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公共放送と国営放送と受信料とスクランブル放送

先日の参議院選挙で「NHKから国民を守る党(以下、N国党)」が政党要件を満たして議席も獲得したことでNHKの在り方に今後注目が集まるのではないでしょうか。

公共放送という立場で事業を行い、受信料を広く徴収する一方で様々な問題を抱えています。国民全体に存在するNHKに対する不信感が、N国党への投票につながったのだと思います。

受信料を半ば強制的に徴収する一方で、様々な理由で徴収されていない人もいます。

N国党・立花代表断言していた「国民半数がNHK受信料未納」
https://jisin.jp/domestic/1758997/
「会見後、私になんで義務化なのか! という問い合わせが多く寄せられました。それは、裏を返せば受信料を払っていない人たちがそれだけ多くいるということです。NHKは約70%と発表していますが、実際に受信料を支払っているのは、約50%ぐらいでしょう」

70%なのか50%なのかも問題だと思いますが、そもそも70%しか徴収できていなかったとしても問題でしょう。そういう意味では、N国党の主張するNHK放送のスクランブル化は料金負担の不公平感を無くす対策としては妥当だと思います。

NHK受信料“闘争”にケリをつけるスクランブル放送の導入を
https://jisin.jp/domestic/1741708/

こちらの記事では支払率は82%となっています。カーナビだろうがスマホだろうが何でもかんでも受信料徴収の理由にするのなら、支払った人間に対して正当な権利が生じなければおかしい話です。

スクランブル放送に対しての反対意見として、総務大臣が

石田総務相「NHKスクランブル化は放送制度を崩しかねない」
https://www.sankei.com/economy/news/190723/ecn1907230018-n1.html
石田氏は「NHKには、災害報道や政見放送など、公共放送の社会的な使命を果たすことが求められる中で、その財源を国民から広く公平に負担いただいている」と受信料制度の趣旨を説明。

と発言していますが、受信料全てが災害報道や政見放送など国民に広く提供されなければならない放送に使われているわけではありません。NHKの放送を見れば分かることです。

大規模自然災害が起きたときにNHKの視聴率は跳ね上がります。そういう非常時にはNHKを観るという習慣が国民に広く根付いているのは間違いありません。しかし、現在のNHKの規模や受信料金が必要最小限として設定されているわけでもないでしょう。

総務大臣がいうような、公共放送としての社会的な使命に基づく放送内容だけに限定すれば、地上波・衛星放送・AMラジオ・FMラジオ全て1チャンネルずつで同じ内容を放送していればいいでしょう。非常事態がないときは、ニュースと天気予報と国会中継だけやっていれば良いはずです。民放に任せられる内容は民放に任せるべきです。

そして、災害報道や政見放送など日本国に在住している人のために存在している放送局なのであれば、「公共放送」という中途半端な立ち位置ではなく、国営放送にして100%税金で運営すればいいのではないでしょうか。もちろん受信料は無くなります。全従業員は公務員扱いになります。国民全員が治めた税金から国営放送の運営費用を出すのであれば、受信料徴収の不徹底さやスクランブル放送も必要無くなります。

本当にNHKが「災害報道や政見放送など」のために存在しているのであれば、規模を大幅に縮小してそういった内容のみ制限出来るはずです。それなら税金で運営したとしても、今のような受信料金よりも国民一人あたりの負担は大きく減るはずです。それなら納得出来ます。同じ国営放送のBBCみたいに1日中ニュースを流しているような放送局でいいでしょう。

そもそも、「国民に対して必要な情報を提供する」ことが目的なのであれば、放送局という形態にこだわる必要も無いでしょう。テレビ・ラジオに加えてネットでライブ配信というのも選択肢があってしかるべきです。テレビ局・ラジオ局でないといけないという理屈も今の時代ではおかしいでしょう。国民が知るべき情報を素早く伝えるのであれば、今や国民の大半が所有しているスマートフォンで見られる形式で情報を提供するのが、「公共放送の社会的な使命」ではないでしょうか。

NHKを大幅に縮小して国営放送化したとして、もう一方でお堅いニュースや災害放送・政見放送などを切り離した、第二NHKとでもいうべき部分も国民が任意に支払う受信料によって成り立たせればいいでしょう。それこそスクランブル化しようがしまいがどうでもいい話です。なんせ見たい人だけがお金を払って見るのですから。当然ながら、国民に必要な情報は国営放送の方に存在しますから、第二NHKの方は受信料を強制的に徴収する権利を持ちません。民放各社とドラマやバラエティやドキュメンタリーの分野で大いに競争して経営すればいいでしょう。そっちの方は速攻で潰れそうな気もしますが、潰れたところで国民的には大した影響はありませんから。

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