人事図書館の紡いだ1年の物語【すべては1人から始まる】
こんにちは。人事図書館のよっさんです。
昨日のいくみんさんからバトンを受け継いで最終日を担当します!
(いくみんさんのオンラインメンバーとしての葛藤や挑戦もぜひご覧ください!)最後の最後でバトンを落とさなくてよかった安心感もあります笑
人事図書館は2024年4月のオープンから、もうすぐ1年。みなさまのお力添えのおかげで、私たちの図書館は日々進化を遂げています。今回は、アドベントカレンダーの最終日という特別なタイミングを用意いただいたので、人事図書館をつくろうと言い出した時から今までの約1年を振り返ってみたいと思います。
一言でいえば「一人ひとりの願いが紡がれた物語」だと感じています。
「人事図書館、つくります。」から始まったみんなの物語
最初の一歩は2023年10月、Xで私が「人事図書館、つくります。」と投稿したところから始まりました。あのときは正直、ここまで多くの反応があるとは思っていませんでした。ですがあの一言がきっかけで、「人事の悩みを共有できる場がほしい」「同じ境遇の仲間と出会いたい」「かつての自分が求めていた場所」などの声が続々と届き、その結果、クラウドファンディングという大きな挑戦へと舵を切ることになりました。
そして、みなさんの強い想いと願いのお陰で、472名もの方にご支援いただき、1160万円という大きな金額を集めることができました。 Readyforの支援コメントには、それぞれの悩みや期待が溢れていて、「一人で苦しむ人事をなくしたい」「スタートアップで、孤立しがちな人事担当者を救いたい」といった切実な声が胸に響いたのを、今でも思い出します。
2024年4月、人形町に開館
約170名の人事図書館設立準備室の仲間と約半年にわたる試行錯誤と挑戦を経て2024年4月、人形町で「人事図書館」をオープンしたときの興奮は、きっと一生忘れられません。最初は早期申込の334名のメンバーでスタート。その後、日経新聞や各種メディアで取り上げていただいたこともあり、「人事に特化したリアルな場である」「名刺交換禁止で気軽に人事の話ができる」「2,500冊を超える人事関連書籍が読み放題」という独特さが話題を呼び、現在は600名を超えるメンバーが集まるまでになりました。
クラウドファンディングで支援してくださったみなさん、日々メンバーとして人事図書館に関わってくださっている皆さん、そして「面白い場所ができたから一緒に学び合おう」と色んな方にご紹介いただいている多くの方々へ心からの感謝を伝えたいです。オープンする前は私自身にも多くの不安がありましたが、「皆さんからいただいた願いと想いを形にするために、自分のできる限りで挑戦してみよう」と決意できたのは、みなさんの想いが支えになっていたからでした。
みんなでつくる図書館
私が「図書館」という形にこだわったのは、先人の知恵をもっと活かしたいと考えたからです。人事や組織の世界には、いわゆる学問として体系を成すようになってからも100年以上前から膨大な理論や事例が積み上がっています。ところが、その英知が必ずしも現場で活かされていない。ならば、「本を軸に学べるリアルな場所があれば、その知見が少しでも広まることに繋がるのでは」と考えた末の形でした。
4月の開館早々に想像していた以上に書籍への高い関心や評価をいただけるようになり、書籍があることの価値とそこからの学びは非常に意義深いことだと感じられるようになりました。そしていまでは書籍から学ぶだけでなく、メンバーがイベントを企画したり、焚火スペースで雑談したり、Slackなどオンラインで気軽に相談しあったりするなかで、新しい学びやつながりが生まれていきました。そこでは、私ひとりのアイデアやCETだけでは到底できないことが、どんどんと実現していったのです。
この「みんなでつくる」空気感が、私にとっては何より嬉しいものでした。例えば、蔵書のリクエストが増えれば、私自身も知らない本をどんどん知ることができるし、イベントが立て続けに企画されれば、想像以上に豊かな学びの場へとアップデートされていきます。みなさん自身の「やりたい」を実現する場所として使ってもらったり、色んな人の繋がりによって仕事の質もキャリアの選択も大きく変わっていく姿を見て「人事図書館は生きている」と実感する日々でした。
“仲間と学びで未来をひらく”一年間
オープンからこれまで、「仲間と学びで、未来をひらく」というコンセプトを掲げ、毎月15〜20ものイベントを開催してきました。人事の専門領域、マネジメント事例の共有会、ボードゲームを活用した交流会など、テーマも形式もまさに多種多様。参加者同士が名刺交換をしないかわりに、本音で意見交換しやすい空気が生まれ、“孤立していた人事”の方がどんどん繋がりを増やしていき、拠り所として人事図書館を感じてくれている場面に出会うことも増えてきました。
私がなにより印象的だったのは、クラウドファンディングのころから応援いただいている方々からの声です。「こんな場を待っていた」「私自身、一人で悩み続けていたけど、同じ境遇の人がこんなにいるなんて驚いた」「私もこういった場に関わりたいと思っていた」といったメッセージを幾度となくいただきました。こういった想いを持って関わってくれる1人ひとりの想いがコミュニティとしての人事図書館を形作っていったと感じます。
出会いが生んだエピソード
この1年で、実際にたくさんの嬉しいエピソードがありました。
ひとりでスタートアップ人事を担っていた方が、同じ悩みを抱える複数のメンバーに出会い、一緒に工夫を凝らして採用広報を作り直したところ、「意外なほど応募者数が増えた!」と喜んでいたこと
産業医、社労士、経営者と人事が腹を割って話すイベントが開催され、普段はなかなか交わらない立場同士で活発にディスカッションが生まれ、「もっと話していこうと思った」「まだまだ出来ることがあると気づいた」「気づきが多すぎて頭が追いつかない!」という声が上がったこと
蔵書を通じて“先人の知恵”に触発され、仲間からのアドバイスを受け、「これならうちの会社でもできるかもしれない」と新施策を提案し、結果的に上司を説得できたケースが何件もあったこと
こうしたエピソードは、決して私や人事図書館のスタッフが成し遂げたものではありません。すべて、みなさん一人ひとりが「なんとかしたい」という意志を持ち行動を起こしてくれた結果です。もちろん人事図書館が、その後押しになれていたら、それ以上に嬉しいことはありません。
今回振り返ってみて、改めてそのすべてが「1人から始まる」ことに気づかされました。1人ひとりが「ソース(アイデアを実現するためにリスクを負って最初の一歩を踏み出した個人)」として様々なリスクを負って踏み出したことから始まっています。人事図書館のメンバーになるリスク、自社で提案をするリスク、組織やチームへ波を立たせるリスク。いずれもソースであるみなさんの意志と行動が現実を変えてきているのです。
このアドベントカレンダーもそう。1人から始まっています。
感謝を伝えたい理由
今回、アドベントカレンダー最終日の記事としてこの文章を書いているのは、心から感謝を伝えたいからです。「人事図書館」がここまで形になったのは、あなたのおかげです。悩みを共有し、学び合い、意見を交わし、そして自分の仕事に生かす。そして、人事図書館を応援し、関心を持って関わってくれたり、発信を目にとめてくれたり、話題に出してくれたり…。様々な形で関わってくださった一人ひとりのお陰です。私たちはその1つ1つの動きに何度も背中を押されてきました。あらためて、ありがとうございます。
これから先も、みんなで歩んでいきたい
この1年間は、まさに手探りの連続でした。でも、「仲間と学びがあれば、未来を拓くことができる」という実感を得られたのは、大きな財産です。私にとって、いまの人事図書館はまだまだ始まりにすぎません。みなさんと一緒に“次のステージ”へ進んでいきたいと思っています。今年は「仲間」について皆さんと一緒に磨いてくることが出来ました。来年はこれまで以上に「学び」を進化させて「すべての組織に人事のプロを」を実現していきたいと考えています。
年末年始は、そんな夢を描き、夢を実現するための「しつこい」実行計画を考える時間にしようと思っています。ワクワクしますね!
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
関わってくださるみなさんにとって、人事図書館が長く価値ある場でありコミュニティで有り続けられるよう、磨き続けます。
まだまだ至らぬところばかりですし、やりたいことに中々追いつけていない状況に葛藤をする日々でもありますが、それでも「しつこく」やり続けます。
この1年で様々な物語が紡がれていきました。今日も、そしてこれからも、1人ひとりの想いと願いで「人事図書館」の物語は紡がれていきます。元気に、面白く、葛藤しながら喜怒哀楽をたっぷりと。そんな日々が続き、世の中が変わっていく。私はその姿を信じてやみません。
メリークリスマス!
2024年12月 アドベントカレンダー最終日担当
人事図書館 館長 よっさん