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なぜ採用にブランディングが必要なのか?(vol.1:長期投資の重要性)

新卒採用の早期化が加速している

25年卒の新卒採用において
各企業の人事担当者や媒体営業の担当者は
皆さん口を揃えて言います。

2024年5月時点の状況を調べると
対前年比で7.3%増で72.4%の学生が
既に内定を獲得しています。

まだ目標人数には全然届かない!
え?新卒採用って3月開始なのにもう終わるの?

そう思った人は
残念ながらアンテナが低いです。

年々、採用の早期化が進み、
学生の数は年々減少し続けていきます。

そこで、今回は年々応募数が減少する中、
新たな採用戦略として、ブランディング
の重要性に関するお話をしたいと思います。

『ブランディング?
 どうせ大手だけでしょ?
 中小のウチには関係ないよ!』

そう思った方には
ちょっと待ってください!

経営に関わる方、採用に関わる方へ
ビジネスパーソンとして、
広告戦略の行き詰まりとその打開策として
絶対に知っておいて欲しいブランディング
が必要な理由を詳しくご紹介します。

ぜひ最後まで読んでください。



1.近年の広告戦略の変化を学ぼう


ブランディングの重要性をご説明する前に
商品販売におけるメディア戦略の変化から
入ると分かり易いので解説させてください。

まずは、いくつか質問したいと思うので、
想像してみてください。

Q1
あなたは普段、家電製品について
どのメーカーが新商品を出しているとか、
金額はいくらするとか考えていますか?

おそらく、一部のマニアを除いて
大半の人は「いいえ」と答えるでしょう。

Q2
それはなぜでしょうか?
理由を明確に説明できますか?

それは、
買い替えをするタイミングではないから
ですよね?

Q3
もし家の家電が壊れたら、あなたはどうしますか?

・家電量販店へ行く
・通販サイトで買う

この二つが大半を占めていることでしょう。

Q4
家電を購入する前に、まずあなたは何をしますか?

「スマホで検索して調べる」

仮に量販店へ行く際も
先に予め調べる方も多いと思います。

ここまで動きを読んで、
私が言いたいことが分かった方は
察しが良いと思います。

ここからは、答え合わせに入っていきますね。

2000年代に入って
世の中で起きた最大の行動変容は
リアルからネットへの変化です。

その中でもスマホSNSの登場で
企業の広告戦略は大きな変更を
余儀なくされました。

先ほどの例に例えて説明すると、
いつ自社の商品が必要になるのか?
(いつ家電が壊れて買い替えるのか?)
企業側は分かりませんよね?

しかし、将来必要になった時には
自社の製品を真っ先に思い出してもらうため
昔はテレビCMを出し続けていました。

サブリミナル効果やザイアンス効果を
狙っていざ必要な時に、自社の商品を
思い出してもらうためです。

しかし、
現在はスマホやSNSの登場によって
大半の購買行動の前には
「ネットで検索して調べる」
という共通の入り口が確立されきました。

そこで、
各企業はネット検索した際、
真っ先に自社の商品が表示されるように、
広告を掲載したり、SEO対策をしたりして
多額の費用を投入してきました。

朝日デジタルの記事より抜粋

かくして、マスメディアへの投資から
リスティング広告に代表される
インターネット広告へ予算をシフト
していったのです。

インターネット広告のメリットは
費用対効果が一目瞭然である点です。

When いつ=今
Who  誰に=ターゲット層の年齢、性別など
What 何を=商品にまつわるキーワード

上記の設定して、広告を投下すれば
短期間でレポートを見ながら効果が測れ、
CVと売上高によってKPIによる
費用対効果が評価できます。

明確なターゲティング項目を効率よく、
不景気が続く中でも
短期的に利益の回収ができる魅力は
各企業のニーズに合致しました。

インターネット広告は瞬く間に広まり
2019年にはテレビ市場を上回りました。

しかし、
最初にインターネット広告が登場して
約20年が過ぎ、各社同様の戦略を取る中で
その効果は段々と薄れてきています。


この話、採用の世界でも
どこかで聞いたことありませんか?

そうです。
採用の世界では紙の媒体から
求人メディアと、そしてindeedへと
移り変わった点が似た話になります。

詳しくは、以下の記事をご参照ください。


2.「今すぐ客」、「これから客」の違いを学ぼう


商品販売の広告戦略に話を戻します。

先ほどの章でご説明した通り、

インターネット広告が登場したことにより
より費用対効果が見える化され、短期間で
コストの回収ができるようになりました。


その一方で、

競合他社が同じような施策を講じてきたことで
メディア戦略が被ってきてしまい、
一時期のような効果が出なくなっていることが
新たな悩みとなっています。

この問題はあることが原因で発生していると
推測ができるのですが、答えが分かりますか?

(すべてに当てはまる訳ではないが)

「今すぐ客」=顕在層 
アプローチにばかり投資がされてしまい、
「これから客」=潜在層 
アプローチが疎かになっている
ということが考えられます。

インターネット広告は
コストパフォーマンスが高過ぎたため
宣伝広告費に予算を確保することが
難しい経営状況の中でも実施できたため、
投下したコストを確実に回収する施策
にばかり慣れ過ぎたのではないでしょうか?

そのため、テレビCMのように
費用対効果が見えにくい、投資効果の測定が
難しいものは段々と予算がカットされていき
おそらく予算を元に戻すほど、経営状況の
余裕がないというのが実態ではないか?

そのように推察がされます。

この部分の課題感について、
よく記憶に留めておいて頂きたいです。

短期投資>長期投資
広告予算の減少

これらがキーワードになります。


3.ブランディングがなぜ重要か?


それでは本題のブランディングについて
お話をしていきたいと思います。

先ほどの広告戦略での悩みを
解決する手段として、
ブランディング戦略が考えられます。

企業側の届けたいイメージではなく
顧客側がその商品や企業に抱くイメージ
を商品、サービスで体現すること
が重要になります。


有名な事例として
スターバックスの事例を取り上げると
以下の通りとなります。

①広告を出さず、体験によるブランディング
②公式サイトやSNSで密なコミュニケーション
③オーナシップを尊重した質の高い接客

この話の中に
テレビCMやインターネット広告は
どこにも存在しません。

勿論、SNS等を駆使してデジタル戦略はあり、
これがブランディングの一つとして確立されて
いる点は押さえておく必要があります。

詳しくは別機会としますが、
社内のインナーコミュニケーション
しっかりしており、企業ブランドを
全員が体現することができている好事例です。


この戦略は長い時間をかけて確立しました。
先程の話に当てはめると、これから客
集客に成功した長期戦略そのものです。

ブランディングとは、
顧客体験によって徐々に溜まった
無形資産
なのです。

決して、短期間の宣伝広告や
社内スローガンだけを作っても実現は
非常に困難である点は押さえておいてください。

(この部分をどのように進めていくのかは
 別の機会にご説明します。)

だから、
「ブランディングはやっても意味がない」
と主張される識者もいますが、
私はそうは思いません。

先ほどご説明した
「今すぐ客」=顕在層
「これから客」=潜在層
と比べて約10倍の差があります。

「今すぐ客」 =顕在層(全体の約1%)
「これから客」=潜在層(全体の約9.5%)

潜在顧客を顕在顧客にする施策を行わないと
いう選択肢を取り続けた場合、
その企業が待つ未来は想像に難くありません。

大資本をもつ、業界のリーディングカンパニー
に駆逐される未来
が待っているのです。

このロジックは販売戦略でも
人材採用の分野でも全く同じです。

だから、今回の問い
「なぜブランディングが必要なのか?」

この問いに対して、答えは以下の通りです。

広告予算が減少する中、インターネット広告は
飽和状態に近づきつつある。


そのような状況下においても変わらず、
短期投資(刈り取り)にばかり投資を行い、
長期投資(種まき)に注力が向かなかった
ことによるしわ寄せがきている。

これらを解消するため、短期投資だけてなく
長期投資にも目を向ける必要がある。


その一つの手段がブランディングなのです。


如何だったでしょうか?

ブランディングと言われても
定義から良くわからないという方も
いたかもしません。

今回はブランディングが成功すると
リターンが大きいんだな。
スターバックスのようになるには
どうすれば良いのだろう…
と、全体のイメージだけでも掴んで頂けたら
それで全然構いません。

次回以降もブランディングについて
深く掘り下げて解説を続けていきたい
と考えております。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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P.S.
採用ブランディングのヒントになる過去の記事をご紹介


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