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国内ロボアドシェアNo.1【ウェルスナビ株式会社】のビジネスモデル調査と人事課題推測

最終更新日:2024/4/5

当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。


資金調達額の推移

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⇒累計資金調達額は約148億円

企業概要

2020年12月に東証マザーズに上場している。
2021年7月時点で、預かり資産5,000億円を突破した。

設立日 :2015年4月28日
資本金 :14億3000万円(2021年3月末日時点)
本社拠点:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-22-3 渋谷東口ビル

事業概要

ウェルスナビは誰もが世界水準の資産運用をできることをめざし、「長期・積立・分散」の資産運用を全自動化したオンラインサービス「WealthNavi」を提供している。証券会社や銀行との提携パートナー事業である。

ビジネスモデルの図解

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事業における強み

1. ロボアドバイザー業界1位で、高い知名度を誇っていること
知名度が高い要因として、早い段階から多額の投資を受けており、広告宣伝費を多くかけていることが挙げられる。
※上場前の2019年度は営業収益15.3億円に対して広告宣伝費15.8億円
2. 顧客の多さ
SBI銀行、東京海上日動、ANAなど提携パートナー企業が多く、顧客の流入が多い。
3. ストック型のビジネスモデル
安定的にキャッシュ流入が見込める。明瞭な手数料や透明化された資産運用アルゴリズム、リバランス機能付き自動積立、自動税金最適化の機能が効果を発揮している。

市場規模

該当市場として、資産運用型ロボアドバイザー市場を選定した。

【市場規模の推定】
投資一任型の資産運用ロボットアドバイザー市場
:約110万口座(2020年)
 ⇒260万口座(2023年予測)

市場全体のトレンド】
当市場は拡大傾向にある。その要因として、最低投資金額の引き下げやネット銀行・証券との連携など利便性の向上、若年層の資産運用への関心の高まり、プロモーションによる認知の広がりが挙げられる。

【ベンチマークとなる企業】
マネックス・アセットマネジメント株式会社
株式会社お金のデザイン
楽天証券株式会社

マネタイズに関して

【キャッシュポイントの額と頻度】
WealthNavi利用者からの手数料を利益として得ている。
手数料は、毎月引き落としで設計されている。

【固定費】
広告宣伝費、人件費、管理費(サービス保守・運用)

【変動費】
特になし

経営層

代表取締役CEO:柴山 和久

1977年 生まれ
2000年 大蔵省(現 財務省)入省
2009年 NSEAD(フランス)でMBA取得 
2010年 McKinsey & Company Inc. Japan入社
2015年 ウェルスナビ株式会社設立、代表取締役CEO就任(現任)

取締役CFO:廣瀬 学

1979年 生まれ
2001年 日本ヒューレット・パッカード株式会社入社
2006年 IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社入社
2007年 ドイツ証券株式会社入社
2014年 株式会社トライフォート入社
2018年 クレディ・スイス証券株式会社入社
2019年 ウェルスナビ株式会社入社 
2020年 同社 取締役CFO就任(現任)

社外取締役:東後 澄人

1981年 生まれ
2005年 McKinsey & Company Inc. Japan入社
2010年 Google株式会社(現Google合同会社)入社 
2013年 フリー株式会社入社
2013年 同社 取締役就任(現任)
2020年 フリービズ株式会社 代表取締役就任(現任)
2020年 ウェルスナビ株式会社 取締役就任(現任)
2021年 株式会社AFJ Project 取締役副社長(現任)

社外取締役:尾河 眞樹

1971年 生まれ
1994年 ファースト・シカゴ銀行東京支店(現 JPモルガン・チェース銀行東京支店)入社
2000年 モルガン銀行東京支店(現 JPモルガン・チェース銀行東京支店)入社
2001年 ソニー株式会社入社
2007年 シティバンク銀行株式会社(現 株式会社SMBC信託銀行)入社
2016年 ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社 執行役員兼金融市場調査部長 チーフアナリスト(現任)
2016年 SBI大学院大学 グローバル金融市場研究会 研究員(現任)
2017年 ソニー銀行株式会社 取締役(現任)
2021年 ウェルスナビ株式会社 取締役就任(現任)

常勤社外監査役|榎本 明

1953年 生まれ
1977年 株式会社東海銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)入行
2002年 株式会社UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)執行役員市場営業部長 就任
2006年 同社 常勤監査役就任
2010年 日本住宅無尽株式会社 取締役副社長就任
2011年 同社 代表取締役社長就任
2016年 株式会社伊藤建築設計事務所 非常勤監査役
2016年 新東昭不動産株式会社 非常勤監査役(現任)
2016年 日本住宅無尽株式会社 取締役会長 就任
2017年 同社 顧問
2018年 ウェルスナビ株式会社 社外監査役就任(現任)
2020年 エムエスティ保険サービス株式会社 非常勤監査役就任(現任)

スキルマトリクス

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⇒創業者を除いた取締役による株式保有が見られないことから、取締役の独立性は高いといえる。また、ビジネス領域と親和性の高い金融スキル保有者を多く抱えている。

※スキルマトリクス図とは取締役の素養・経験及び取締役会におけるバランスを一覧表にまとめたものである。各社で開示されているガバナンス内容を元に僭越ながら推測させていただいた。要求水準・選定定義に関しては企業により差が生じるため、ここではCGCで求められている水準・選定定義を基に設定した。

ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション
働く世代に豊かさを

豊かな未来に向けた確かな針路が、不確実な時代だからこそ、求められています。
私たちは、働く世代が豊かさを実感できる社会を実現します。

ビジョン
「ものづくり」する金融機関

私たちが目指すのは、新しい金融インフラの構築です。 それは誰もが安心して気軽に利用でき、世代を超えて使われ続けるもの。
エンジニアやデザイナーと金融の専門家が手を携え、いままでにないサービスを創っていきます。

3つのバリュー
➀誠実に、正直に、お客様のために便利で使いやすいからこそ、信頼できるサービスを
不器用かもしれませんが、誠実に、正直に。 私たちは、お客様の利益を最優先していきます。
➁助け合おう、向き合おう
ひとりひとりが自立し、お互いをリスペクトする。 足りないところを助け合い、感謝の心を忘れない。
チームの力をあわせ、ひとつの目標に向かっていきます。
➂一歩を重ねて、大きな前進を
必要なことを、コツコツと、地道にやり切る。 毎日一歩ずつ、着実に前に進めていく。
この積み重ねが大きな成長につながると信じています。

人事制度設計

【基本情報】
・従業員数:91名(2021年3月末日時点)
・役員人数:7名
・勤務時間: フレックスタイム制(コアタイム10:00~16:00)
       時間外労働有(月平均10時間程度) 休憩時間60分
・休日:土日祝日、年間有給休暇10日~20日(2年目15日、3年目以降25日)、年末年始、特別休暇、その他会社が定める休暇

【採用】
・新卒採用:記載なし
・中途採用:有
・媒体  :自社HP、doda、Indeed、green
・採用職種: リスク・コンプライアンス、シニアリクルーター、チャネルマーケティングスぺシャリスト、エンジニア、デジタルマーケティングスペシャリスト、SREプロジェクトマネージャー、クオンツアナリスト、マーケティングストラテジスト、コピーライター、プロダクトマネージャー、UI/UXデザイナー、カスタマーサポート、プロダクトマネージャー、マーケティングディレクター、サイバーセキュリティ・社内IT担当、セミナー講師
・求める人物像:
「お客様と同じ目線に立ち、お客様の利益と利便性を将来にわたって、最優先する」ことを約束し、最高のサービスを提供できるよう、チーム一丸となってサービスを開発できる人物

【等級・配置】
記載なし

【評価制度】
記載なし

【報酬】
・報酬水準:年収 約450~1200万円(職種により異なる)

【教育】
・書籍購入補助
・資産運用勉強会

【その他、福利厚生など】
・健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険、社会保険(関東ITソフトウェア健康保険組合)
・通勤手当(上限5万円/月)
・福利厚生メニュー(宿泊施設、レジャー、グルメ、育児等)
・部活サポート制度(活動費有)
・プチ社食サービス(100円/1野菜)
・フリードリンク

インターン生による考察

事業について、顧客数・営業収益は右肩上がりであることや、市場規模・市場シェアがともに拡大中であることから、将来的な売上増加が見込まれる。
2020年度は赤字決算ではあるが、営業損失額が広告宣伝費を下回っていることが読み取れる。
人事制度については、新卒採用を行わず即戦力採用を重視していることから、急速な成長を目指す企業であると考えられる。

※この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:YUN

さいごに

スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら

弊社代表平康によるCGCとスキルマトリクスに関する記事はこちらから

【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。