マガジンのカバー画像

ネトゲ寄りメタバース

43
ネットゲーム寄りのメタバースに関連する話題です。
運営しているクリエイター

#ゲーム制作

「誰でも簡単にゲームを作れる」は幸福なことなのか? SNSとしてのマリオメーカー

8月に自由研究でミニマムSNSを作った際、その研究対象として久しぶりにマリオメーカーを触りました。以前……ずいぶん以前に「苦手チャレンジ」したあとにいくつかコースを作りはしたのですが、いまいちピンと来なくてそのままになっていました。 とはいえ今回は"SNS感"の手触りを確認したかっただけなので、その「いまいちピンと来ない」コースをなんのためらいもなく投稿! ちなみに『スーパーマリオメーカー2』は発売から4年以上経過していますがまだまだ数多くのコースが投稿されていて、今でも

宝箱をつくるよ① 三つの葛藤

宝箱のドット絵がほしくなりまして、さっそく描いてみました。経済の話をするとき「貯金」のイメージとして使いたいのと、ゲームっぽい画作りにも使えるかなというわけです。 茶箱が好きゲームに限らずアニメでも、記号として「宝箱は赤!」という同調圧力があるのですが、ぼくは茶色の宝箱が好きです。落ち着きます。 とはいえ、もし実際にゲームを作るとなったら「赤箱」にすると思います。屋内なら木の床、屋外(ダンジョン)だと土や岩の茶色の上に置いても溶け込んでしまうからです。 でも描いた! 好

『現実』とは公務員が作ったゲームの名~メタバース経済とMMTを考える

今日も働きたくない人が書く経済の話、第一部・最終回です。 前回、溢れたお金の回収手段について、「(現実の日本社会では)広く"皆から回収"されていますが、さすがにFF11はそんな愚かなことはしなかった」と書きました。今回は、その続きです。 プレイヤーが成長して行動範囲が広がると、移動距離が増え、チョコボ搭乗料金や飛空艇搭乗料金ぶんの貨幣が以前より多めに回収されるようになります。ただし、これらはもともとあまり高額ではありません。 「納得感」を大事すると、サービスが変わらない

「格差社会」は納得のうえで生まれる~メタバース経済とMMTを考える

仕事じゃないけど仕事のような力の入れ具合で書く記事(?)の4回目です。今回で区切りをつけようとしたのですが長くなりすぎたので、次回で第1部完結とするつもりです。 今回は、これまでも例としてきたMMORPG『FINAL FANTASY XI』(FF11)の経済の変遷について探っていきます。 いわば「古代」の経済さて、以下は前々回にも掲載した、FF11の過去の経済をさらに初期と中期に分割したものです(少し修正しました)。 まずは、右の「初期」から見ていきます。 運営開始初

オンラインRPGの経済に見る「法による支配」~メタバース経済とMMTを考える

うーん。前回の終わりに「FF11の経済の全体像を見つめつつ、さらに現実との類似点を探っていきます」と書きましたが、大事な前提が長くなったので、今回そこまで到達していませんごめんなさい。変化を見るために過去のFF11経済を「初期」と「中期」にわけた図は作ったんですけどね……(今回のタイトル絵になっています。 オンラインRPGの経済はお金の出入りが計算されていて、ほぼ「自動運転」できる仕組みなっています。ある意味、当たり前のことすぎて見過ごされていますが、これは極めて重要なこと

日本経済を建て直せるのはゲーム開発者!? ~メタバース経済とMMTを考える

「メタバース経済とMMTを考える」、前回の序文に続く2回目です。 今回は、前回示した『FINAL FANTASY XI』(FF11)の経済図をもとに、ゲーム内経済におけるお金の流れを見ていきます。図は今回の記事タイトルにもしてあります(少し修正しました)。 なお、ここで大切なのは「お金が安定して流れていくこと」(を確認すること)です。図には「現在」と「過去」とがあるように、FF11は20年の歴史のなかで経済の仕組みが変化しています。過去の反省をもとに、現在があり、ぼく自身