『共謀家族』という映画だった。その紹介の段階で引き込まれてしまい、それからちょっと時間が空いたが骨折で動けないのを機についに見てみた。
最後の最後までサスペンス
一気に引き込まれてしまい、最後までハラハラするサスペンスだった。見始めてから気づいたが、アユー(阿玉)は『瓔珞〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜』という中国の歴史ドラマに出てくる高貴妃さま。化粧っ気がなくてもこの女優さんはお美しい。いつか高貴妃さまについても語りたい。
最後の最後まで観て感じた事は、ゾワッとしたという事。実は最初の2場面がとても大事だったのではなかろうか。リーは大胆にも完全犯罪計画を行うが、「(自分のことを)何の取柄もない。贅沢もさせられない。だがせめて穏やかな暮らしを。」と家族に対して言っていた。しかも娘たちの本名はどうやら、「李平」と「李安」みたいだ。「平安(中国語:平安、無事、安全であること)」の二文字を娘たちに付けるほど、強い思いで家族に穏やかに暮らしてほしかったのだ。
そんな父親が、あのような終わり方で済ませるのか。あれでおとなしく〇〇を全うするのか。私の感じた「ゾワッ」は『ショーシャンクの空に』という映画をすでに見ていたからこそ味わえたものだと思う。
ここからは私の個人的考えだが、
↓ネタバレ要素が強くなるので注意↓
冒頭の脱獄シーンに続いてリーが『ショーシャンクの空に』について語るシーンがある。最初は、映画の話を語っていただけかと思ったが、もしかしたら映画の結末の後に実行に移されるもしれない。
あのままでは、リー家族は結局のところ穏やかな気持ちで暮らせない。穏やかな生活を妻と娘にさせるためには、『ショーシャンクの空に』のアンディにリーがなるしかないと思う。アンディも冤罪だし、リー自身も殺人を行っていない。
リーはまだ戦う目をしていた気がする。計画した完全犯罪のように『ショーシャンクの空に』を参考に脱獄を実行する(した)のかもしれない。
リーの家族は本来被害者であり、私は正当防衛だったと考える。でもピンピンにとっての加害者が、証拠を捏造するような警察署長のドラ息子では、ああせざるを得なかった。それにより、家族を守るためだったとはいえ町には暴動が起きてしまった。
暴動や周りの人々を巻き込んだ件について責任を取るために自首したが、肝心の家族は誰も穏やかではいられない。リーに『ショーシャンクの空に』について語られた食堂のソンさんは、笑顔で最後にいったい何を話したのか。あえてその場面を流さないところが不気味だ。
まだリー一家は終わってないかもしれない、というある意味希望を残した最後だったと思う。純粋な意味の希望ではないけれども。
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