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猫の縄張りに住んでみよう!

みなさんは住む場所・家を選ぶとき、なにを優先しますか?

普通は、通勤・通学に便利とか、家賃・売値が安いとか、静かな地域であることや買い物に便利な場所という感じでしょう。あるいはお金持ちの方々なら、「ここに住んでいるとカッコイイ」と、都心のタワーマンションや伝統的な高級住宅地、ひたすら広い家に住むこともあるかもしれません。

いつもお金に余裕がないぼくは、もちろん前者です。

でも一昨年に買ったお安い団地は、ぼくには長く暮らせそうになく、早々に退去することにしました。そして新たな住まい探しを始めたわけですが、ローンは避けたいという事情もあって、まずは旧宅を売るための一時避難として賃貸住宅に移ることになったのは昨年末のことでした。

当初は、家賃が安いだけのところに一時避難しようと思っていました。でも、「そんなことでいいのか?」と少し悩んだのです。

長く暮らすことを考えないということは、つまり留学や長期の旅行のようなものであり、人生のなかでそうそう機会があることではありません。せっかくだから楽しんだ方が良いのではないか? と。

それなら……と、この状況を最大限に活かすため、タイトルにもあるとおり「猫の縄張り」に住んでみることにしたのです!

猫ストーカーの面目躍如?

そういはいっても日本国中、猫の縄張りではない地域なんてほぼありません。「どこでも猫の縄張りのなかだぜ~」で済ませては意味がないので、きちんと「猫たちがたくさん暮らしているとわかっている地域」を探す必要があります。

でも普通、特定の地域に猫がたくさんいるかどうかは、すぐにはわかりません。無闇な餌付けで大繁殖しちゃっているケースは別として。

しかしぼくは猫ストーカーとしてのキャリアがありますから(えへん)それなりに広く周辺地域の野良猫事情を把握しています。もはや市内の地図を見れば、その半分くらいの地域に暮らす猫たちの顔を思い浮かべられるようになってきています。

そのなかでも最初に思いつくのが、このnoteでも繰り返し様子をお伝えしてきたハチワレ・靴下ちゃんの縄張りです。

一昨年の4月に書いた上記の記事には、靴下ちゃんの縄張りについて「進行方向にはマンションがありまして」という一文があります。ぼくが一時避難先として白羽の矢を立てたのは、このマンションです。

靴下ちゃんがいるのが、"このマンション"の敷地内

しかもこのマンション、調べてみたら空き部屋が半数もある! 普通なら賃貸住宅に短期で住むのはいやがられるのですが、そんな状況なら断られるわけない! と入居を申し込んでみたところ……

断られました。

は? 何様!?

と思ったのですがその憤りを噛み殺し、少々ゴネて大家さんにも悪くない条件を提示してみたところ、無事入居できることになりました。ヤッタネ☆彡

いや、ヤッタネじゃなくて! 営利でやってる大家が自ら提案してきなさいよ、と正直思います。そんなだから空き部屋だらけなのでは!? と、ちょっと心配になってしまいます。

「猫団地」の住民たち

ちなみにこの靴下マンション(たったいま命名)、"ペット可"ではありません。

とはいえマンション敷地内やその周囲を靴下ちゃんをはじめとした複数の地域猫たちが行き来しており、ちょっと周辺を散歩すればすぐ誰かに出会えるという、むしろ「"人間可"の猫団地」と呼んだ方がいいくらいの場所です。

ついにお隣さんになった「ハチワレ・靴下ちゃん」。
少しコミュニケーションが可能、表情も豊か。
うしろ姿がおじさんぽい模様の「ミケおじさん」。
三毛猫だからたぶん女の子なのにごめんよ。
顔の模様がアレフガルドな「竜王さま」。
白黒2色のようでいて、よく見ると黒い部分は縞々な「黒縞ちゃん」。

まだここに移住してからひと月弱ですが、それまでこの近辺を5年かけて見てきたよりも多くの様々なシーンに出会えています。

黒縞ちゃんと同じエアコン室外機をシェアするミケおじさん。
この2匹は以前からニアミスぎみ。
使わないときも室外機を守るミケおじさん。
すぐそばの林を散歩していた黒縞ちゃん(カメラからは遠い)
靴下ちゃんの散歩ルート解明がさらに進む。
背中で夕陽と語らう靴下ちゃん。
長毛種ちゃん……ん、どこかで見たような?

と、こんな感じで猫写真も「大漁」すぎ!

靴下ちゃん以外も含めてたくさんの猫たちと頻繁に出会えるのは、ここで猫たちが平穏に暮らし、警戒感を緩めてゆったり出歩けているからにほかなりません。

それは、人の暮らしも平和であることを意味します。歴史的にもかなり長きに渡って猫と人は共存してきたのですから、猫が平穏に暮らせる場所が、人にとっても良い場所であることは当然のことなんですけどね。

特定地域の猫たちが暮らす様子を一朝一夕に知ることはできないとはいえ、猫たちの暮らしぶりを知ることは、ぼくら人間の住宅探しに大いに役立つのではないでしょうか。

高齢社会化が激しく進み、もう「住宅余り」の時代がやってきています。全国の大家さんや不動産屋は、物件情報に周辺の「猫密度情報」を載せることを検討すべきだと提言しつつ、ぼくはそろそろご近所パトロールに出掛けようかと思います!

(つづく)

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