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構造化面接、内定者面談に挑戦しよう!【採用の基本のキ⑩】

内定辞退を防ぐ方法

ちょっと検索すればよく見かける記事ですが
私からも「採用の基本のキ」の最終章として
詳細にお伝えしたいと思います。

その前に早速ですが、質問です!
新卒の学生は、就職するか否かの判断を
どの時点で行われているか知っていますか?


答えは「選考途中」です。

だからこそ、選考過程で求職者と最も関わる
採用面接は一番重要であると考えています。

そして、

その後、どのように誘導すれば
内定辞退を防ぐことが可能なのか?

そんなお話をしていきたいと思います。

今回のテーマは
構造化面接内定者面談
こちらを分かり易く丁寧に解説します。



1.構造化面接を取り入れてみよう!

 
構造化面接とは、予め質問項目を決めて
採用面接を行う形式のことです。

決められた用紙へ求職者の回答内容を
書き込む方式で面接を進めてください。

流れは以下の通りです。

アイスブレイク ⇒ 説明 ⇒ 質問 ⇒ 逆質問
 

「アイスブレイク」では求職者の緊張を和らげ
「説明」では、必要情報と自社の魅力を伝え
「質問」では、決められた質問+αを行い、
「逆質問」で、求職者の不安を取り除く

この面接のメリット
・面接者による評価のバラツキを防げる
・面接官の思い込みや先入観を排除できる
・採用時のミスマッチを減らすことができる

その一方で、デメリット
・機械的な印象を与えてしまう恐れがある
・求職者の意外な一面を見出し難い
といった評価も存在します。

しかし、
今回のご紹介する方法を用いれば
デメリットを打ち消しつつ、
メリットを最大限生かすことができます。


ちょっと長いですが、
最後まで読んでいただけると幸いです。


(1)アイスブレイクが必要な理由


面接者は次から次へと面接を控えているため、
事前に履歴書を確認してどのように質問するか
考えたり、評価シートを記入したり忙しいです。

人事の仕事を複数兼任して面接を行う場合も多く
基本的に時間が惜しいと考えてしまいがちです。

しかし、
求職者の心の準備が整っていない状態で
採用面接を機械的に進めようとすると、
求職者には冷たい印象を与えてしまいます。


最初の2~3分で求職者の状態を確認しながら
緊張しているようであれば和らげてあげた方が
印象が良くなるのと同時に、面接もスムーズに
進めやすくなりますので省略してはいけません。


(2)説明パートで魅力を伝える


自社の歴史を長時間にわたって語る人がいますが、
求職者目線で考えるとあまり意味がありません。

説明パートでは自社の魅力をアピールするのです。

ただし、
歴史が悪いと言っているのではありません。
説明のための歴史は不要と言っているのです。

 会社の成り立ちが社風や文化につながり、
 商品、サービスに対する企業側の想いは
 会社の魅力につながります。

その想いを語ってあげてください。
きっと求職者の心にも届くことでしょう。

ただし、以下の点にご注意ください。

・他社を陥れて自社の株を上げる表現はNG
・あまり長々と語りすぎない(2~3分程度)
・何を伝えたいのか?結論をきちんと話す

 
また、

待遇面や規則等は主要項目を簡潔に伝え、
キャリアモデルは必須項目となります。

企業側が伝えたい情報に偏らず、
求職者が求める情報を伝えましょう。

これを見失わないようにするため、
説明内容は予め決めておいた方が良いのです。

なお、逆質問でいつも質問される項目は
先に補足して説明してあげると、不安払しょく
につながるため有効です。


(3)質問パートは求職者へ語らせることを意識する


採用面接は粗探しをしたり、
指導や説教をする場ではありません。

あくまで緊張感をやわらげ、求職者の考えを
掘り下げて語らせることを意識してください。
 
採用面接の目的は
自社に合った人材=必要要件を満たした
人材を探すことです。

そこに個人の主観は不要なのです。
これを忘れると質問の品質は一気に低下します。

今回は、採用面接における
「見極め」方法は別の機会とし省略します。

構造化面接の流れのみ、簡潔にご紹介します。
(後半で少し事例もご紹介します。)

①最初の質問は、予め決められた質問を行う。
②求職者の回答に対して、掘り下げ質問を行う。
③質問項目ない質問をした場合は
 簡潔にQ&Aを記録として残してください。
④求職者の回答が質問の主旨と異なる場合、
 もう一度、主旨を別の言葉で伝え直し、
 それでも要領を得ない場合は次の質問へ進める。
質問の時点で評価は必要なし。
 回答内容のみを記録し、評価はあとで行う。

ポイントは②と⑤です。

②は、面接官のアドリブが求められますが、
質の良い掘り下げ質問をして求職者に語らせて
その回答が論理的に筋道が通っているのか?
これを判断します。

⑤は、面接中はあくまで質疑応答に集中して、
忠実に記録に残す所にあります。
判断は後程行う点が旧来の面接と違う点です。


2.構造化面接を行う際の注意点


それでは次に、構造化面接を行う際は
何に注意をすべきかご説明します。

特にやってしまいがちなミスや
判断が難しいガクチカなど、
気になるであろう要素について
いくつか触れていきたいと思います。


(1)その場で判断をしてはいけない

 
面接の場で合否判断をしたり、
合格を匂わせて囲い込む面接者がいます。
これは避けた方が良いと私は考えています。

理由は以下の通りです。

・他にも面接者がいた場合、もし、合格者が
 複数人いて必要枠を超えると、面接時と一転、
 不採用を通知してトラブルの原因となる。

・合否に気がいくと合否ありきで評価するため
 個人のバイアスを取り除くことができない。
 (これを※アンコンシャスバイアスという)

・決められた質問から、中身を掘り下げ、
 確認する必要があるため、評価を意識すると
 質問の品質が低下してしまう。

・求職者から不信感を抱かせる原因となる。
 「誰でも良いのではないか?」
 「ブラック企業ではないのか?」など


※アンコンシャスバイアス

 無意識のうちにしてしまう偏見や思い込み。
 採用面接では自分の価値観による先入観で、
 事実と見誤った評価をすることを指す。


(2)NGワードに注意!


これは面接手法に関係なく
以下の質問は法律で禁止されています。

・家庭環境や生活環境に関すること
・本籍や出生地に関すること
・宗教や思想に関すること
・プライベートや趣味に関すること
・資産に関すること
・その他、男女雇用機会均等法に触れること

アイスブレイクも含め、
採用面接に関係ないことを聞くのは止めましょう
と覚えておけば大丈夫です。


(3)ガクチカで見るのは論理性と主体性


ガクチカ=学生時代に力を入れたこと

(中途に関しても前職での経験を尋ねた際
 色々と成果をアピールされますので
 その時、同様に使えると思います。)

この「ガクチカ」ですが、
成果の部分は9割がテンプレで論調も
どこかで聞いたことがある話が大半のため
面接者には退屈に感じるかもしれません。

しかし、
このガクチカは大切なのです。

演奏会に例えるなら、
課題曲みたいなものなのです。

なぜ、ガクチカが重要なのか?

それを、先ほどご紹介した
求職者の回答に対する「掘り下げ質問」の
具体例から、根拠についてご説明します。


【具体例】
リーダーシップを確認する質問で
「廃部寸前の部活を立て直した」話の場合

【掘り下げ質問の代表例】
・自らが主体的に動いた成果なのか?
・何が立て直しのポイントは何か?
 どんな立場でどのように関わったのか?
・数値の根拠を確認する
 (もともと何人で、現在の部員数なのか等)
・経験から得た教訓など

この回答に対する確認項目はというと
話は論理的で分かりやすかったのか?
これで物事を論理的に説明できるかが分かります。

次に、大切なのは成果の中身よりも、
主体的に取り組んだゆえの成果であったのか?
あるいは周りの影響で、たまたま得た結果なのか?

これでエピソードの信憑性が判断できます。

つまり、
社会的に評価される表彰されたケースを除き、
成果の中身は本当に何でもよいのです。

大切なのことは、ビジネスで求められる

分かりやすく相手に伝えられるか?(論理性)
主体的に取り組んだ成果なのか?(主体性)

これを確認することが目的であり、
そのためにガクチカが最も適しているのです。

ガクチカの重要性が分かって頂けたでしょうか?

それともう一つ、
特に熟練者と自負している人ほど
ついやってしまいがちなので注意ですが…

いつも聞いている話だからといって
決して退屈な表情は見せないよう、
真剣に傾聴することが求められます。

心の中で退屈だと思って聞いていると
自然と態度や表情に表れます。

人の顔色を気にするZ世代の学生は
大人の怠慢を一発で見抜く力がある

ということを覚えておきましょう。

ちなみに、
中途の場合は年齢にもよりますが、
ある程度の成果も評価が必要です。

ただし、
基本的に判断する要素は新卒と同じです。

なぜなら、
元々、所属していた企業のビジネスモデルや
同僚に優秀な社員がいたおかけで得た成果は
評価に値しません。

だから、学生と同じように確認が必要なのです。


3.内定者面談を行っていますか?


企業によっては内定者面談を実施せず
電話やメールのやり取りで次に会うのは
内定式や入社式という所もあります。

しかし、私は
必ず内定者面談は行うべきである
と主張したいと思います。

その理由は以下の理由で
内定辞退」のリスクが高まるからです。

・入社意志の確認が正しく把握できない
 (相手の表情や仕草から情報が把握できない)
・求職者への不安解消の機会が失われる
・細かい条件面の確認をしないと
 ミスマッチが起きる危険性が高まる


(1)内定者面談の流れ


ここでは一般的な面談の流れをご説明します。

①採用面接のフィードバック
②労働条件や待遇の説明
③入社意志の確認
④質疑応答
⑤今後の流れに関する説明

特に、③が企業側にとっては特に重要です。

内定受諾後の辞退が与える影響を
きちんと説明した上で、一定期間のうちに
受諾か辞退かの意思表示を受けましょう。

ここでのキーワードは
寄り添い」と「線引き」です。

寄り添い
 :求職者の目線に立って一緒に考える姿勢

線引き
 :企業側の都合で採用人数を不確定なまま
  できない事情を伝えて線を引く姿勢

可能な限り寄り添い、一緒に考える姿勢を
見せることで求職者の採用担当者に対する
好印象が生まれます。

少なくとも無下にはできないという意識を
求職者にもたせるためにも寄り添ってあげて
欲しいと思います。

一方で、相手の都合ばかり聞いていると
他社へ良い人材が取られてしまいます。

時には心を鬼にして、
「この期間を過ぎても意思表示がない場合は
 入社辞退であるとみなす」

といった態度も必要です。

また、④によって不安払しょくを図りながら
何がためらう要素なのか探ってみましょう。


(2)内定辞退を防ぐ方法


ここでは内定辞退の主な理由から
どのような対処を取ればよいかご紹介します。

①〇確(学生なら、中途なら配偶者
②採用面接の練習台だったケース
③他に第一志望があって迷っているケース

①〇確

これには二つのパターンがあります。

A:業界や職種への悪いイメージから
  誤解や先入観で否定されているケース
B:待遇面(年収が低い等)の理由で
  他の企業を押されているケース

Aは誤解を丁寧に解消する必要があり
学生の場合、親とも面談の機会を得るという
選択肢もありだと思います。

Bは企業側からのコントロールが難しく
他の企業の結果を待つしかありません。

入社して欲しい旨と同時に、
一定ラインで線引きする旨

自社のルールはしっかり説明した上で
誠意をもって伝えてください。


②練習台だったケース

次の③と見分けがつきにくいのですが、
求職者の態度や言動から明らかな場合は
感情的にならず、冷静に話をしてください。

あとは速やかに優先順位を下げ
線引きだけをきっちりして
他の求職者へ注力しましょう。


③他に第一志望があって迷っているケース

これは先ほどの②と違って
絶対に最後まで諦めてはいけないケースです。

よく去る者追わずといいますが、
そんな事を言う程、採用は甘くはありません。

自社の全リソースをフルに生かして
よって、たかって、口説き落とす
この姿勢が必要なのです。

詳しくはこちらの記事を参照ください。

(3)内定取り消しの注意事項


最後に、先ほどご紹介した「線引き」に関して
注意事項があります。

それは「内定取り消し」をチラつかせて
内定受諾を迫ってはいけない!という点です。

これは、もし訴えられた場合
ほぼ確実に負けてしまう行為であり、
内定取り消しは以下ようなケースで
きちんと説明ができるものでないといけませんので
知識として知っておいてください。

【内定取り消しが認められるケース】
①卒業できなかった
②必要な資格を取得できなかった
③怪我や病気で就労が難しくなった
④選考時に経歴を詐称していた
⑤犯罪行為に及んだ
⑥経営状況が悪化した

更に、注意して欲しいのは②と⑥です。

②は業務に直接的な影響がある場合です。

例えば、以下のようなケースです。
・ドライバーなのに運転免許が取得できていない
・看護師なのに看護資格がない
・教師なのに教員免許がない

いわゆる就業条件として、元々定められており
卒業時には取得が見込まれているのに取得できず
それが直接業務に支障が出てしまうケースのみ
適用されると覚えておきましょう。

⑥は
内定取り消し=整理解雇とほぼ同等である
とご理解ください。

日本の整理解雇は4つの要件があり、
これを満たしていないと正社員は解雇できません。

これと同様に経営状況が悪いだけでは
訴訟になった場合、負けてしまう場合もあり、
配置先を変えれば問題ないと認定されるケースも
十分に考えられます。

内定辞退を見越してだと思いますが
採用人数を上回る、過度な内定には
十分注意をしてください。


如何でったでしょうか?

採用の基本のキのシリーズは
今回の話で完結となります。

全部で10個の記事があり、
つなぎ合わせると薄い本になりそうな
ボリューム感があると思います。

以下にリンク先を張っておきますので
ご自身の採用活動に必要な情報だけでも
ご覧頂けると嬉しいです。

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