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酒造り40歳見習いlog.-6日目 10月中盤の日本酒造り。今こんなことをしています。-

干杯!

さて、昨日酒造り見習い6日目、行ってきました。

突然ですが、logの方法を少し変えます。

自分の頭の整理にもなるため、酒造りの工程を一旦まとめてみます。その中で今自分がどのような作業に携わっているのかを記録していきます。(企業秘密な部分もあると思うので肝心なところはオブラートに包みながら)

黄酒との比較もしながら見ていけたらと思っています。

もちろん僕もまだまだ勉強中の身ですので間違っているところがあればご指摘いただけたら幸いです。

ちょっと専門的な話にもなり、固くなってしまうかもなので最初にまかないの写真をアップしておきます(?)


結構豪華じゃないですか?お腹いっぱい・・・。


はい。では、まず日本酒の造り方のおさらいです。

日本酒は大きく5つの工程で造られます。
※この参考は唎酒師の公式テキスト

5つだけ?と思われるかもしれませんが、もちろん各工程でさらに細かく細分化されますので、さらに多くの工程を経て酒ができていきます。


  1. 原料処理
    原料である米を洗ったり、蒸したりする工程。

  2. 製麴
    米のでんぷんを糖分に変えていくために必要な「麹(こうじ)」を造る作業。(酒を造るためには糖が必要なのです)

  3. 酒母造り
    糖をアルコールに変えていくために必要な「酵母」を培養する作業。(酵母が麹を食べてアルコールが生まれる)

  4. 醪造り
    本格的なアルコール発酵を行う段階。商品化される酒の前身とも言える状態へ持っていく。

  5. 搾りから瓶詰め・出荷まで
    正式な商品として「清酒」にしていく作業。



中国の醸造酒である「黄酒(ファンチュウ)」も大まかには同じような流れを辿りますが全く同じではありません。

例えば日本酒は蒸した米を酒母や醪、麹に使用しますが、黄酒の場合は違います。そもそも麹の原料は米ではなく、小麦です。

黄酒の製造で最も多いケースは、主原料にもち米、麹(曲)は小麦。それぞれ原料が異なるため、製法ルートも全く別で行います。

日本は酒全てうるち米から造られます。製造工程を見てもスタートは一緒で、途中から枝分かれしてまた一緒になる、といった感じですよね。(この辺りは長くなるので別途まとめます)


さて、10月も後半戦へと差し掛かるところですが、今どのような状況かというと僕のいる酒蔵は、主に「仕込み」といって酒母や醪を造っている段階です。

なので、作業の多くは、上記の工程でいうと原料処理〜醪造りあたり、なのかな。関わっているのが一部だし知識もまだ足りていないので、たぶんこんな感じなのかな、という感じですみません。。

その中で僕が携わっているのはこの辺。


  1. 原料処理 ▶︎ココ

  2. 製麴 ▶︎特にココ

  3. 酒母造り

  4. 醪造り

  5. 搾りから瓶詰め・出荷まで


朝出勤したらまず「製麹」の作業のひとつである、「出麹(でこうじ)」から始まります。

米に麹菌を振ってから2日ほど経過した麹は、蒸したあとのもちっとした米からは想像もつかないぐらいパラパラしています。整形しては一回崩してまた整形して、を何度か繰り返してこの状態になります。温度や水分をコントロールするためですね。

固まっているところもあるので丁寧にバラしながら、外に用意したストッカーという箱のようなものに移していきます。

朝、麹に手を入れるのですが、前日よりもあったかい。ああ、菌って生きてるんだな!と実感できるひとときです。

出麹をしたあとは、「切り返し」といって前日仕込んだ麹に手を入れてまた整形する作業です。この段階でかなりパラパラです。

整形するときは、大きな台に平に敷き詰めていくのですが、経験値の少ない僕は全然平にならない・・・「簡単だよ」と発破をかけられながらなんとかやっています(笑)でもまだまだですね。がんばらにゃ!


製造工程1「原料処理」はまだそれほど経験はしていません。蒸し上がった米を放冷機(米を冷ますために一旦広げるための機械。)へと移動するお手伝いをしています。これは出麹や切り返しが終わったあと。

米を蒸す道具は「甑(こしき)」というのですが、甑も放冷機も巨大!まさに工場用の機械。高いところでの作業にもなるため、高所恐怖症の僕にとっては結構大きな難関です(笑)

放冷機から出てきた米はバトンリレー方式で麹室へと運びます。これを「引き込み」といって、上記の工程でいうと再び2に入っていくわけですね。


麹室に戻ると蒸し上がって麹菌が振りかけられた米をほぐしていく作業「床(とこ)もみ」を行います。

これによって毎回腰と背中がバキバキ、汗はだくだくだくだくだくだくだくだく(笑)

ほぐした米は、大きな台の中で大きな長方形のようにしていくのですが、温度はなるべく均等にしていきます。33度より高ければ、低い温度の米と混ぜ合わせたり、広げて少し冷ましたり。ただ単に崩して整えていけばいいというものでもありません。

この床もみ。何回か行うのです!大変な作業なのですが、回数を重ねるごとに米がパラパラとしていきます。なのですごくやりやすくなる。勝負は、一番最初の朝なのです(笑)

昨日は、初めて1人でこの作業を行ないました。いつもは2人で行っていた床もみ。いつもの倍以上動かなければならないし、スピードも倍速が求められます。

はい。そんなすぐに速くなるなんて、無理です(笑)

でも、やってやる!と意気込んで臨みましたが・・・あーーー間に合わん!いつも以上に汗が!!!腰が!!!

本来はお昼前までに終わらせないといけないのですが、気づけば11時50分。あわわわ・・・となっていたところ、杜氏さんが見にきて手伝ってくれました。安心したけど、悔しい。もちろん、他の方々は1人でやることの方が多いとのこと。絶対に1人で終わらせられるようになりたい!なる!


他にもいろいろあるのですが、今日はこの辺で。


昨日、改めて感じた酒造りの大変さ。それは仕込みだけではなくて、掃除です。さっきもお話した通り、機械が大きいものが多くて、洗うのが大変!雑菌には細心の注意を払わなければならないため、手も抜けません。

これを毎日、繰り返すのです。ほんと、地道な作業の連続だなとつくづく思います。尊敬。


いろんな面で目標が増えるばかりですが、今だにdonさんって呼んでもらえたことがないので、これもシーズンを終えるまでのひとつの目標として据え置き、今日は締めたいと思います(笑)

次回は、土曜日。今日は木曜日なので、お店の日。加油!


▼なぜ黄酒屋が日本酒造りを学ぶのか?

▼家飲み用町中華風グラス

▼紹興酒を深堀するWEB



仕事を終えたあとに見上げる空は、いつもキレイです。

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Don | 中国酒探究家
主に中国酒にまつわる活動に充てさせていただきます。具体的には中国酒関連のイベント開催費や中国酒の研究費、現地への旅費、YouTubeの制作費用などです。お力添えを頂けたら嬉しいです!干杯!