世界合計1200万DLのスマホゲーム「クラッシュフィーバー」運営会社【ワンダープラネット株式会社】のビジネスモデル調査と人事課題推測
最終更新日:2024/4/5
当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。
資金調達額の推移
⇒累計資金調達額: 30億円以上
常川社長が筆頭株主であり、株式シェア16%を有している。
企業概要
事業概要
ワンダープラネットはスマートフォンを中心としたスマートデバイス向けアプリ・ゲームの企画、開発、運営、販売を行うエンターテインメントサービス事業を展開している。アップルやグーグルが運営するプラットフォーム等を通じてゲームタイトルを提供する。
ビジネスモデルの図解
事業における強み
多様コンテンツ保持によるリスクヘッジが強みである。日本国内だけでなく海外へも展開しており、モバイルゲームがゲーム市場の大半を占める中国では中国語コンテンツを配信している。
1. 完全オリジナルタイトルである自社開発タイトル
・世界合計1200万ダウンロード 「クラッシュフィーバー」など
2. 他社IPを用いた自社開発タイトル
世界合計1100万ダウンロード 「ジャンプチヒーローズ」など
3. 他社開発タイトル
海外での「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」など
想定用途・市場規模
該当市場として、スマホ向けアプリ・ゲーム市場を想定した。
【市場規模の推定】
世界のモバイルゲーム市場:約7兆7,255億円(2020年)
困難な情勢下でも、2019年から約5,400億円増加した(前年比7.5%増)。
アジアのモバイルゲーム市場:4兆2,432億円
前年比は3.5%増、他のヨーロッパ・北米市場が前年から約20%増加しているのに比べると、成長率は鈍化している。
【市場全体のトレンド】
巣ごもり需要による2020年のゲーム市場は大幅に拡大した(前年比19.6%増加)。さらに、物流の影響を受けにくいモバイルゲームの2020年の市場規模は9兆664億円に伸びた(前年比25.6%増加)。
【ベンチマークとなる企業】
総合型ゲーム会社:スクウェア・エニックス・ホールディングス、バンダイナムコホールディングス、コナミホールディングス、ガンホー・オンライン・エンターテイメント
スマホ向けゲーム会社:ミクシィ、DeNA、グリー、コロプラ、Klab、アカツキ
マネタイズに関して
【キャッシュポイントの額と頻度】
主な収益は、エンドユーザーによる課金から、プラットフォーム手数料や開発費用を差し引いものである。ゲーム内での一部アイテムの獲得や機能拡張を行う際は、月額での課金が必要となるフリーミアムモデル型のサービスを提供しており、ゲーム内課金で利益を得る。
【固定費】
広告宣伝費、人件費
【変動費】
労務費、プラットフォーム手数料、外注費
経営層
代表取締役社長CEO:常川 有樹
取締役CPO 名古屋スタジオ管掌:鷲見 政明
取締役 CGO:久手堅 憲彦
取締役CFO:佐藤 彰紀
公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員
取締役会長:石川 篤
社外取締役:和田 洋一
社外取締役:手嶋 浩己
常勤監査役 社外:毛利 泰康
スキルマトリクス
ミッション
メッセージ
ファンのFUNを、いちばんに。
誰かや何かを大好きなファンに、もっとFUN(楽しいね!)を届けたい。
つくり手の想いをこめた、世界中の多くの人に喜んでもらえるものを。
だから私たちの事業は、ソフトウェア開発ではなく「エンターテインメントサービス」。
いま目の前にいる「あなた」が、ワンダープラネットの「いちばん」です。
ミッション
楽しいね!を、世界中の日常へ。
私たちの使命は、世界中の一人でも多くの人々の日常に、家族や友達と「楽しいね!」と笑いあえるひとときを届けることです。国・言語・文化・年齢・性別などあらゆる壁を越えて誰もが楽しめるプロダクト・サービスを創り、コミュニケーションを通じた「笑顔」を世界の隅々まで広げていきます。
人事制度設計
【採用】
・新卒採用:有
・中途採用:有
・媒体 :自社HP、Wantedly
・採用職種:エンジニア、企画職、デザイン職、マーケティング、コーポレート職
【等級・配置】
記載なし
【評価制度】
記載なし
【報酬】
・報酬水準:平均年間給与499万6000円
・月例給構成
新卒:300万〜(45時間/月相当分の残業手当を含む)(年俸制)
【教育】
記載なし
【その他、福利厚生など】
・各種社会保険完備
・通勤交通費支給(月3万円まで)
・業績連動賞与
・従業員持株会
・ピアボーナス制度
・勤続手当
・リモートワーク手当
インターン生による考察
事業について
参考にしているKPIとしてDAU (Daily Active User) 一日でゲームをプレイするユーザー数、ARPU (Average Revenue Per User) 一人当たりから得る収益、Paid Use Rate (PUR) 課金プレイヤーの割合の3つが挙げられていたが、売り上げの95%が「クラッシュフィーバー」と「ジャンプチ ヒーローズ」であり、インターネットサイト「セルラン分析」によると、「クラッシュフィーバー」の売上は停滞している。他の収益柱となるコンテンツを製作できるとより安定性が高まると考えられる。
ガバナンスについて
取締役の方々は従業員からではなく取締役としてジョインしているため、独立性が高く、ガバナンスが機能していると考えられる。しかし海外売上高比率が35%ほどあるが、ガバナンス体制は海外を意識しているものではないようにみられる。このことから海外を強く視野に入れたガバナンス体制の構築が必要ではないかと考えられる。
人事制度について
2017年3月から、チーム一丸となって目標達成を目指す風土を作るためにOKR運用を導入している。
MBOではなくOKRを導入しているということから、面談頻度などを多くして、変化に対応しやすく柔軟な組織を目指していると考えられる。
規模が大きくなるにつれて、企業の求心力を失わないための採用と企業理念の浸透が課題となると考えられる。
※この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:TOY、SHO
最後に
スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら
弊社代表平康によるCGCとスキルマトリクスに関する記事はこちらから
【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。