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HSPへの推奨本『自傷的自己愛』から学ぶキャラの重要性

精神科医の斎藤環さんが2022年末に出版された「自傷的自己愛」を紹介させていただきます。

斎藤環さんは、引きこもりの専門医。これまでに何冊も引きこもりに関する著書を出されています。

「自傷的自己愛」とは、斎藤さんが生み出した造語なのですが、自己愛的な執着が強すぎる人が、自己執着しすぎるあまり自分を責め続けるという意味。

自己愛自体はネガティブな意味合いで使われがちですが、全員に備わっているものですし、自分を好きでいられることは重要です。

kindle書籍の第1冊目の拙著の中で、

自己愛さんは「自信のない自分と尊大なイメージの誇大自己の間で、慌ただしく揺れ動く」といったことを書きました。

歪な自己愛を持つ人は、「俺は唯一無二の特別な存在」というファンタジーの中で生きています。

このように自分に捉われ、こじらせて横柄に振る舞う人も、自信がないように見えて自分をディスリ続ける人も、実は「自己執着が強すぎる!」という意味では同じなのかもしれません。

キャラとは自分の一部のデフォルメと全体化

斎藤環さんは、承認欲求によく言及されています。

「承認欲求を否定せよ」「他者から承認される存在になろう」など、近年、承認欲求という言葉をよく目にするようになりました。

斎藤さんは「スクールカーストの中で、他者から承認されるためにはキャラが必要になる」といったことを述べられています。

キャラを辞書で調べると「性格、人格」という意味の他に「記号」とありました。

斎藤さんが定義されるキャラとは、記号的でわかりやすいものという意味です。

ちょっと懐かしいですが「パリピ(パーティーピープル)」という言葉があります。

陽キャと称されるパリピが電車で本を熱心に読んでいて、その表紙を見たら「ネガティブな自分を変えるには?」的な自己啓発書だったという嘘か本当かわからない面白話があるのですが、
明るいと言われる人も明石家さんまさんのように四六時中、明るく振る舞い続けらるものではありません。

たまには「ふうっ…」とため息をついたり、ひとりでぼうっと過ごすこともあるでしょう。

キャラとは、その人が持つ一部を切り取って全体化したようなもの

自分でありながら「自分の全てか?」と問われたら、「そうではない」という、なかなかややこしいものですね。

タレントは、意図的にキャラ化して、キャラで仕事を得る職種。

それが一般の人達にも浸透しているのが興味深いです。

HSPは複数のキャラを使い分けられたらいいかも?


HSP気質の人は優しい方が多いので、つい強引な人やグイグイ来る人、搾取的な人、失礼な人を引き寄せてしまう面があります。

僕も長い間、そういった人達との関わりが悩みの種でした。

それで自分の中にある「やったろかい!」な部分。言うならば闘争的なキャラを無理やり作り上げて、厄介な人達が来た時にそのキャラで迎撃する習慣をつけました。

迎撃といっても派手にやり合うわけではないのですが、「あっ、この人ちょっとヤバイかも!?」と感じたら、あえて能面のようになりポジティブなストロークを一切返さないなど、こちらも失礼なキャラになり迎え撃つのです。

これが結構、有効であることがわかりました。

前述したように、キャラはその人の一部であり全てではありません

優しすぎる人は、攻撃的なキャラの種すら持っていないことも少なくないのですが、
もし少しでも「そっちがその気なら、やったんぞ!!」という勝気な要素が見つかったならば、そこを意図的にデフォルメすることで、自衛につながるかもしれません。


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