見出し画像

ドット絵 死ぬほど物語(?)後編

前回、まわりくどい展開で『ギヨタン』の白黒バージョンができあがりました。今回はこれに着色し、カラーバージョンとしての完成を目指します!

前回できあがった白黒『ギヨタン』

白と黒の強いコントラストでしっかり描かれている絵に着色するのは、なかなか気を遣う作業になります。安易に"黒"を"暗色"に変えてしまうと、コントラストが弱まって絵全体がぼんやりしてしまうからです。

テーマ的に重いこともありますし、着色するといってもできるだけ影色の"黒"を活かしていかねばなりません。

手順⑨ ざっくり塗り分け。

というわけで、まずはざっくり木の色を塗り分けてみました。

"刃"の周囲がこのドット絵の「顔」ですから、中央付近を明るく、上や下を暗くしていきましょう。

手順⑩ 全体の色バランスを整える。

柱を上下へ向かって少しずつ暗くしていきつつ、天井と足に立体感をつけました。これで概ね全体の色バランスが決まりました。

手順⑪ 残りの木部にも着色する。

あとは柱の上下の色変化にあわせて残りの木部を着色します。基本的には、中央が明るく、左右端寄りが暗いという関係にするだけです。

ただし下の、死刑囚の頭を固定する部分の周囲は少し汚れた感じにしておきます。ドバッと血が飛び散った跡を赤色で描くような表現は下世話なのでやりたくありませんので、飛沫の"染み"がわずかに残っている程度に抑えました。

そして、懸案の黒色部分(影&側面)に手を入れていきます。

手順⑫ 黒色部分を着色する。

原則としてかなり暗い色にし、絵全体が明るくなってしまわないよう注意します。元の"黒"も活かしていますがあくまでフチドリ線にとどめて、黒の部分を広い「面」としては残さないようにしました。

それと、柱の足先と支えの板とが一体化して"▲"になっていたのを色分けし、柱と板とが組み合わされていることを一応示しておきます。

最後に、刃とそれを吊るすロープにも質感を活かした色をつけると……

完成!

あなたの心のマスコット、ドット絵『ギヨタン』カラーバージョンの完成です!

ではここで、元の白黒バージョンと並べてみましょう。

白黒/カラー比較

ふむふむ……一応、「白黒に比べて劣化した」「着色は失敗だった」と言われるほどではないと思います。これは「着色は成功だ!」と言い張って良いのではないでしょうか?

いえ……「成功」か「失敗」かと二元的に断じなくてもいいんですよね。ついつい白黒ハッキリしているものを望んでしまうのは、悪い癖かもしれません。

(おしまい)

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集