第24話 学びのサイクル
人材育成について、ちょっと立ち止まって考えています。
同じ経験をしても
成長したりしなかったりという“違い”は
個人でも組織でも発生します。
効果的な学びには7つのポイントがあり、
これを「学びのサイクル」と称して
人材育成の研修で解説しています。
簡単にご紹介しましょう。
(1)実践
学んだらすぐ実践する。
とても単純なこれがまず大事です。
聞いて分かるのと
実践して理解するのとでは
雲泥の差があります。
勧められて“意味がなさそう”と思った場合でも
できるだけ自分でやってみます。
試す、検証する・・・というスタンスでも良いでしょう。
(2)教訓
経験すると気づくことが必ずあります。
単なる気づきではなく、
“どうすればいいか”という気づきが教訓です。
教訓を抽出してメモしておきます。
(3)反復
繰り返し行うことで
できるようになったり、
その事柄の意味が深く理解できるようになります。
(4)原則
学んだことのポイントを整理して書き出します。
取り組み姿勢や実践のポイント、急所等を
3~7項目程度リストアップします。
(5)共有
個人が学んでも、それが周囲に伝わらなければ
組織としての学習は遅くなります。
皆が同じような試行錯誤を繰り返すからですね。
原則化したことは
組織で共有可能になります。
(4)の原則と(5)の共有は
個人の学びと組織の学びとの橋渡しです。
お互いが見つけ出した「原則」を
お互いに知って実践することで
学びがさらに深まります。
また、
個人の学びを組織の学びにつなげるには
・共有するための方法や場、
・共有したくなる仕掛け
など、いくつかの工夫も必要です。
(6)伝承
伝承とは「後世への伝達」です。
ここまできて、
学びが“時を超える”
ことになります。
(7)触発
時を超える「伝承」は
違う時代を生きる人との対話です。
したがってうまく伝わらないことも出てきます。
価値観が異なるからですね。
それが新たな気づきを生み出します。
これが触発です。
後輩や新入社員から
ベテラン社員が刺激を受け
自身の経験と融合させ
新たな気づきを得る。
ここまで進展できれば
素晴らしい学びとなるでしょう。
(1)実践から(7)触発までを
円のように回すことを
「学びのサイクル」と呼んでいるのです。
整理すると、
(1)実践して(2)教訓を得て(3)反復し(4)原則をまとめる
ここまでが個人の学びです。
(4)の原則を(5)周囲と共有することで
個人の学びが組織の学びに進化します。
(6)伝承して(7)触発が起き、
新たな(1)実践につながることで
学びが時を超えて発展し
学びのサイクルとなっていくのです。
皆さんはこのサイクルのどのあたりまで
経験しているでしょうか?
皆さんの会社や組織ではどうでしょうか?
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