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採用面接で絶対に聞いてはいけない質問

採用面接の絶対に聞いてはいけない質問
あなたは何個言えますか?

新卒採用では、早期化がどんどん進み、
年明けから採用面接を始める企業もあります。

御社は採用面接をする担当者が毎年固定で
皆さんが同レベルの水準を保っていますか?

現業で忙しく、人事担当者が兼任か、
現場のスタッフが代理で行っている…
こんな話をよく聞きます。

そこで今回は、そんな代理で面接に臨む人が
うっかり質問してトラブルに発展したり、
ハラスメントにならないように、採用面接で
絶対に聞いてはいけないことを纏めました。

この記事を見ていただければ、新卒、中途、
アルバイトなど、すべての採用面接において
トラブル防止のノウハウが揃っていますので
もしお役に立ったらいいね!をお願いします。


1.採用面接を行うにあたっての心構え


採用面接を行う際に面接者の基本のキである
マインドセットの話をします。

ここをきっちり押さえておけば、
うっかりNG質問をするリスクが避けられます。

採用面接においては
以下の3点を意識して臨んでください。

①応募者の基本的人権を尊重すること
②応募者の適性・能力に基づいて行うこと
③応募者はお客様でもあるということ

今でも残っている間違った風習として、
面接者が上、応募者が下という考え方です。

応募者はあなたに対して丁寧な言葉使いで
作法にも注意して配慮をしてくれます。

しかし、それは採用面接という場に相応しい
人物であるという最低限のマナーと
自己アピールに過ぎません。

しかし、それを当たり前に続けていると
つい、忘れてしまう瞬間があるのです。
そのような時にNG質問をするリスクが
最も高くなりますのでご注意ください。

採用面接の目的は
企業側からは、自社に合った人物であるか?
応募者からは、自分が働けそうな職場か?

お互いに確かめ合う場であるということを
肝に銘じて、次の章を読み進めてください。


2.採用面接で聞いてはいけないこと


次に、採用面接で聞いてはいけないことを
種類別に分けて3つ記載します。

【採用面接で面接者が聞いていけない質問】

①本人に責任のない事項(4つ)
②本来自由であるべき事項(6つ)
③法違反&ハラスメントに抵触する事項(2つ)

具体例を順番に解説していきます。


①本人に責任のない事項

以下の内容は、応募者本人に責任がない事項です。
アイスブレイク等でうっかり質問してしまうと、
就職差別」につながる危険な質問です。

(1)本籍・出生地に関すること

【具体例】
・あなたの出身地はどこですか?
・本籍地を教えてください。
・ご両親はどちらのご出身ですか? など

戸籍謄本や住民票を提出させることも、
就職差別に該当しますので絶対に避けましょう。

(2)家族に関すること

【具体例】
・あなたのご両親は共働きですか?
・家族構成を教えてください。
・ご両親の健康状態は良好ですか? など

家族に関する質問にも、
当人には全く関係のない質問であり
就職差別と疑われてしまいます。

身内に犯罪者がいないか確認をしたり、
介護休暇や離職を避ける目的で
ご両親のことを聞くなどもNGです。

(3)住宅環境・個人資産に関すること

【具体例】
・どのような間取りの家に住んでいますか?
・自宅は持ち家ですか?
・金融資産等はお持ちですか? など

住宅環境や個人資産も
応募者の適性や能力に関係がありません。

(4)生活環境・家庭環境に関すること

【具体例】
・自宅は〇〇駅のどちら側ですか?
・あなたは長男ですか?
・家業を継ぐ予定はありますか? など

生活環境や家庭環境に関する質問は、
いわゆる育ちの良さとチェックしているなと
誤解を招く危険があるということです。

応募者と家族の生活水準を評価に持ち込む
ことは就職差別になるので注意してください。


②本人の自由であるべき事項

価値観や支持政党などは、
本来「本人の自由であるべき」ことです。
以下の内容も場面や目的によっては
うっかり質問してしまっていないか確認しましょう。

(5)宗教に関すること

【具体例】
・あなたは何の宗教を信仰していますか?
・あなたは神や仏を信じますか?
・あなたは○○教徒ですか? など

日本国憲法第20条では
信教の自由が保障されています。
採用基準に盛り込むことは憲法の精神に反します。

おそらく質問者の意図は食事面やお祈り等、
特定の宗教行事の確認が目的だと思いますが、
面接の場で企業側から質問することはNGです。

(6)支持政党に関すること

【具体例】
・あなたはどの政党を支持していますか?
・前回の選挙では誰に投票しましたか? など

選挙に関することは時事ネタとして
アルバイトの面接とかで、アイスブレイクとして
うっかり質問するかもしれませんね。

しかし、このような質問は
御社が特定の政党と
繋がりがあることを疑われかねません。


御社の採用基準に
支持政党が含まれている等の誤解をさけるため

にも質問することは避けてください。

(7)人生観・生活信条に関すること

【具体例】
・あなたは結婚や家庭についてどう思いますか?
・あなたは何を信条としていますか?
・○○の社会問題についてどう思いますか? など

応募者の人生観や生活信条に関することも、
個人のプライバシーに関わる情報
かつ、選考には関係ない質問になります。
採用面接では質問を避けてください。

(8)尊敬する人物に関すること

【具体例】
・あなたが尊敬している人は誰ですか?
・将来の目標とする人はいますか?

「尊敬する人物」や「目標とする人物」は
一見問題ないように感じるかもしれません。

しかし、この質問は
応募者の思想・信条に関わる可能性があります。
不用意に聞かないようにしましょう。

(9)思想に関すること

【具体例】
・ご自身の生き方をどのように考えますか?
・○○の問題についてどう思いますか?
・愛読書は何ですか?
 どのような所に感銘を受けましたか? など

思想の自由は日本国憲法第19条で保障され、
基本的人権を侵害する可能性があります。
またプライバシーの侵害にもなりますので、
このような質問は避けましょう。

(10)社会運動に関すること

【具体例】
・労働組合への加入歴はありますか?
・学生運動※に参加した経験はありますか?

応募者本人の過去にあった社会運動や
デモに対する考え方を質問するのもNGです。

※学生運動
学生がメインになって学生生活や政治に対して
組織をつくり、問題提起や社会運動を行うこと


③法違反&ハラスメントに抵触する事項

上記の2点以外にも、注意をして欲しいのが
ハラスメント等に関する事項です。

(12)男女雇用機会均等法に抵触する事柄

【具体例】

(女性に対して)
・結婚のご予定はありますか?
・出産のご予定はありますか?
・出産後も育児をしながら働けますか? など

(男性に対して)
・結婚のご予定はありますか?
・男性育休は取得されますか?
・女性の上司の元で働けますか? など

男女雇用機会均等法は、性別に関わらず
意欲と能力に応じた均等な待遇を受けられること
を目的としています。

応募者の男女差別につながる質問は、
男女雇用機会均等法に抵触するため、
NGとされています。

(13)○○ハラスメント

ここからはハラスメントに関する事例を
列挙していきます。

セクハラの具体例】
・異性関係について教えてください。
・デートに誘ってもよいですか?
・身長、体重、スリーサイズは? など

ここで注意が必要なことは、
制服等のサイズ確認をしたい場合でも、
採用面接の場では聞かないことです。
(入社手続きの中で確認すれば良い)

また相手の容姿やプライバシーに触れる発言は
褒め言葉であっても絶対に止めましょう!

モラハラの具体例】
・部下に対してどのような指導をしてきましたか?
・過去に上司と意見が対立したことはありますか?
・厳しい指導を受けた時、どう対応しましたか?

過去の職歴における確認事項にあたりますが、
退職理由などを聞く時にうっかり質問することが
想定されます。注意しましょう。

パワハラの具体例】
・そんな甘い考えではどこも雇ってくれないぞ!
・もっと○○しなさい。基本ができていない!
・親の顔が見てみたいよ。

このような圧迫面接は一発アウトです。
御社ではそのような担当者はいないと思いますが、
稀にこのようなことをして「ストレス耐性を測る」
と言い「ストレス発散」をする面接者がいます。

ストレス耐性は上司の理不尽な言動に耐えられる
か否かではありません。

苦難を迎えた時ネガティブにならず、前を向いて
進めるレジリエンス
が求められる力なのです。
以下の記事も参考にしてみてください。

オワハラの具体例】
・いつまで就活を続けるのですか?
・もう当社で決めてしまえば良いでしょう?
・○日以内に内定承諾しないと取り消します!
                 など

最近メジャーになったオワハラです。
自社へ囲い込むことを目的に
必要以上に応募者へ迫る行為
を指します。

当然、このような行為もNGとなります。

求職者には誠実であることが求められます。
他社批判も同様に受け止められる危険性があり
うっかり口にしないように注意しましょう。


ここでもう一度整理します。
先ほどの章でも説明しましたが、
応募者の段階で、目の前の相手は
どのような位置づけだったでしょうか?

それは、
自社の商品・サービスを利用するお客様です。
これを絶対に忘れないでください。

これらの質問は相手に不快感を与えるだけでなく、
企業のブランドイメージの低下や、場合によっては
訴訟されるリスクもあるので絶対に止めましょう。

採用面接で確認することは
自社に合う人材か?
その能力適性を確認するためのものです。


3.正しい採用面接を行うコツ


ここまで読んでいただいて、
つい、うっかり質問したことがある内容は
あったのではないでしょうか?

昔から面接を行ってきたと自負している人ほど
いずれかの質問をしてしまっていたと思います。

それくらい、現在の採用面接は
ルールが厳しくなり、面接者の個人技による
人の見極めは難しくなってきたと言えます。

だからこそ、私がお勧めするのは構造化面接です。

よい面接=人を見極めるテクニック

この考え方はすでに終わったと言っても
過言ではありません。

少なくとも、人の見極め方は
心理学などを駆使すれば技術的には可能です。

しかし、見極めよりも現在の採用では
惹きつけ=仕事内容や会社の魅力を伝える力
の方が重要視されています。

では、どうやって見極めるのか?
それが先ほど申し上げた構造化面接です。
この手法の良い所は一定の品質を担保して
面接後に採用の可否の判断ができる点
です。

つまり、採用面接者は
基本的な仕草や発言内容すらも、
すべて事前に決められたチェックリストに従い、
読み進めるだけで、採用面接ができます。

あとは、
どのように採用面接を設計するのか?
使い方をどうやってトレーニングするのか?

この課題感をもって人事の方には取り組んで
もらいたいと思います。

少し長くなりましたら、
今回はここまでとさせていただきます。


最後までお読みいただきありがとうございます。

以前に少し語った記事がありますので
以下の記事を参考にしてみてください。

次回以降、どこかで採用面接に関する記事を
順次アップロードしていきますので
チェックしておきたいと思った方は
ぜひ、フォローをしてお待ちください。


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