採用ブランディング始める前に(現状維持バイアスから脱出するためのマインドセット)
この話のキーワードは「多様性」です。
心の片隅において記事を読み進めてください。
深刻な採用難の時代において
労働力不足による倒産が増えています。
また、人手不足によって
組織が機能不全を起こし崩壊する…
そのような企業を何社も見てきました。
そのような事態を脱するため
採用ブランディングを連載していきますが
今回は勉強していただく前に
心に留めておいて欲しいこと(マインドセット)
についてお話したいと思います。
1.社会情勢の変化を把握する
過去の記事で紹介しましたが、
改めて社会情勢から振り返ります。
①労働生産人口の減少
2020年時点の労働人口は7,509万人ですが、
2040年には6,213万人に減少すると言われています。
団塊ジュニア世代が50代に突入している現在、
この世代が引退する頃には、さらに人口減少は
加速していきます。
②世代別の事情
次に世代別の事情を把握すると
より解像度が上がると思います。
バブル世代:54歳~59歳
団塊ジュニア:49歳~53歳
ロスジェネ世代:42歳~48歳
プレッシャー世代:37歳~41歳
ゆとり世代:29歳~36歳
Z世代:28歳以下
※諸説あり、年齢はおよその目安となります。
ここでピックアップしたい点は以下の3点です。
・団塊ジュニアが引退すると一気に減少する
・ロスジェネ世代は不遇の世代。プレッシャー
世代が組織の中核を担う企業も多い。
・ゆとり世代以降、ワークライフバランスが浸透
以上のことから、新卒採用は年を追うごとに
レッドオーシャン化していくことになります。
ちなみに、あくまでマスで見た見解のため
個社によって事情は異なりますが、
大きな枠で見た際の背景となります。
③終身雇用、年功序列の崩壊
2019年4月、経団連の中西宏明会長
2019年5月に、トヨタ自動車の豊田章男社長
が、終身雇用の維持が難しいと発言したことで
より鮮明になります。
また、大企業では年功序列はすでに
成果主義へ移行していたと思いますが、
中小企業では給与自体がほとんど上がらない
評価制度になっているケースが多いです。
参考となる記事を添付しますね。
また、この辺はあなたもよくご存じでしょう。
こうした背景から、人事も考え方を変えていく
必要があると思うのですが、
実態はどうなっているか確認していきましょう!
2.変わらない人事の考え方
業界や会社の規模にもよりますが、
特に新卒一括採用を行っている企業では
以下の慣習が残っています。
①高学歴、偏重主義
なぜ、高学歴の人を採用したいのか?
人事の本音は過去の記事をご参照ください。
簡単に言えば「地頭が良い」「外れが少ない」と
いった思い込みによるものが多いです。
「いや、それは言い過ぎだよ。」
という方も多いと思いますが、
詳しく理由を尋ねてみると、
以下の傾向が見受けられました。
①仕事の難易度が高いから地頭が必要不可欠
②過去に実績を上げた人は高学歴の人たち
③考えがしっかりいるから長く働いてくれる
④結果を残す人は忠誠心が高く辞めにくい
これは本当に「高学歴の人だから」なのでしょうか?
私の感想は以下の通りです。
教える余裕が無かった(面倒だった)から、
地頭の良い高学歴の学生が必要だった?
過去の採用実績は高学歴の人が多いから
結果を出す人は必然的に高学歴になるのでは?
長く働いてくれる、忠誠心が高いのと高学歴に
何の因果関係があるのか?
つまり、高学歴でないといけない理由を
きちんと言語化して説明できる人はいないのです。
この言語化できない「思い込み」による
採用基準の設定は非常に危険です。
ブランディングを行う際も言葉による定義が
必須となりますのでご注意ください。
②フルタイム出勤、至上主義
新型コロナウィルスのまん延以降
数年はテレワークも浸透しましたが、
現在は出社する人が増えています。
この考え方にも明確な理由はなく、
・コミュニケーションが取りやすい
・周りが出社するので合わせている
・紙の承認印がもらうため必要
といった昭和の考え方が残っています。
対面の業務は仕方ないと思いますが、
非対面で業務可能な仕事に関しては
ペーパレス、デジタル化をして
テレワークで勤務可能にする必要があります。
3.今、人事に求められること
私は声を大にして言いたい!
「人事は今こそ意識改革が必要である」
「働き方の多様性を認めないと未来はない」
この2つは自信をもって主張できます。
誰もが羨む憧れの企業ではないのなら、
生き残る道はこれしかないと言っても
過言ではありません。
もし、あたなの会社の平均年齢が
40代後半より上であるとすれば、
10年後に人手不足倒産の危機が迫ります。
そうならないためには
①高学歴、偏重主義
②フルタイム出勤、至上主義
この古い考え方を変えていく必要があります。
具体的な方針に関して以下に解説します。
①高学歴、偏重主義
これは本当に高学歴である必要があるのか?
MUST、WANTを見直してみましょう。
専門知識が必要という場合においても
それは何の職種かによって全く違います。
工場であれば「高専」「専門学校」「工業系高校」
経理であれば「専門学校」「商業系高校」
といった具合にマッチする学校が
同じ県下にないか確認しておき、
繋がりをもっておいた方が良いと思います。
次に、
②フルタイム出勤、至上主義に関しては
多様な働き方ができると選択肢は広がります。
【具体例】
「委託」であれば、
副業、フリーランス人材
「雇用」であれば、
遠距離や国外、子育て中の人など
リモートワークで勤務可能な人材 等々
しかし、
この話をすると必ず反論されるのが
「今の社員と待遇に差はつけられない」
と言う人が多いです。
しかし、
小規模ならアウトソースするか、
大規模でインソースが必須ならなら、
子会社化すれば良いだけの話です。
如何だったでしょうか?
今回の話は「社長の悩みあるある」で
頭の中が凝り固まった昭和のままだと、
部下から出来ない理由ばかりが上ります。
折角、ブランディングを始めようと
思って部下に協力を求めたとしても、
話が前へ進まないことが発生します。
そのため、まずはウォーミングアップして
頭の固さを少し柔らかくしてもらうことを
目的に記事を書きました。
少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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