運動会での多段ピラミッドを止めましょう
もはや時代遅れというレベルではないと思いますが、未だに多段ピラミッドを運動会の演目として強行している小学校があるようです。
いつの間にか日本全国の学校で流行して、怪我人が続出して批判が高まり、流行が下火になってここ数年で急激に無くなってきたはずなのですが、東大阪市では我関せずに小学校では行われているとのニュースがありました。
7段ピラミッド予定の小学校「集団作りの効果はある」 東大阪市で今年も2校...1校は中止
https://www.j-cast.com/2019/05/30358846.html?p=all
組体操を巡っては、ピラミッドが崩れるなどしてケガをする事例が多数報告されている。中には死亡事故もあり、スポーツ庁は2016年3月、安全な状態でなければ実施しないよう各自治体に通知した。
小学校運動会で7段ピラミッド 東大阪市、吉村知事は反対
https://mainichi.jp/articles/20190530/k00/00m/040/246000c
吉村洋文・大阪府知事は府庁で取材に応じ、「重大な事故が現実に起きている。考え直す時期だ」と反対の立場を示した。府教委が対応を検討する。
スポーツ庁からの勧告にも耳を貸さず、府知事の反対も無視して強行する俺かっこいいとでも教師は思っているのかも知れませんが、それなら児童ではなく教師達自身がピラミッドを作れば良いんじゃないかなと思います。おっさんおばさんのピラミッドに何の価値もありませんが。
学力テストや国旗国歌の問題で学校の自治が失われるとか教師の人権侵害だとか訴える教師や団体は未だにありますが、ピラミッドに関しては政府・自治体・首長・教育委員会の反対を無視して実行できるのだから日本の学校現場の独立性は非常に高いはずですよね。児童達の危険と引き換えの自由ではありますが。
逆に政府・文科省もここは強制力を発揮して欲しいところです。あるいは、未だに多段ピラミッドを強行する小学校の運動会に文科大臣が乗り込んで中止を宣言するくらいのパフォーマンス見せたら良いんじゃないでしょうか。
このニュースの中にあった考え方で怖いのが、この危険なピラミッドの演目を通じて、「集団作りの効果はある」という理屈です。団結力を高めるために危険な行為を強要して、「自分がミスをしたら他人が怪我をする」という強迫観念を植え付けて言うことを聞かせるのは軍隊の規律を高めるために行う手法だと思いますが、朝日新聞あたりには「軍靴の音が聞こえる」といって日教組とかと批判合戦を繰り広げて欲しいところです。
そもそも、団結力を高めるためにピラミッドを作るのではなく、団結力が高い集団がピラミッドを作る、という考えが本筋のはずです。例えば、自衛隊とか消防隊がイベントでのパフォーマンスとして高いピラミッドに挑戦してみせる、というのは良いと思います。普段の訓練を通じてもっと危険な行為を行っていますし、団結力が既にあるでしょう。しかし、クラス替えして2ヶ月程度の小学生がピラミッド作りを通じて団結力を高めるというのは本末転倒です。危険性と引き換えにしないと団結力を高められないのは教師の指導力不足でもあります。
しかし、ここまで世間的に問題視されていても平気で実施する学校というのは、浮世離れしていると言われてもしょうがないでしょうね。