自己執着ではなく、自己の生き方に集中することで人生が豊かになる理由
自己執着と自己への集中は、一見すると似ているが全くちがう。
自己執着の強い人は、滞りを生む。
自己執着が強くなりすぎると、誰かといても常に意識が自分に向くようになる。そうなると、この地球上にいながら、まるでひとりで生きているように見えるほど、自己中心的になる。
学生時代の同級生と下校時にマクドナルドへ行っていた際のことだ。
同級生の男は、僕と会話しながらも目線が合っていない。
「おかしいな?」と思っていると、僕の背後になる鏡に映る自分に見惚れながら僕と会話していた。彼は「自分が他人からどう見られるか?」にいつも関心が高く、人の話に耳を傾けず一方的に話し散らかすタイプだった。
自己執着が強い人は、他者よりも自分にばかり関心が向きやすくなるので、なかなか好循環を起こせなくなりがち。
承認欲求が膨らみすぎると「誰かから褒めてもらえるんだったら、自分の気持ちは関係ない」と、本心ではやりたくないことに力を注いで、その結果、疲弊することも。
つまるところ自己執着とは、他人軸なのだ。
一方、自己への集中はどうだろう?
「自分にばかり集中しすぎると、他人がおざなりになるかも?」と思われる方がいるかもしれない。
しかし自己への集中は、没頭。
自分がやるべきことに集中しているので、こちらは自分軸である。
自分にしか関心のない人が自分のほめられたい欲のために涙ぐましい努力をするのと、他者に関心を抱ける人があえて自分の人生に集中することとは天と地ほどちがう。
しかし、ひとつの景色や状況だけを切り取ると、類似しているように映るかもしれない。
「自分の人生に集中する」というのは、人生最大のリソースである寿命を「何に費やせば、悔いがないのか?」を理解している人にしかできない行為だろう。
だからこそ、不要なものを目を向けず、瞬間瞬間に没頭できるにちがいない。
自己への集中は、いつもマインドフルである。