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005:「アロマティック・レメディーズ」と言う考え方

そもそも、アロマテラピー(芳香療法)の歴史は、紀元前まで遡る事もできますが、医学の父、アリストテレス以前の芳香植物、芳香物質の使用から、薬用植物として研究され、ハーバリスト(いまでいう薬剤師でいいでしょう?)を経て、蒸留法が確立し「エッセンシャルオイル」が抽出できるようになり、この「エッセンシャルオイル」に薬理作用があるのではないかと、しかるに、「芳香療法」なのだと。ガットフォセが書籍を発行したところから、近代アロマテラピーの歴史は始まると思います。

つまり、ほんのつい最近のことかと。

ガットフォセ(化学者)から、バルネ医学博士とフランスでは医療分野での臨床が進んだことは確かですが、一般市民が「メディカルアロマセラピー」を行うことはできません。あくまでも、医師、ついで、薬剤師が、その教育課程で学んで使用するから「メディカルアロマテラピー」なのですが、これをもっと一般的に広められないか?と言う手法で、いまでいうところの予防医学(予後のケアも)に活用していったのが、英国のホリスティックアロマテラピーの歴史です。
歴史と言っても、これを書いている2022年現在、まだ、40年に届いていないと思いますが。

もちろん、アロマセラピストのサロンでホリスティック・アロマテラピーを受けていただくのは、とても有効です。しかし、アロマテラピー自体が、とても穏やかに作用するように設計されたこの手法は、ホームケアとして、サロンに来ない日のケアも続けてもらって、サロンに来た日の良いコンディションを出来るだけ、次のサロンの利用日まで継続してもらいたい。と考えると、自宅でのセルフケアはとても重要です。
実際、IFA(国際アロマセラピスト連盟)の認定アロマセラピストとなるための試験には、クライアントが実行できる範囲のホームケアの「アドバイス」と「その指示の出し方(話し方)」に対して査定がありました。
実際にクライアントの実行率と成果ももちろん加点対象です。
そうなると、もっと手軽に家庭の医学の薬箱に入っててほしいな。と言う考えに、おのずとなっていきます。
家庭の医学の薬箱に入っているもの。
それがアロマティック・レメディーズ、日本語ならアロマクラフトです。

「フランス式」の本物の「メディカルアロマテラピー」は、処方が必要なので、レメディーズにはなりません。まして、遮光瓶から「エッセンシャルオイル」を飲み物に滴下して飲む。など、ありません。

イギリスのホリスティック・アロマテラピーでは、西洋医学が病巣と病態だけを診がちだったことに対して、クライアントの人間全部と対面しているため、ホリスティックな考え方で、心と身体、そして、スピリット、エネルギー、エモーションと、その人の全部を包括してアロマテラピーを行うので、解剖生理学、トリートメント法の理論と実技、精油の知識としての化学や病理に対する精油の臨床例などを学習してきます。

それでも、ビューティーセラピストのほうが、簡単で儲かるので(笑)つい、リラクゼーションやエステティックなアロマテラピーに乗っかりがちですが、あるいは、お高級なエステと思っている方が、旅行土産に1回ホテルで受けてみよう。と言う感覚の方も多く、日本ではリラクゼーションだとか、エステティックだとか、思われている事が多いです。

でも実は、ホリスティック・アロマテラピーを学んでいる事で、医者が対応できない部分、医療が担えない部分を、担う事ができます。
つまり、補完医療(コメディカル)と言う活動方法です。

しかし、最初っから、解剖生理学を受けている事が前提と言う話では、一般の方には、アロマテラピーが遠い存在になってしまいます。だからこそ、アロマティック・レメディーズでおしゃれに、簡単に、アロマテラピーを身近に感じてもらえる、これは、我々の努力的歩み寄りなのです。

今日の占いで「◯◯座のあなたは△△がラッキーです!」と言う星座占いは、実は、生まれた時に地球から見てどの星座の方角に太陽があったか?と言う、とてもざっくりとした簡易的なものです。本来は、出生時間と場所からネイタルチャートを作り、この物質世界に存在するようになったその瞬間の全天の惑星配置を見るのが西洋占星術です。これは、統計学としてもかなり精密で正確です。

アロマテラピーも同じで、頭痛には◯◯!と言う精油や、レメディーズは、万人向けに考えてはいますが、実際にご本人の体質、体調、ライフスタイルなどを伺うことから、頭痛の原因を推理して、既往症に影響を及ぼさないよう吟味して「精油」を提案させていただくと、先の頭痛には◯◯!は、全然該当しない。と言う事もあります。

私たち、アロマセラピストは、その為に研修を積み、臨床を積み、カルテを残し、クライアント様の体調管理をサポートさせていただくのが責務と承知しております。
アロマショップで購入したレメディーズ(日本語ではアロマクラフトが浸透しているかも?)では、違うな。と思っても、それがアロマテラピーではありません。
是非、コンサルテーション能力のある、コメディカルな活動をしているアロマセラピストを、『かかりつけアロマセラピスト』として、見つけてください。

自分だけのレメディーズを作ると、とても有効のようで、オルカでもお客様に「前回と同じものをホームケア用に作りたいです。」と言っていただくこともあります。もちろん、お受けしています。

おそらく、IFA認定者や、IFPA認定者なら、持病があっても、妊産婦でも、高齢者でも、障害者でも、担当医の承諾があれば、きちんと対応できるアロマセラピストがいると思います。コメディカルな活動を志している話は聞くので、それぞれの場所で頑張っていらっしゃるのではないかと思います。
担当医の承諾があってもビューティーしかしていない人もいるので、それは、ごめんなさい。そこは、あくまでも個人の志しの問題なので、他を当たってください。と言うことで、「アロマティック・レメディーズ」またの名をアロマクラフトの話でした。

以下、IFAとIFPAの日本語公式サイトのご紹介。

IFAは日本語サイトを持ってはいますが、ボランティア翻訳なので、ちょっとネイティブ日本語的には違和感がある事もあります。すみません。
って、私が謝ることでもないのですが。

IFPAは日本語支部が存在しているようですが、サイトはあくまでもロンドンで日本語対応している様子です。


ご支援ありがとうございます。いただいたご支援は精油の購入や「アロマケア」の臨床研究費としてありがたく頂戴して、研究成果を発表していけるように頑張ります。今後ともよろしくお願いします。