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鳥嫌いの同居人のマメルリハに対するとある期待とその顛末

1月7日午後。朝から外出していた私は、ちょっと多めの荷物を持って家路についていた。そして帰る前に母に電話をしたところ、「寝ているかもしれないので自分で鍵を開けてね」と言われていた。

だが視界に家が入って来たあたりから「大荷物状態で背中のリュックからキーケースを取り出すのは難儀だな~」などと思っていた。

そして家に近づき、普段我が家のマメルリハ・シャルがいる出窓の近くを通りがかりながら、私はふと思った。

今日は仕事の日のようにシャルの就寝後の帰宅ではないし、シャルが把握していない私の行動パターンの外出だった。

それなら、もしかすると私の帰宅をシャルが察知して母に知らせようとするかもしれない。母が起きていればそれに気づいてドアを開けておいてくれるかもしれない!

シャルは同居する人間たちに「おかえりなさい」はしないが、外出中の人間が帰って来た時にもう一人の在宅中の人間に「帰って来たよ!」と伝えたがる傾向がある。そしてその帰宅のお知らせは、シャルが把握している外出パターン外に該当した時に限る(詳細は過去の以下記事)。

自他共に認める鳥嫌いの私だが、シャルのそういう能力は高く評価している(上から目線)ので、あわよくばそうならないかと勝手に期待しつつマンションの階段を上った。

ドアの前にたどり着き、ドキドキしながらドアノブを回してみたら、鍵はかかっていた。残念。

私はあきらめて苦労しながら背中のリュックから鍵を取り出し、開錠して家に入った。

母「瀬鴉?」
私「そうだよ。ただいま。」

部屋の奥、廊下とダイニングを隔てるドアの向こうは電気がついていて、母の声がした。何だ、起きていたのか。

母「シャルったら、もしかして瀬鴉が帰って来るの分かったから鳴いていたの?」
私「?!」

ダイニングルームに行くと、椅子に腰かけた母の腕にシャルがしがみつくようにとまっていた。先ほどの母の言葉は腕にとまっているシャルに向けてのものだった。どうやら、私が玄関のドアを開ける少し前からシャルは騒いでいたらしい。しかし母は私の帰宅が想定より早すぎて、シャルが鳴いている理由が、シャル自身の何らかの要求(麻の実ケース落としたから拾ってほしい等)を伝えたかったのだろうと思い込み、私の帰宅を知らせているのだとは思い至らなかった。

つまりシャルは私の期待通りに動いていたのだ。しかも時間からすると私が出窓近くを通りがかる少し前からである。相変わらず何で察知しているか不明だがすごい。

私は鳥用アスレチックに戻ったシャルに麻の実を一つあげることにした。大好物の麻の実を目の前に出されたシャルは、「なぜこいつ(私)は麻の実をくれるんだろう」と不思議そうにして、ほんの一瞬固まっていたがすぐ食べた。

普段あまり麻の実あげることないし、やっぱり鳥は好きじゃないけれども、ちょっと嬉しくなってしまったんだよ。

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