ひな

週1回くらいの更新を目標に、日々考えたこと・見たもの読んだものの感想などを書きます。

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最近の記事

映画「オッペンハイマー」感想 & 夏休みに『アンナ・カレーニナ』を読む②

2024.8.11(日) 第1部11章~34章(pp.86-292)思惑と会話/アンナ・カレーニナの登場 池袋シネマ・ロサで、クリストファー・ノーラン監督の映画「オッペンハイマー」を観てきた。 理論物理学者、J・ロバート・オッペンハイマーを主人公に据え、主に「マンハッタン計画」における原子爆弾の製作や、終戦後に彼が辿る道のりを描いた物語である。 上映時間3時間の長編映画だ。 語ろうと思えばいくらでも語れてしまうのだけど、個人的に強く印象に残ったのは次の三点だった。 ① 

    • 夏休みに『アンナ・カレーニナ』を読む①

      長編小説を読むのが好きだ。 何日かにわたって長い物語を読むとき、図らずも生活と物語が少しだけリンクすることがある。 それは本の中に描かれる景色が目の前のそれと一致することだったり、登場人物の発言と自分が最近考えていることとの重なりだったり、物語の筋と現実世界の出来事の類似だったりするのだけど、そういうものに出会うたび、これこそが一篇の物語を読むことなのだ、という気持ちになる。 だから私は、長編小説を読むときは、なるべく日記をつけながら読むようにしている。 本と自分がリンク

      • 昆布と鹿とつららの日々

        生まれてから15歳で家を出るまで、三つの海に囲まれた町で育った。 三つの内訳は日本海、オホーツク海、太平洋だ。 二本ばかり道路を挟んでいたけれど部屋の窓からは海が見えたし、玄関のドアを開ければ海の匂いがした。 オーシャンビューと言えば聞こえはいいけれど、潮風で家は傷み、車にはかもめの糞が落とされ、海の匂いとはすなわち家の近くに乱立した水産加工場の匂いで、「海の近くに住んでいた」と話したときに「いいな〜!素敵」と言ってくれるその人が想像しているような爽やかなロケーションとはほ

        • 今月の推し本ベスト3【2024年7月】

          今年の春に関東へ引っ越した。 人生初の電車通勤を始めた。 片道1時間の道のりと会社の昼休み(から、ごはんを食べる時間を除いた時間)を全て読書にあてれば、1日1冊くらいは本を読めることに気がついた。 読んだ本をそのままにしておくのもなんだかもったいないので、毎月ベスト3を選んでnoteで書き留めておくことにする。 ネタバレには配慮していませんのであしからず。 今回は2024年7月分。 木庭顕『誰のために法は生まれた』(朝日出版社)今期の朝ドラ『虎に翼』が面白くて、本屋パト

        映画「オッペンハイマー」感想 & 夏休みに『アンナ・カレーニナ』を読む②

          二泊三日韓国旅行記

          7月の三連休、大学時代の先輩ふたりと韓国旅行へ行ってきた。 人生で二度目の海外旅行である。 パスポートの期限が2025年1月で切れると気がついて、滑り込みで海外へ行きたいと思い立ったのが今年の春先。 どこに行こうかと考えたときに真っ先に浮かんだのが、韓国だった。友人と定期的に開催している語学勉強会で、ちょうど韓国語を学び始めたところだったから。 誰かと会うたびに「韓国行きたいんだよねえ」とふんわりしたお誘いをかけていたら、それにのってきてくれたのがRさんとKさんだった。

          二泊三日韓国旅行記

          noteを始めたわけ

          はじめに「時間」があった半年前に恋人のSと暮らし始めた。 家族ではない人間と住居をともにするのは初めてで、家事の分担はどうするか? ごはんはどの程度一緒に食べるよう努力するべきか? 部屋の汚さはどれくらいであれば許容範囲か? などなど大きなことから小さなことまで、話し合う→決める→綻びを発見しては方針を変更する、といったサイクルを回していたらあっという間に半年が過ぎていた。 そして、同居生活を始めてからの私は、なぜだかずっと疲れていた。 生活の方針は全て話し合って決めたも

          noteを始めたわけ