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男らしさの呪い&ストーカー化したマチスモおじさん 

尊敬できる男性、憧れる男性というのは昔から「男らしさ」にこだわらない人だった。

よく僕のnoteに出てくる講師の先生も、すごいフラットで誰に対しても平等だった。

ちなみにこの方、かなりの愛妻家でもあった。

日本はどうしても上の世代になるほど「男らしさ」へのこだわりが強く、「男らしく振るまうべし」と考えている人がまだまだ多い。

家父長制の影響を受け、それを疑うことなく育っている人が少なくない。

僕はロスジェネ、氷河期世代と呼ばれる世代なので、「男たるもの」という気持ちがあまりない。

うちは早くに父を亡くしているので、家族全員で家事をするスタイル。母から「男たるもの」「女たるもの」という教育を受けた覚えがない。

この環境が良かった。

うちの兄も料理や洗濯が好きで、毎日せっせと家事をしながら育児を楽しんでいる。

突然ですが、こちらは数冊の恋愛本を出版されている二村ヒトシさんの著書。

二村さんは常々「人として柔らかくなることの重要性」を説かれている。

柔らかさの反対は硬さ。

硬さとは、頑固の言い換え。

つまり特定の考えに捉われて、変われない人を指す。

「男らしさ」へ、過剰にこだわる人はしんどい。

男らしさの権化たちを集団化させれば、あっという間にホモソーシャル的な社会ができあがる。

世代間にこだわりすぎるのはよくないが、やはり上の世代の人は「男として」「父として」のように「〇〇は××であるべき」という「べき論」が強く、男らしさのがんじがらめになっているように映る。

前に恋愛サポートの仕事をされている人と話す機会があったのだが、「モテない男は決して自分を変えようとせず、モテる男は自分を柔軟に変えられるんです」という話を聴いた。

モテない男の僕は「なるほど!」と膝を打った。

確かに「俺は俺だから」とあまりに頑固な人間は、僕も付き合いたくない。

以前、こんなことがあった。その男性(以下O氏)は団塊の世代よりも少し下で、「新人類」と呼ばれた人達だ。

O氏はものすごく「男らしさ」に固執する人で、どこでも俺様のように振る舞うため、下の世代から顰蹙を買っていた。

がたいが良く、180cm以上身長があり体重も100キロを超えている

相手を威圧できるビジュアルの持ち主なので、みんな下手に出やすい。

そこが彼の自己愛の肥大に一役買ったのは間違いないだろう。

多くの人がO氏を敬遠しており直接、意見具申することはない。

彼に対するネガティブ意見が、直接、本人の耳に入ることは普段ない。

O氏の厄介なところは、真偽が定かではないものの、昔モテたことがあり、還暦を過ぎてからも「自分は昔と同じくらいモテる」と思い込んでいるところだった。

20代の女性がO氏にお愛想で優しくしたのだが、O氏は家庭が上手くいっていなかったこともあり、寂しさでこじれた精神を強引に埋めるべく、妙な解釈をしてしまった。
「この娘は俺に惚れこんでいる!」と、本気で思い込んだのだ。

ある日、女性が仕事を終えて職場の建物を出ると、スーツでビシッと決め、薔薇の花束を抱えたO氏が立っていた

女性は悲鳴を上げて、一目散に逃げたそうだ。

思い込みって怖い。

O氏は事実を捻じ曲げる達人なので、女性が嫌がっていることに気づかず「俺のアプローチに照れちゃって、かわいいなあ」と頬を緩ませたらしい。

ここまでいくと、完全にストーカーである。

大阪の天満のカラオケパブの、ガチ恋に狂ったおじさんの事件を連想させる。

我々はO氏に「彼女が嫌がることはやめた方がいい」と伝えたのだが、彼は「そんなわけがない」「俺はモテるんだ」の一点張り。

逆ギレしてふくれっ面になり、そっぽを向いてしまったので、こちらは閉口するしかなかった。

周囲から「女性を怖がらせるような行為を慎んだ方がいい」と繰り返し言われたこともあり、その後、O氏のストーカー行為はストップし、女性は無事だったが、さぞ恐怖を覚えたことだろう。

そういえばO氏が年下の人間に、「ありがとう」「ごめんなさい」と言ったことは、ついに一度もなかった。

もちろんO氏のような人間はレアで、この世代の代表として語るのは無理があるし、さすがにバイアスがかかりすぎだ。

O氏の奇天烈な行動が強烈すぎて、「男らしさへの固執」から逸脱した気がしないでもないが、「男だから」「女だから」と、こだわりすぎると、ろくなことがない

性別にこだわりすぎず、ひとりの人間として、相手をフラットに捉えた方がいい。

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