国立国際美術館で開催中の「ヤン・ヴォー展」を観に行きました
日本のみならず世界的にようやく少しずつ社会活動が復活しつつあります。美術館などもいろいろと制限がありながら再開していますが、今回は中之島にある国立国際美術館に行ってきました。
ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ
http://www.nmao.go.jp/exhibition/2020/danh_vo.html
現代美術は全然知らないのですが、「ヤン・ヴォー展」に行ってみました。
ヤン・ヴォー氏はベトナム戦争終戦の年に生まれた芸術家で、ボートで脱出してデンマークに移住し、ドイツで学んで今ではメキシコに移住されたそうです。
バックグラウンドを考えるとやはりベトナム戦争やアメリカ合衆国へのいろいろな思いがあるのだろうな、と思ってしまいました。もちろん、単なる恨みを晴らすような作品には見えませんし、そもそもアメリカ国防長官マクナマラの遺族との協働の作品もあります。キッシンジャーの書簡とか、ケネディ政権閣議室のイスを解体して作った作品などもありました。
それらアメリカ・ベトナムを取り上げたものだけではなかったですが、個人的に一番印象に残ったのはスーツケースに入ったキリスト像ですかね。他にも殉教者を扱った作品もありました。
現代美術・現代芸術を見ると思うのですが、作品を鑑賞して綺麗とか面白いとか興味深いとかいう感情ではなく、作品を解釈する中で自己を振り返り、また解釈という行為そのものを取り除いて作品・作者・鑑賞者の間で思考が入り交じるような感覚を受けます。
ちなみに、国立国際美術館ではコレクション展として線描を扱った展示も行われていました。
コレクション1:越境する線描
http://www.nmao.go.jp/exhibition/2020/col1_2020.html
国立国際美術館の構造上、特別展を見た後すんなりと他の展示も見ることが出来るようになっているのは良いですね。
ちなみに、今年は国立国際美術館では
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
https://artexhibition.jp/london2020/
こちらも行われる予定です。当然ながらこれも会期が変更になってしまったのですが、中止にならなかっただけでもありがたいですね。