お待たせ、リスボン
人は2種類に分けられる:リスボンに行きたい人と、そうでない人。
私は前者。数年前にガイドブックはすでに購入していて、ずっと行ってみたいと思っていた #一度は行きたいあの場所でした。日本が東の果てならポルトガルは西の果て、日本にとっては最初の西洋文化との出会いのザビエル。みんな知ってる通りの外来語の始まりであるパンpão、コップcopo、ボタンbotão、タバコtabaco、シャボンsabão、そして天ぷらTêmporas
とは言ったものの、地名でも建物名でもよくみるSãoとかパンのpãoとかどうして日本語になった時に「ン」としてしまったんだろう。
pãoはパンではなくパオウ
sabãoはシャボンではなくシャバウ
Sãoはサンでなくサオウ
せめて「ン」ではなく、「ウ」にしてくれれば
pãoはパンではなくパウ
sabãoはシャボンではなくシャバウ
Sãoはサンでなくサウ
と近しい存在でいられたかもしれないんだけど日本には鼻音がないからやっぱり無理だね。最後に訪問したCascaisもカスカイスではなくカシュカイシュとS→SHの音になっているように聞こえて、どおりでポルトガル語、聞き分けられないはずです。
ポルトからリスボンへの特急内ではアメリカ人に囲まれていて、ポルトガルに旅行に来るアメリカ人の多さに気付かされました。日本中心の世界地図を見てるとあんまり気づかないけど、大西洋をひとっ飛びでヨーロッパに来る時に、最初のゲートはポルトガルなのかもしれませんね。色々世間話をしたアメリカ人のご夫婦はVirginiaから。そうか、アメリカでも東側だから余計に近いんだね。
おしゃべりしてて気づかず、間違って一駅前で降りてしまったんですが、リスボン到着です。Uber (Bolt)が安いのがありがたい。車の数の多さにはちょっと辟易しましたけどね。
ホテル
リスボンに到着してチェックイン、楽しみにしていたキッチン付きのCasa Amoraですが、期待していないと→おもいもよらず感動するということがある、しかしその逆パターンもあり、期待していると→思っていたよりも好きじゃなかったということがありますよね、そんな感じでした。
ホテル仕様ではなく、アパート部屋の集合体。常時するスタッフがなくオンデマンド(Whatsapp)で連絡をとる(朝ごはんの内容や時間など)という感じでした。お部屋は半地下でやや薄暗く、ルームフレグランスの香りにやられました(即、窓開放!)。立地もそれほど悪くはないし(セントラルではない)、静かな住宅街だし、朝ごはんもスタンダード、取り立てて非難する点はないのですが、また泊まりたいと思うような魅力には欠けていましたね(←ちょっと上から目線ですみません)。
見どころ
Calouste Gulbenkian Museum(おすすめ!)
リスボンの宝。「ミスター5パーセント」と呼ばれている男
石油王のグルベンキアン
の個人コレクションです。ミスター5%というのは、石油のシェルグループの5%の株式を持っている男、つまりとてつもないリッチマン(働かないでも収入がある金持ち父さん)ということですが、元々は石油商人の息子として生まれ、14歳の頃からコレクターとしての才覚を発揮し始めたのだそうです。
個人コレクションとしては世界最大の6000点。その数だけでなく、アートへの造詣が深く、集めたコレクションのクオリティの高さは世界で有名なものばかり。コレクションされたものも古代エジプト(2700BC)、ローマ(1C BC)、ギリシャ、イスラム、チャイナ、現代へと世界中の文化を網羅しています。チャイナ考古学に詳しい夫に言わせると、チャイナのコレクションはイマイチなのだそうですが、アジアは遠かったのよね、きっと。
ゆっくり見て回っても、大英博物館やルーヴル美術館ほどは大きくないので、目が回らず、じっくり吸収できるような気がするのもいいところです。またリスボン中心から少し離れているせいかあんまり混んでいないのもボーナス点加算。
Gulbenkian Museum内のカフェも人気で並んでいました。お茶をして休憩挟んでまたコレクションを見に戻り、一日楽しめます。
いつもだったら美術館でのお土産品を買ったりしないのに、今回は3点お買い上げ。
美術館の外はまったりとしている人々でなんとも気持ちの良い雰囲気
大きな木々もたくさんあるあまり作り込まれすぎていない自然なお庭でとても好感が持てます。
革命記念日
朝ごはんの時にカーネーションを持ってきてくれたスタッフに今日はポルトガルの革命記念日ですよ、と言われていたのにも関わらず心の準備不足、グルベンキアンからの帰り道にAvenida da Liberdadeが大勢の人で埋まっていて、びっくりしました。
1974年4月25日、ポルトガルにおける48年間の独裁政権に終止符を打った革命を記念する日、ということですが、意見を表明できる日、思っていることを言える日、なりたいものになることができる日、という自由の日でもあるのだそうです。しかも、
「2024年は特別です。ポルトガルが自由になってから50周年です!」
あああ. . . 。あとで気づいたのですが、私たちがちょうどリスボンを旅行中、どこに行っても人、人、人だったのはこの50周年という記念すべき祝日のせいで観光客だけでなく、ポルトガル人もお休みを取って家族友人たちとお出かけをする時期に重なってしまったに違いありません。
ここでのキーワードはポルトガル独裁者サラザール (Salazar)。
サラザールは政党政治の否定、新聞の事前検閲による言論の自由の圧殺、秘密警察による政治犯の拷問などのファシズム体制だったらしいです。1974年革命は、「サラザール亡き後のサラザール体制」といわれたカエターノ政権に対してのクーデター。民衆は兵士の銃口にカーネーションの花を差して無血で独裁政権を倒すことに成功したとのこと。それでカーネーションなんですね。
Baixa
市内中心部、Praça do comercioからPraça Dom Pedro IVまでのBaixa地区は白と黒の美しく小石が敷き詰められ、リスボンは都会やね〜、カッコいいね〜
目にとまるのは、大きな巨木に咲くジャカランダ(紫雲木)の花。ジャカランダは世界三大花木(美しい花の咲く木)の一つで、葉が出る前に、青紫色の花が咲くのです。夫はジャカランダはミャンマーで見たきり、初めてこんなにたくさん咲いているところを見たと言っていたし、私は初めて。感動。
Castelo de Sao Jorge
旧市街のAlfama、言わずと知れた観光地スポットナンバーワン。12世紀以前にポルトガルはイスラム支配下にありましたが、そのイスラムMoorsの建てたお城跡。丘の上に建っているので、眺めのためと遺跡巡りです。AlfamaのAl-もきっとイスラムの名残の名前だね。
夫はここは外せないと言っていましたが、私個人的には、う〜ん、来なくてもいいかな〜という感じ。でもエディンバラに来たらエディンバラ城に行かないとねと同じことかな。そういう意味では行くなら全体を見渡せる初日がいいかもね。
ここでね、入場券を買うときに並んでいたら夫が前の女性を指して、あのコート、いいね、と言うのです。見てみると前が長く後ろが短く、色がちょっと2種類になっているトレンチコートだったのですが、素材も軽そうで形もオサレ。ほんとだね、と同意をすると、
「excuse me, あなたのそのコート素敵ですね」
と声をかける夫。
彼女、ちょっと驚いたものの、嬉しそうになって
「さっき買ったばかり、市内のMangoで」
と言うのです、そして
「Mango + Victoria Beckham collectionよ〜」
ビクトリアベッカムがデザイナーになっていたとは知りませんでしたし、Mangoとコラボしているのもしりませんでした。
お城を後にして、次に向かったのはBaixaにあるMango。あったあった。
最近の私は用心深くなって、欲しいものは一晩寝かして考える。なので、その場では買わずに一旦お店を出ました。面白いことに、Mangoで試着している時には絶対欲しい〜と思ったのに、翌日その熱が全く失せていて、自分でもそう言う自分を面白いなと思いましたね。ゆるゆるジーンズ+クタクタスニーカーには合わなかっのでピンと来なかったのかもしれないし、こう言う都会的な格好、エディンバラではあんまり必要ないのよね。ビクトリアベッカムも私のロールモデルではないしな。他の人にはとても素敵でも、必ずしも自分に合うものとは限らないしね、それで購入はしませんでしたが楽しかったわ。
レストラン、カフェ、食べたもの
A Cevicheria
リスボンに来るまで知らなかったCevicheという食べ物カテゴリー。ペルー発の魚介類マリネなんですね。
ここで予約をしているかと聞かれ→していない
待てば入れるかと聞くと→多分
メニューを見せてもらいながらかなり待ったのですが、なんか入れる気配がないのと、後からやってきたお客さんたち(予約済み?)が入っていくし、日が暮れていくし
実は結局諦めました。
この近くにあったTapisco Lisboaにも行ったんですが、ここも満席、待っても無理とのこと。
う〜ん、やっぱり革命記念日50周年なんだなあ . . . どこに行っても混んでいる。
そこで宿泊先にはキッチンもあるしさ、最悪、何か買って帰ろうよとトボトボ帰り道に、honest greensを発見。
honest greens
ファーストフード店のようなカジュアルさのお店、カウンターでオーダーして支払いを済ませる形。ここ、とっても気に入ってしまいました。いつ行っても入れるし、野菜好きにはたまらない。特に旅行中は野菜不足になって気持ちが落ち着かないので、野菜たっぷりメニューがもう救世主。しかも2軒レストランで断られた後だし。
結局ここで2回食べたんですが、2回目の時は、夫からhonest greensに行こうよと言ってきて、私>>夫のお気に入りかと思ったら 夫>>私のお気に入りとも言えそうなほどのお気に入りだったのかな、あなた、そんなにこういうサラダみたいな食べ物好きだったっけ?と確認してしまいました。
夫に言わせると「こういう食べ物大好き!」な女子みたいな答えだったので、あらためて、家に帰ったらもっとこういうサラダを毎日作ろうと誓ったのでした。コツはナッツやごま系粒々を振りかけることと、いろんな種類をちょっとずつたくさん混ぜることかな、そうすると野菜もメインディッシュになるね。
そうそう、ころのすけさんに教えてもらって行きたかった鱈の家 A Casa do Bacalhau も❶歩いて行ける距離になく、❷電話が繋がらず、諦めました。我々のリスボンはあんまりレストランにはついてなかったかも。
Cafe Nicola
Praça Dom Pedro IVを眺める一等地にある1787年からあるカフェ。夫はどんなに観光客でいっぱいだったとしても、こういう老舗でお茶をしたい人なので、マークしておりました。
Ginjinha Bar
サワーチェリーのローカルなお酒チェリーブランデーを立ち飲みさせてくれるバー。近くに2〜3軒ありました。はなねこさん、情報ありがとう。
Prado
夫が老舗カフェ好きだとすれば、私はNouvelle cuisine (ヌーベルキュイジーヌ)系のモダンカジュアルレストラン好き。夫に、君ってこういう店が好きだよね〜とお尻ポンポンされたPrado。
Navegante
Portoで観光客向けのPorto cardとAndanteを使いきれなかったので、リスボンではLisboa cardは買わず、メトロの自動販売機で買えるNaveganteでリチャージしながら使いました。これでいいんじゃないかな。
このカードを使ってお隣地区、Belémまで行くこともできました。長くなってきたので、Belémは次の記事に。