フィルムに写る実家の風景
フィルムカメラを手に入れてから、初めて実家に帰省した。
最初に撮ったのは、姉の大型バイク。
いいアングルを探してシャッターを切った。いかつくてカッコ良いバイクは、まるで姉の堂々とした性格を表しているようだ。私はバイクに乗らないけど、後ろに乗せてもらった時の安定感、あの重厚な走りが印象に残っている。
家族の記憶をたどりながら、次に思い出したのは父のカメラ。
父もカメラを持っていたことを聞いて、祖父母の家で探してもらった。
すると、たくさんの古いカメラが出てきた。その中には、今は亡き祖父の二眼レフカメラや、見慣れないカメラがあって、思わず手に取ってしまった。
これで祖父はどんな景色を撮っていたのだろう?
祖母が、祖父との旅行の思い出話をしてくれたのが、なんだか温かく感じた。
そうやって、過去の記憶を辿りながら撮っていると、今度は幼い頃の風景が目に入る。
小さい頃よく遊んでいた河川敷。バッティングセンターに行く時によく見ていた光景だ。
ポツリと遠くに富士山が見えるこの場所は、いつの時代も変わらない静けさを保っている。
次にカメラを向けたのは、実家の愛犬。
お座りをしてくれたので、フィルムカメラで難しい犬の写真撮影に挑戦。光量は足りなかったけど、可愛さはちゃんと写っているはずだ。
帰り道、夕焼けが差し込む車の中でふと、またシャッターを切りたくなった。
信号待ちの間に、車内から見えた紫とオレンジが混じった夕焼けの色が、なんとも言えない美しさだった。この瞬間を残しておきたい、そんな気持ちで撮った一枚。結果として、光と影のバランスが絶妙に映った写真になった
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