見出し画像

【採用面接】素人でも構造化面接を作る方法を教えます‼

採用面接の質問って何を聞けば良いですか?

採用担当になりたての後輩から
このように質問されたらどう答えますか?

新卒だったら、
「自己紹介をしてください」
「学生時代に頑張ったことは?」
「〇〇をした経験を教えてください。」

中途の場合は、
「自己紹介をしてください。」
「転職理由を教えてください。」
「当社で生かせる経験やスキルはありますか?」

等々…

上記のような
一般的な質問を思い浮かべたかもしれません。

しかし、このようなありふれた質問では
既に回答を用意している求職者からは
教科書通りの回答しか聞くことができず
中々良い人材を見極めることは難しいと
私は考えています。

そこで、
自社にとって必要な経験やスキル
マインドが自社に合う人材であるか
「見極める」手法と
自社の魅力を求職者に感じてもらい
就職(転職)意向を高めてもらう

「惹きつける」手法を
一挙に解説したいと思います。

この記事がためになったという方は
いいね!
他の記事もチェックしたいと思った方は
フォロー
ぜひよろしくお願いいたします。


1.構造化面接をお勧めする理由


過去の記事を読んだことがある方は
すでにご存じかもしれませんが、
私は構造化面接をお勧めしています。

この手法を用いた場合の
メリット、デメリットからご覧ください。

メリット
①公平かつ正確な面接が可能
②面接者によるバラつきがない
③面接工数が削減できる

デメリット
①柔軟性に欠ける
②スコープの範囲が狭い
③準備にコストがかかる

代表的なものを3つずつ挙げていきましたが
詳細の解説をしていきます。

まず、
メリットは予め決められた質問を行い、
その結果同士を比較する形になるため、
結果は公平で正確な点が特徴です。

次に、
面接者によるバイアスを排除し、
採用面接では面接者の負担が少ない点が
大きなメリットです。

そのため、
うっかりNG質問をするリスクは減る点も
大きな利点ではないでしょうか?

最後に、
面接後に記録を見ながら合否の判断できるため
準備や結果の判断にかかる工数も削減できます。

熟練の面接者は思い当たる節がありませんか?
予め履歴書や職務経歴書を隅々までチェックし、
質問内容を一生懸命に考える…
こういった時間がほとんど必要なくなります。

将来的には、録画面接など
AIを使ったシステム等を導入し易い点
良い所と言えるのではないでしょうか?


デメリットについても見ていきましょう。

まず、
柔軟性に欠ける点があります。
予め決められた質問ということは、
話の流れで深堀りして求職者の良い所を
発見するテクニック等は磨かれません。

そのため、標準化と引き換えにして
相対的に面接者の品質は一定の段階で
固定されてしまう
ということになります。

次に、
スコープの範囲が狭いことが問題視される点
をご留意していただく必要があります。

話の流れによる深堀りが乏しくなるという
デメリットは、求職者のスキルや経験、
マインドセットの確認する範囲を狭めてしまう

というリスクをはらみます。

ある程度の経験があり、対話による発見を
信条としている面接者は一定数います。

それで、バラつきがなく、トラブルがない
というのであれば否定はしませんが、
そもそも面接者は足りているのでしょうか?

少ない熟練の面接者だけで
より良い人材を厳選する
のも良いでしょう。
新卒採用の最終面接や
ハイクラス領域の中途採用では
この方が良い結果がでることがあります。

しかし、
一定数以上の人数を相手にする面接では
標準化して、トレーニングを受ければ
誰でも一定の成果を出す仕組み

必要なのではないでしょうか?

最後に、最大の問題点が
質問内容を設計、面接者のトレーニングには
一連の時間とコストが掛かるという点
です。

そもそも、素人に採用面接の質問が作れるのか?
という疑問を持たれてしまうのは
仕方がないことだと思います。

更に、設計が全てな訳ですから、
必要な経験やスキルをどのような質問によって
判別すれば良いのか分からない
という疑問が出てくるかもしれません。

以上がメリットとデメリットでしたが、
どのように感じたでしょうか?

きっと最初に作り込む段階に
高いハードルを感じたのではないでしょうか?

それでも私がお勧めしたい理由は
採用面接によるクレームの撲滅
自社に合う人材を「見極め」ること
そして、
自社の魅力を伝える「惹きつけ」によって
企業ブランドの価値向上をするため
構造化面接という手段が
最も効果的だと考えているからです。

ここまでの内容を踏まえた上で、
どのように構造化面接を作成すれば良いか?
考察していきたいと思います。


2.構造化面接の作成方法


この章では構造化面接を
より分かり易く簡略化してお伝えし、
構造と作成方法が理解できる所を
ゴールに設定します。

それでは最初に
構造化面接という手法に関して
骨子からご説明します。

以下の2つの質問を行うことで
決められた質問であっても
求職者のスキルや実績、マインドを
理解することができるようになります。

A:定型の質問
B:行動ベースの質問

文章が長くなりますので、
超簡略化してお伝えすると、
Aがスキル実績の確認で
Bが判断能力行動規範を確認します。

特に、Bの答えは
求職者の考え方や自分自身がどこまで
主体的に物事に関わって何を得たのか?

深い所が分かる点が特徴です。

それでは、一連の流れとして
全体像をご説明した後、
特にBを深堀して解説したいと思います。

___【構造化面接の流れ】___

①事前準備(履歴書や職務経歴書の確認)
②アイスブレイク(求職者の緊張緩和)
③定型質問(求職者の実績やスキルの確認)⇒A
④行動ベースの質問(後述を確認)⇒B
⑤スキルテストや実地試験(ない場合もある)
⑥質疑応答
⑦評価とフィードバック(面接後に実施)

_________________

ポイントは④の行動ベースの質問で
求職者が語るエピソードの中から
次の要素を書き出します。

ここではSTARという法則を使います。

___【STARメソッド】___

ituation(状況)

その経験はどのような状況や背景によって
生じたものなのかを説明することです。

具体的な場面や環境を描写することで、
相手が理解しやすくなるため、
このような要素が含まれているかが
チェックするポイントです。

ask(課題)

その状況下で求職者に課せられた課題や
責任の範囲を明確にすることです。

具体的にどのような問題や課題を
どのように捉え、判断をしたのか?

ここを確認します。

ction(行動)

その課題に対して、求職者の行動について
具体的に説明することです。

先ほどの問題や課題を解決するにあたり、
具体的なステップを確認していきます。

esult(結果)

求職者の行動がどのような結果を
企業へもたらしたかを説明することです。

成果や影響、学んだことなどから
求職者の貢献度をチェックします。

_______________

以上が全体の骨子です。

一度の質問で回答ですべての要素がない
ことが大半であるため、深堀りして
上記の要素を聞き出すと良いでしょう。

エピソードは各人によって異なりますが、
質問の切り口や模範の深堀り質問等は
予め用意して練習をしてから
面接に臨んでいただく形となります。


それと、作成にあたり注意事項について
いくつか列挙していきます。

①求める人物像を明確にする
②質問内容は人事だけで決めない
③評価は4段階にする

①求める人物像を明確にする

構造化面接は予め決まった質問をする
ことが前提になるため、設計が重要である
ということは前述の通りです。

ということは、求職者に対して
求める人物像(ペルソナ)が明確でないと
必要な実績やスキル、マインドが分からない
ことには作成できません。

MUST要件:必須要件
WANT要件:推奨要件
(教育可能な要件)

これだけでも最低限決めておきましょう。


②質問内容は人事だけで決めない

また、質問内容の制作に際しては
人事の思い付きだけで決めずに
担当部署のマネジャー等に協力を仰いで
質問内容を精査した方が良いと思います。

仮にコンサルタントが入った場合でも
各担当者からヒアリングしてサンプルを
作成した後、吟味して決めていく過程を
踏むことになります。


④評価は4段階に、基準は明確する

評価基準を3や5段階にすると
真ん中をつける可能性が高くなります。

採用面接者の責任において
評価は4段階に設定して、真ん中ではなく
良いのか悪いのか判断してもらいましょう。

また、1~4段階の基準に関しては
明確な形で設定することをお勧めします。

これは行動ベースの質問に関しても同様です。


3.構造化面接で足りないものを克服する


もう一度、メリットとデメリット
そして、全体の流れを見ていきましょう。

メリット
①公平かつ正確な面接が可能
②面接者によるバラつきがない
③面接工数が削減できる

デメリット
①柔軟性に欠ける
②スコープの範囲が狭い
③準備にコストがかかる

___【構造化面接の流れ】___

①事前準備(履歴書や職務経歴書の確認)
②アイスブレイク(求職者の緊張緩和)
③定型質問(求職者の実績やスキルの確認)⇒A
④行動ベースの質問(後述を確認)⇒B
⑤スキルテストや実地試験(ない場合もある)
⑥質疑応答
⑦評価とフィードバック(面接後に実施)

_________________

ここまでの話の流れで、
上記の構造化面接を取り入れると
メリットを十分に生かせる内容になった
という認識をしています。

①と⑦の負担を最大限に減らした上で
NG質問を避けて、見極めに集中する…
ここまでは実現できそうと思います。

しかし、これだけでは
あと2点足りないと私は考えています。
順番に解決策を提示してみますね。

一つ目はデメリットの克服です。

____________
①柔軟性に欠ける
②スコープの範囲が狭い
____________

こちらに関しては、質問の設計次第で
ある程度の克服は可能と考えています。

以下に事例を提案しますので
使えそうなものを使ってください。

◆フォローアップ質問

柔軟性を高めるために、必要に応じて
フォローアップ質問を追加します。
(場所と裁量の範囲は明確にしましょう)
求職者の予期せぬ強みを探ることが狙いです。

◆選択式の質問を裁量でしてもらう

過度なスコープの狭さを避けるために、
構造化質問に加えて、候補者の全体像を
把握するための質問も用意します。

抽象度の高い質問を複数用意して
会話の流れから選択してもらいます。
これによって自由にPRをしてもらい
スコープ外の情報も獲得できます。

____________
③準備にコストがかかる
____________

これに関してはある程度は
受け入れていただくしかありません。

もし簡略化するとしたら、
コンサルを雇う代わりに
AI(必ず有料版を使うこと)で
アイデア出しをするくらいでしょうか。

効果があるか分かりませんが、
緩和策は以下に提示しておきます。

◆段階的な導入を計画しておく

高い準備コストを分散するため、
段階的に導入するのもありだと思います。
例えば、最初は主要な質問だけを
先行して導入し、順次追加する形です。

◆必要な要素は準備したのち
 専門家へ部分的に依頼をする

必要なものは、以下の3点です。
・採用要件(MUSTとWANT)
・質問に盛り込む要件
・現場部署からヒアリングした
 サンプルの質問事例

 (具体的に判断要素も含めて提示)

要素の洗い出しという工程に
大きな準備コストが掛かりますので
予め、社内で計画的に分担して
準備しておきます。

あとは、
それを取りまとめた要素を開示して
全体感を整える所のみを依頼すると
それ程大きなコストはかかりません。

どちらにしても時間のコストは
かなり大きな負担であることに
代わりはありませんが…

面倒から丸投げ、そして…大失敗は、
よくある間違いの典型なので
それだけは回避してもらいたいと思います。


二つ目は魅力が十分に伝わらないという点です。

一般的な構造化面接のフローを実施するだけでは
自社の魅力が十分に伝わらないと感じています。

そこで、時間配分も考慮した上で、
60分バージョンに収めた
もう一つの構造化面接の流れを提案します。

___【構造化面接の流れ(改)】___

①事前準備(履歴書や職務経歴書の確認)
②アイスブレイク(求職者の緊張緩和)
③定型質問(求職者の実績やスキルの確認)⇒A
④行動ベースの質問(STARメソッド)⇒B
⑤⑥自社の説明と質疑応答
⑦評価とフィードバック(面接後に実施)
____________________

実施試験は技術職で見極めが
絶対に必要な場合は別の機会として
基本的にはWEBで受検していただきます。

その上で、
自社の説明と質疑応答をセットにして
自社への理解を深めてもらうという項目に
差し替えました。

ここでは、給与や休日等の説明は簡潔に
実際の働き方をイメージできるものとして
職場見学をしながら説明をしたり、
標準のキャリアモデルを提示することで
自社で働く魅力を伝えることに
時間を費やす方が良いと考えました。

また、
具体的な内容を説明されることで
質問内容もイメージし易くなるため、
求職者にとっても企業への解像度が上り
満足度の向上が期待できます。

如何だったでしょうか?
これでも簡略化したつもりですが、
かなり長文になってしまいました。

もう一つの重要項目である
面接者のトレーニングに関しては
次回にしたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集