中華料理店における中国酒メニューの現状と、これから大切なこと。
干杯!
今年は夏のようなゴールデンウィークですね。去年のGWはちょうど本の執筆がピークで「GWは、"原稿"ウィークです」なんて話してたのを思い出します。だいぶ昔に感じるなぁ。
さて最近、とある中華レストランさんから中国酒に関するサポートのご依頼をいただき、お手伝いさせていただくことになりました。しっかりと料金をいただいてサポートするのは初めてなので、緊張しつつ、沸々と燃えています!
前職では黄酒専門店のECサイトを運営をしていて卸の営業もしていたので、当時はもちろん未だにレストランさんから中国酒に関するご相談を受けることが日常的によくあります。
店舗さんの強みとして中国酒を伸ばしていくことはサポートすれば上がっていく、などそんな簡単なことではありません。
まず大切なのは、「店舗イメージ」と「接客力」かなと思います。
※今回は店舗さん向けの内容になりそうですが、お酒業界の中で中国酒の現状がこんな感じ、というのが垣間見えるかなとも思います。あくまで個人的な見解ですが、ご参考ください。
レストランにおける中国酒メニューの現状
今、一般的な中華料理店にある中国酒メニューといえば下記のようなお酒が代表的ではないでしょうか。
「杏露酒って、そもそも中国酒なの?」という議論もできるのですが、話が膨らみすぎるのでまた今度。
これらのお酒って大抵の人が知っているぐらい認知度は高いと思うのですがそれが逆に壁になってしまっているというか・・・
乱暴なことをいうと、これで十分ニーズが満たされてしまっているんですよね。中国酒のニーズは、これで十分お腹いっぱい。
そしてイメージが凝り固まってしまっているので、改めて訴求力を高めることが難しい状況に陥っているなと思います。
「紹興酒なら、甕出しでしょ!」
「とりあえず8年物で!」
「白酒は中国で嫌な思いをしたから絶対ムリ・・・」
そんなお客さんの声は容易に想像できます。僕自身も直接体感してきたので。
もちろん僕は、この状況を良しとは思っていません。なぜなら中国酒文化の発展が止まってしまうから。
僕が専門としている黄酒は、産地や銘柄ごとに味は全然違いますし、白酒もイッキせずに味わって飲めばとっっっっても面白いお酒です。
でも、お客さんからすると「紹興酒って種類あるんですか?」「いや飲みやすいといっても・・・白酒だけはムリ!」てなるのもよく理解できます。
出来上がったイメージを覆すのって大変なことなんだなって、中国酒に携わってたくさん痛感してきました。
その点で店舗さんも中国酒を積極的に広げていく意欲が削がれてしまっている、というのがこれまでの流れの結果なのかなと解釈しています。
レモンサワーやワイン・・・どこまでカットするか?
そういう中で、「中国酒をもっと積極的に取り扱っていきたい!」という店舗さんが増えてきているのも事実です。僕に今回のようなサポートのご依頼があることが、その現実を物語っていると思います。
やっぱり、中華料理に携わっている以上、同じ土地で生まれた酒と一緒にぜひ楽しんでほしい!という想いがあるのだろうなと思います。中国酒に携わってきた身としては素直に嬉しい!
話は戻りますが、中国酒を店舗の強みとして打ち出していくためには、「店舗イメージ」「接客力」が大切、と最初にお伝えしました。
店舗イメージとは、「ここは料理も美味しいし、中国酒も楽しめるんだよ!」というイメージを持ってもらうこと。
店舗さんがどのように中国酒ラインナップを厚くしていくかは、業態や価格帯、顧客層などによって変わると思います。
ただ、中国酒を厚くする分、他のドリンクメニューを削っていかなければスタッフさんの業務負担が増えたり、メニューが増えすぎて結局選ばれない、といった状況にも陥ります。
結局、メニュー全体を見直していかなければなりません。
このとき、どこまで中国酒にアクセルを踏み込んでいけるかもポイントになるんだろうなと感じています。
「中国酒が楽しめるお店」というイメージを持ってもらうためにもメニューバランスは非常に大事です。
例えば、僕が前に働いていたお店は「中国酒のお店」と完全に振り切っていました。
ウイスキーや日本酒、ワインを置いていませんでした。ほぼ、中国酒一本。
なので、以下のようなやりとりは多々ありました。
それでも、そのニーズには店舗として寄り添わなかったんです。当時は当たり前のように思っていましたが、振り返ってみるとすごく勇気のいることだとも思います。
このやり方がどこまで正しいのかはわかりませんし、やっぱりバランスは大事です。
ただ「中国酒が楽しめるお店」として認識してもらうためには、お酒のニーズを他のお酒よりもある程度中国酒で満たしていく方向性に踏み切っていかないと、なかなか難しいんだろうと思います。
中国酒が数種増えたからといって「中国酒のお店」にはなれない。サポートさせていただくお店さんとも、この辺りは煮詰め中です。徐々にシフトチェンジしてく方法もありますし。
そして、ここに付随して大切なのが、接客力。
中国酒は置いているだけではほぼ出ないため、接客力がかなり重要になってきます。
・・・とこの辺りでお店出勤の時間が迫ってきたで、この話はまたいずれ。
中国酒はあくまでツール(手段)であることを忘れずに(自戒)
今回サポートさせていただくお店さんとは、今の課題を共有させていただいた結果として中国酒強化をしていく、ということで認識を統一しました。
ただ、課題を解決するためには、中国酒の強化以外にもしかしたら他のベストな方法があるかもしれません。自分の専門でもある中国酒に捉われすぎないようにしなきゃ!と自戒の意味も込めてここに記録。
いろいろと偉そうに書きましたが、サポートする立場としてはまだまだまだ僕もひよっこです。一緒に意見を交換しながら、よりよい店舗作りに貢献していきます!
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