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人事特化の「HR Climbers」だから語れる評価される【組織開発ポジション転職】のレジュメ作成と面接対策
みなさん、こんにちは。HR Climbersです。
人事特化型の転職支援サービスとして日々人事職の方々のキャリア相談に携わる中で、「組織開発をしたい」「組織作りなど上流の人事業務をしたい」といったキャリア形成の相談を最近特に多くいただきます。
経験、未経験は関係なく、こういった声を聞くことが非常に多くなってるのは、裏側でもっと良い組織を増やしたい。と感じてる人が多くなっている事が現れてるのだろうなと感じたりします。
HR Climbersには大手企業人事やCHRO、スタートアップ一人目人事などを経験したメンバーが在籍しており、採用する側(人事として)としても数多くの組織開発人材の方の面接も行ってきました。
この経験を活かし、「採用側が本当に知りたいこと」と「応募者が伝えるべきこと」のギャップを埋める、実践的なアドバイスをまとめて、良い組織を作る事ができる方を多く増やしていきたいと考え今回の記事を書こうと思っています。
組織開発ポジションの面接では、優秀な人材がある種「もったいない伝え方」をしてしまい、本来の実力が正しく評価されないケースが非常に多いと感じています。
その中でも、特に「HOW(手法)」だけの回答に終始してしまい、本質的な価値が伝わっていないケースを、我々は数多く目にしてきました。
なぜこのような形になってしまうのか。 それは、組織開発という職種が、他の人事職種と比べても特に「成果が見えづらい」「評価軸が曖昧」という特徴を持っているからかなと思います。
一方で ”だからこそ”、面接では「どう伝えるか」が非常に重要になってきます。
今回は、組織開発ポジションを目指す方々に向けて、面接での具体的な伝え方や注意点をまとめました。
・面接官が本当に知りたいこと
・よくある失敗パターンとその対処法
・成果の効果的な伝え方
これらを、実際の採用面接での経験を基に、できるだけ具体的にお伝えしていきます。 この記事が、組織開発ポジションにチャレンジする方々の力になれば幸いです。
今、企業に「組織開発」が注目されてる理由とは
近年、どの企業でも「組織開発」が重要視されるようになってきました。
経験者はもちろん、未経験者や比較的年齢の若い方でも「組織開発をしたい」と組織開発ポジションを志向される方が非常に増えてきていると感じます。
まずはそんな組織開発ポジションを取り巻く背景と、組織開発ポジションの目的を整理していきましょう。敵を知らなければ戦はできません。
組織開発ポジションの盛り上がりの背景には、現代ビジネスを取り巻く、2つの大きな変化があります。
1つめは、ビジネスの複雑化です。テクノロジーの急速な進化、顧客ニーズやビジネス市場の変化、グローバル競争の激化…。企業は、かつてないほど複雑で不確実な環境に置かれています。
このような環境下では、ヒト・モノ・カネ・情報という経営資源のなかでも企業にとって普遍的な資産であり、昨今特に重要度が増している「人財」を如何に強くできるか。が非常に重要な経営課題になっていきます。
ビジネスのトレンドの変化も激しいため、従来のトップダウン型の組織運営では限界を迎えつつあり、現場一人ひとりが自律的に考え、行動できる組織へと変革することが求められていると理解しています。
また、昨今で最も大きい変化といえば「人的資本経営 / 人的資本の開示」でしょう。
人的資本経営についてはここでは割愛しますが、昨年より本格的に開示義務もスタートしており、企業は定量情報、企業価値情報として「組織力」を開示する事がMUSTになってきました。
2つめは、人材の多様化です。終身雇用が前提ではなくなり、様々な価値観を持つ人々が共に働くことが当たり前になりました。
企業によってはリモートワークの活用や働き方の柔軟性を担保し、地方人材の採用や、外国籍人材の採用、時短勤務社員の活用など、こうした多様な人材の力を最大限に引き出し、イノベーションを生み出すような組織文化を構築しなければなりません。
つまり、一つの目標(ビジョン等)に共感して集まった集団を「目標達成できるチーム」へと進化させることが、これまで以上に困難に、かつ重要になっているのです。
そして、この難しい課題を解決に導くのが、他でもない「組織開発」の役割だと考えています。
実際、2024年に実施した調査によると、人事部として取り組みたいテーマ「人材育成・組織開発」が2年連続トップ。301名以上の企業では9割超と昨年より割合が高まっています。
多くの企業が、組織開発を経営の重要課題と捉え、その専門人材を求めていると言えるでしょう。
事業成長を加速させる「組織開発」の役割
HR Climbersは、組織開発の役割を、「事業を前に進めるために、組織内にいる方々への働きかけを行い、目標を達成できる組織を作ること」 だと考えています。
ここで重要なのは、「事業を前に進めるため」 という目的です。
組織開発の仕事は、決して「社員を幸せにすること」だけではありません。
もちろん、社員のエンゲージメントや働きがいを高めることは大切です。しかし、それはあくまでも手段であり、目的は、あくまでも事業の成長でしょう。
その目的のために、組織開発の担当者は、
・経営戦略に基づく、組織のあるべき姿の設計
・現状の組織課題の分析と、解決策の立案・実行
・人材育成プログラムの企画・運営
・社員のエンゲージメント向上施策の実施
・多様性を尊重し、活かすためのダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進
など、制度設計、研修育成、エンゲージメント、D&Iなど様々な手法 を通じて、人と組織に働きかけます。
組織開発とは、事業成長という確固たる目的のもと、人と組織に戦略的に働きかけ、目標を達成できるチームを創造する、まさに経営に直結する重要な役割であり、その担い手として企業は今、変革を推進できる、そして事業成長を力強く牽引できる、そんな人材を求めていると言えるでしょう。
【おすすめ書籍】
以下の書籍は組織開発を理解する上で非常に分かりやすい内容になっています。
組織開発ポジションの面接で落ちる人に共通する「残念な回答」とは
ここからが本題です。
多くの企業が組織開発に力を入れる一方で、その採用面接は、決して簡単なものではありません。
特に、優秀な人事パーソンが、「もったいない伝え方」 をしてしまい、本来の実力が評価されないケースを数多く見てきました。
面接で落ちる人に共通する特徴。それは、「HOW」、つまり「どんな施策をやってきたか」という話ばかりしてしまうことです。
「エンゲージメントスコアを◯ポイント上げました」
「1on1ミーティングを導入し、社員の満足度を向上させました」
もちろん、具体的な施策を語ることは大切です。
しかし、面接官が本当に知りたいのは、「WHY」と「WHAT」、つまり「なぜその施策が必要だったのか」そして「その施策によって、事業にどんな貢献ができたのか」なのです。
例えば、「エンゲージメントスコアの向上」という施策。それ自体は素晴らしい取り組みですが、それが事業成長にどう繋がったのかが語られなければ、面接官には「目的意識が欠けている」と判断される可能性が高まってしまいます。
また、「組織の人が幸せになるような事をする」という視点で回答される方もおり、想いとしては素晴らしいですが、人に寄りすぎているという視点から敬遠されることが多くあります。
(逆に人事は人に対してドラスティックに物事を前に進める力も求められるかと思います。)
「事業を前に進める」という目的を、常に念頭に置いて回答することが、組織開発の面接を突破する上で、最も重要なポイントになります。
組織開発の成果を「定量化」するポイント
「目的を念頭において回答する」を分かりやすく意識するために大切な事はなんでしょうか?
それは「成果の定量化」だと考えています。
「事業を伸ばすためにエンゲージメントスコアの改善を◯ポイント行いました。」
確かに目的と、自身が行った施策の定量化はできていますが、目的である事業がどれくらい進捗したのかは分かりません。この辺りを答えられると非常に良い回答になってくると思います。
そうは言っても、「組織開発の成果を定量化するのが難しい…」と感じる方も多いでしょう。
確かに、事業成長に直接的なアプローチをする訳ではなく、あくまで「人・組織」を通じて間接的にアプローチをする組織開発は、わかりやすい指標がない分、成果を定量的に示すのは簡単ではないと思います。
しかし、「難しいからこそ、できる人材は少ない」 のです。
つまり、成果を定量的に語ることができれば、それだけであなたは、他の候補者よりも一歩リードできるのです。
重要なのは、「HOWの定量化」で止まらないことです。
「エンゲージメントスコアを〇ポイント改善」ではなく、
「エンゲージメントスコアを〇ポイント改善した結果、チームの目標達成率が120%になり、〇ヶ月継続して達成。それが事業部の業績向上に大きく寄与しました」
というように、事業成長への貢献を具体的な数字で示しましょう。
たとえ100%の確証がなくても、自分なりの仮説に基づいて、「この施策が、事業成長にこれだけ貢献したはずだ」と、論理的に説明する。その努力が、面接官に必ず評価されます。
また、ここまで読んで勘の良い方であれば気づいてると思いますが、本来この成果の定量化は転職のタイミングではなく、日々の業務を行っているタイミングでしっかり言語化しておく事が本質的に大切な事だと思います。
繰り返しですが人事の仕事の成果は間接要因が多く、定量化が難しいからこそ、それができる人事の価値は高いと思っています。
日々業務に取り組んでいる中で、なるべく成果に対しての結果がどうだったか。を意識的にまとめておくようにする事が最も重要な面接対策かもしれません。
選考突破の鍵を握る「レジュメ」 の書き方
ここまで、面接で「事業成長への貢献」をいかに効果的に伝えるかについて説明してきました。
選考という意味では、面接の前に当然書類選考が存在します。どんなに素晴らしい経験や実績を伝えられても、伝えられる場(面接)まで行かなければ意味がありません。
その鍵を握るのが、「レジュメ(職務経歴書)」 です。
人事は、限られた時間の中で、あなたの提出したレジュメから、能力や可能性を判断します。つまり、レジュメは、あなたの第一印象を決定づける、非常に重要な書類なのです。
では、人事はレジュメのどこを見ているのでしょうか?
最も注目しているのは、あなたの経験の「再現性」です。
つまり、「あなたの経験やスキルが、自社で、そして自社の組織開発ポジションで、どう活かせるのか」という点になります。
例えば、あなたが「エンゲージメントスコアを向上させた」という実績をアピールしたとしましょう。人事は、その実績そのものだけでなく、
「なぜエンゲージメントスコアが向上したのか」
「その経験を、自社の組織課題の解決にどう活かせるのか」
という点まで、深掘りして考える事で「再現性」を確認します。
つまり、人事は、あなたのレジュメを読みながら、「この人は、自社の事業成長に貢献してくれそうか?」「この人の経験は、自社の組織課題の解決に活かせそうか?」 という視点で、あなたの可能性を探っているのです。
「事業成長への貢献」を軸に据える 〜レジュメ作成の4つのポイント〜
それでは、人事の視点を意識した、成果が伝わるレジュメを作成するためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか?ここでは、4つのポイントに絞って解説します。
①「事業成長」を軸にする
全ての経験を「事業成長への貢献」という軸で語りましょう。
②「組織開発」視点で書き換える
「1on1導入」ではなく、「メンバーへのフィードバックの機会を導入し自律的な人材成長を促すために1on1を導入・定着化」など、経験業務を組織開発の視点で再解釈して表現しましょう。
③徹底的に定量化する
「1on1の導入率」や「フィードバック数」だけではなく、それにより「チームの目標達成率が前年比120%を達成、かつ6ヶ月連続で達成」など、具体的な数字で成果を示しましょう。
④目的と成果を繋げる
施策(HOW)だけでなく、その前段に「目的(WHY)」、後段に「成果(WHAT)」を書き、目的と成果を明確に紐づけましょう。
レジュメは、あなたの「組織開発を通じた事業成長への貢献力」を証明する、最強の武器です。
この武器を最大限に活用し、面接官に「この人こそ、当社に必要な組織開発人材だ!」と思わせるような、魅力的なレジュメを作り上げるよう意識してみましょう。
【まとめ】事業成長に貢献する組織開発パーソンになるために
組織開発の仕事は、「事業成長」という目的のために、人と組織に働きかけ、目標を達成できるチームをつくることです。そして、組織開発ポジションの面接は、あなたの「事業成長への貢献意欲」と「実績」を、あなた自身の言葉で語る場です。
面接であなたの経験を最大限にアピールするためには、
「Why」「What」「How」の順番で語る
成果は定量的に、具体的に示す
あなたの経験を「組織開発(=事業成長への貢献)」の視点で捉え直し、言語化する
これらを意識することが重要になり、その土台となるのが、「事業成長への貢献」を軸に、あなたの経験と実績を明確に示したレジュメです。
しかし、働きながら、これらすべてを完璧に準備するのは、容易なことではありません。特に、自身のキャリアを客観的に見つめ直し、将来のキャリアパスを設計することは、一人では難しいですよね。
「自分の経験は、組織開発にどう活かせるのか?」
「事業成長への貢献を、どうやって定量的に示せばいいのか?」
「そもそも、自分に合った組織開発のキャリアパスとは?」
「もっと具体的な自分にあった面接対策をしてほしい。」
そんな壁にぶつかり悩んでいる方に対して、あなたの理想のキャリアの実現に向けて、HR Climbersが共に考え、伴走させていただきます。
HR Climbersは、人事特化型の転職支援サービス / キャリアパートナーです。
メンバーは、大手企業人事やCHRO、スタートアップ一人目人事等を経験した、人事のプロフェッショナルで構成されています。
豊富な人事経験と採用側の視点を持つ我々だからこそ、あなたの強みを最大限に引き出し、「事業成長への貢献」を明確に示すための、実践的な面接対策とレジュメ作成をはじめ、組織開発ポジションへの転職を、中長期的なキャリア設計から始め、選考対策、そして内定後のフォローまで、共に伴走いたします。
少しでも人事のキャリアに悩まれてる方は是非お気軽にお問い合わせください。