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#短編小説
[log] 7月7日のお話
七夕だから、星でも見に行こうよ。
そう言って彼は私を誘った。
いわゆる"友達以上恋人未満"ってやつで、さらに言えば、トップアイドルの彼と、しがない一般人の私。
もし週刊誌に撮られても、彼にしてみれば、十分に釈明できる関係が保たれていた。
カーステレオが静かに、アコギの澄んだ音を響かせている。
運転席に座る彼の横顔は、いつもと変わらない。
私は、彼を好いていた。
[log]ひとりぼっちで泣かないで
「はぁ・・・」
部屋にたどり着き、ベッドに身体を投げ出して大きなため息を吐く。
これ以上ないくらいに重大なミスをして、これでもかってくらいに怒られて、挽回するチャンスすら与えられないまま、半ば強制的に帰宅させられた。
悔しいのと情けないのと疲れたので、本当に頭も心もいっぱいいっぱいだった。
カバンの中でスマホが鳴る。
重い身体を起こして画面を見ると、表示されているのは彼の名前。
「・・・